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朝ドラ俳句 虎に翼 8月

大地凍つ人種の壁の堅さかな
初雪や無罪獲得したけれど
喫茶店思はぬ人の雪帽子
判決やけふは奢りとコート着て
裁判長ごめんなさいと呟きぬ

月氷る北の戦地の父の息
凩や届かぬが思ひを口に
総力戦研究神立風と立ち向かふ
霧雪やサインポールの色薄き
細雪汽笛は三度微かなり

サインポール昨夜の雪の帽子かな
初雪や他人は見えぬ赤い糸
冬籠短き指の牌を積み
焼芋の仄かな薫卓袱台ぞ
吹雪く朝身近な人の難事件

歳末の紅い紐巻き訪問者
才色兼備悩むことなき年流る
声冴ゆる吾子を餌食と犯罪者
判決の萬代橋の雪景色
喫茶店暗記紐解き受験生

庇にも大根干すや官舎前
小春凪読書の背後お茶啜り
厚氷言葉を仕舞ひ別る人
春の鴨君の人生背負ふ肝
君子蘭日影の部屋へ君来たり

友来る春の越後の夕餉かな
春間近小鉢料理の喫茶店
お守りへ最後の手紙冬送る
極寒の夫の手紙の後押しぞ
感涙の胸の手紙や冬終る

愛日やひととき温き古手紙
冬の雨固き心ぞ流せぬか
冬深む警笛聞こゆ雨の窓
大理石ピカピカ滑り寒の雨
沈黙の抱擁時間雪時雨

春のくちづけや永遠に続かぬこと
これもあり家族三人春の海
手を合わし別れの写真春のこと
東京のパーマの似合ふ春袷
春ショール解きて見合ふや大家族

新社員襟の大きなスーツ着て
新米の弁護士バッチ春の服
団子屋の味と香りや及第か
未体験父は仕事の野遊びぞ
金魚すくい大金果たし秋祭

朧夜の僕らに見せぬ父愛想
同居する夜桜隠しプロポーズ
春雷や国を相手の原爆ぞ
春風や備え後釜長期戦
原子病斑雪嶺登る国際法(はだらね)

龜鳴くやよからぬ噂目立ち過ぎ
首を振り味見結果の藺座布団
夏座敷永久保存味と場所
風待月家族裁判始まりぬ
母想う子らの心根半夏生
草合わせ是が非にあらずこの契り

嫁姑他人同士の雛祭
三月やサックスの鳴り会議後
願わくば春の曙君がゐて
かき氷終の裁判噛みしめて
春うらら男二人の昼寝かな

おつきあい神鳴の落つ男の間
結婚の三項目やかき氷 
好きならば神のお告げかすきにして
永遠に誓わぬ愛や神の旅
冷やかや消えゆく苗字苗字得て

暮易し代々繋ぎ苗字かな
寒暁の大声まもる我の苗字
冬の夜の海老の尻尾を喰う宴
冬深む苗字は家と守り継ぎ
冬落暉男演じて男型

雪解けや女になりし手術痕
淡雪や世界の人へ愛披露
浮浪者をおにぎり握り社会鍋
こだわりをもつ団子屋団子撒く
神渡し婚姻届けず結婚

オリオンや新しき結婚の形
夢にまで付かず離れず冬川原
うつ田姫未来を誓ふ遺言書
立場上話せぬ話冬廊下
一組の結婚写真風光る

今日の秋式へ眩しき白ベール
法服や菊黄花あり披露宴
秋の声祝意乱すや泣き上戸
同窓会秋闌の団子屋ぞ
大鉢のゆらゆら揺れて餡蜜ぞ

櫻咲き新しき家族の同居
麻雀やコミュニケーション作れるか
ロンの声ひと時止まり散り桜
茨の芽血縁のなき血統図
謝れど繕ふ心音花の滝

春の宵一人取ときウィスキー
初桜自然に家族出来ぬとは
入学式カメラは残す顔の奥
春の午后時間を作りお茶立てて
新社員定めと好きが男女かな

世の中はライバルだらけ新社員
妊娠や山吹になき不平等
春の宵不首尾の後の町遊び
未舗装の灯籠の道火は次へ
請願書座敷のガラス風光る

継承の小豆の味の塩加減
かっこいい誉めつ襟触れ花衣
険悪な気分直しの秋の風
受験子や結果待つ身の不安定
聴牌の気配隠して桜餅

信頼の水の潜むや水中り
父親の感涙溢る五月の夜
麦の秋産休前のブルーな日
若夏のベビーシッター給料日
避暑の宿家族改め写真撮り

#連続テレビ小説 #虎に翼
#朝ドラ俳句 #kigo #俳句

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