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二百十日 避難マウンド二百十日の人はゐず 防災の日 座布団や前後に長し防災日 二学期 靴音や二学期の朝ドア閉まり 秋の蚊 秋の蚊や宴会場の飛び疲れ 秋の蚊帳 聞こえ来ぬ秋の蚊帳吊る手も重し 蚊帳の別れ 回廊の果てに積み置く別蚊帳 秋の蝶 どたどたと秋の蝶追ふ学者かな 白露 水出しのかをり去りゆき白露の日 蜻蛉 隊列の順番待ちて赤蜻蛉 糸瓜 自己主張全部それぞれ糸瓜揺る 二百二十日 棚田道二百二十日の落暉かな 秋の夜
大歳神社(天王の花火) 待ちに待ち天王花火傘さして 花火 落ち着かぬ花火の音のあちこちに 素麵 ケアホームつるり素麵願い事 西瓜 落とさぬとハンドルさばき西瓜揺る 蝉取り 蝉取りに見たこともなき友も来て 七夕まつり 七夕や難読文字を偉そうに 立秋 立秋や鏡が体躯若さなき いぐさ干し 強光と熱さの作りいぐさ干し 日射病 介抱をされてみたくも日射病 ビール ビールだけ門前払い冷蔵庫 盆踊り 子らはしゃぎ見様見真似で盆踊り 遠州浜の夏祭り
海開き 色いろいろ浮き輪の走り海開き 山開き 山開き兄はいそいそ富士山へ プール開き 縁に立ちプール開きの笛の音 弁天島の花火大会 定時ベル弁天島の花火の日 浜垢離 浜垢離や屋敷周りの浜の砂 小暑 アイロンや手拭ピンとけふ小暑 七夕祭 唾つけて七夕祭のこよりより 笹流し 七夕や瞼こすりて笹流し 内施餓鬼 一人欠く兄弟揃ひ内施餓鬼 寺施餓鬼 寺施餓鬼谷のタイヤの続く音 盆仕度 篭盛の届く六畳盆支度 盆飾り 花花と妻の望みの盆飾
切干大根 突っ切りて並べて切干大根 浴衣干し 風に舞ひ色鮮やかに浴衣干し 空っ風 空っ風佐鳴湖の葦片葉にし 渡り鳥 佐鳴湖や映る夕日の渡り鳥 秋の火災予防 連れ立ちて秋の火災予防の聲 小雪 ちらちらと細葉に映えて小雪よ 新嘗祭 祢宜開く新嘗祭の御簾の奥 勤労感謝の日 この会社勤労感謝の日仕事 椎の實 風強し椎の實だけが待っていて えべすこ えべすこや赤いはんぺん桜ご飯 恵比須講 恵比須講絹網の待つ太
落穂拾ひ 見渡せて落穂拾ひに風の押す 秋の夜長 ながながと秋の夜長の手紙かな 灯火親しむ マンガ借る灯火親しむ図書カード 読書週間 窓際の読書週間席のなく 柿 柿喰えど鐘ぞ遠くに鳴りもせず 枝豆 熱々の枝豆分けて赤き指 毛芋 指先に力をつるり毛芋剥く 団子 真ん中を力を込めてへそ団子 豆名月 縁側に差し込む光豆名月 十三夜 雨戸閉む明日は晴れるか十三夜 村芝居 村芝居しゃべる道草道つくり