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俳句 舞いあがれ10月

10/31
半夏生記録飛行のペダル踏み
燕の子破れ翼のある館
白靴の似合ふ自転車金糸雀色
夏の日のトレーニングやバイク漕ぎ
自転車や電車巻き上げ青嵐
10/28
踏むペダル飛行機飛べぬ今朝の夏
ハンカチや操縦室の怪我如何
白南風や進退抱負入交り
見舞ひ籠果物溢る夏至の昼
決めて夏光る翼の待つ部室
10/27
乾杯のジョッキ打つ音ビールの音
克己して体重制限には抜菜
ペダル感夏空へ向け飛び立たぬ
滑走路人力機待ち夏未明
夏の朝浮かぶ飛行機追ひかけぬ
10/26
サングラス内定通知懐へ
内定書翳し抱負を半夏生
夏の風お好み焼きのかきこ揺れ
単衣きて発泡スチロール磨き
テスト飛行決起集会生ビール
10/25
不合格通知舞い散り夏始
夏始眼鏡磨きて螺子検査
夏に入る鸚鵡返しの多き数
生ビール弱き細腕アルバイト
声かけど顔を隠してサングラス
10/24
桜舞ふチラシ集まるキャンパスへ
製作中桜ひとひら主翼へと
緑なす黒板かすめ櫻かな
春まけて鉛筆の線外れ切り
人力機ジャンプ台蹴り夏の湖
10/21
翼あげ夢見て飛ばし秋の空
秋涼や校庭の空模型飛び
秋涼し螺子の検査の指さばき
秋めく日飛行機の腹父とみて
飛行機部翼の占めて桜時
10/20
飛行機や秋の放課後飛ばせども
古書店の嚏小さき主ゐて
か弱き手すぽっと抜きてビール注ぎ
試作品二十三夜に納め行き
玉蜀黍お好み焼屋多め載せ
10/19
古本屋秋の船旅地図拡ぐ
竹ひごの曲がる熱さや火鉢欲し
父の手と廻る飛行機秋空へ
秋爽や百度詣りの親会社
澄む秋や東大阪煌めきて
10/18
さやけしやアーガイル柄のペアルック
色鉛筆レースカーテン風抜けて
「ただいま」と鴨居に吊るしばらもん凧
秋浅し古書店すこしひんやりと
秋の空模型飛行機父の夢
10/17
父の日の四人の皿へ父カレー
飛行機のアルバム探し九月納屋
追い越して電車の風の九月かな
延びてゆく飛行機雲を九月朝
跳び箱を一段高く今日の秋
10/14
草原の人の目集めばらもん凧
さざ波と別れを告げて夏の午后
さよならと貝殻黄色土用明
唸りあげばらもん凧の鋭き目
夏の暮れ小路の父の立ち待ちぬ
10/13
あいの風ばらもん凧の祝い唄
夏始息せき切りて防波堤
産声の届く待合夏に入る
周り回り念佛踊り鉦を打ち
ぱんぱんと花火賑やか盆の墓
10/12
老けた母五月の海へ舵を切り
骨組みのバラモン凧を待つ空へ
聖五月クーラーボックス腰かけて
話し出し五月の浜の昔話
瀬渡しや釣り場ポイント卯月波
10/11
脚立乗り枇杷の實摘みの恐さかな
ぐつぐつと枇杷のジャム煮て大杓文字
瓶詰めばみるみる枇杷の色となり
小満の朝日のあたる瀬渡しぞ
讃美歌の流る教会清和なり
10/10
唸り鳴くバラモン凧の引く力
おかえりと妻へ茶を汲む春の宵
紐引けば裸電球春終わる
のどけしや何もとれなくかるたとり
祖母の手や蜜柑裸に春の宵
10/7
遠足の海苔巻きはベロ潮香り
連絡船春の別れの指離れ
春の海沖の整列白きブイ
春まけて夜の港のオレンジ灯
海底にヤドカリは見た刺すオコゼ
10/6
春の海飛沫の白し漁場へと
ぬめぬめの蛸足出して青バケツ
アコウの木潜り学校朝は春
赤電話夫も二人で春の宵
磯遊び初めての貝海老もいて
10/5
ウサギ小屋世話係待ち春休み
小路抜けスピード上げて春の旅
春の海未知の世界へ連絡船
初節句バラモン凧や風受けて
変らぬや春の風抜け窓の海
10/4
体温計ピッと短く春の朝
花冷えや床に拡がり螺子の海
紙飛行機清明の朝の到着
あたたかし電話カバーや母の声
指力シャッター開きはるあした
10/3
飛行機や音の届かぬ秋の空
秋朝やがたんごとんと川の上
秋夕焼ボール転がり裏小路
紙飛行機机飛び立ち窓の秋
絵手紙や五島の招き秋の海

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