濱松の歳時記　８月　

大歳神社(天王の花火)
　　待ちに待ち天王花火傘さして
花火
　　落ち着かぬ花火の音のあちこちに
素麵
　　ケアホームつるり素麵願い事
西瓜
　　落とさぬとハンドルさばき西瓜揺る
蝉取り
　　蝉取りに見たこともなき友も来て
七夕まつり
　　七夕や難読文字を偉そうに
立秋
　　立秋や鏡が体躯若さなき
いぐさ干し
　　強光と熱さの作りいぐさ干し
日射病
　　介抱をされてみたくも日射病
ビール
　　ビールだけ門前払い冷蔵庫
盆踊り
　　子らはしゃぎ見様見真似で盆踊り
遠州浜の夏祭り
　　異国語の合いの手混じり夏祭り
竜禅寺の祭
　　夜空へと火柱上りなし花火
八幡宮の放生会
　　金魚舞ふ天狗の指図放生会
中野町の花火
　　色変り孔雀花火の威嚇かな
やぶ入り
　　やぶ入と社員の消えた椅子の数
夕涼み
　　何故か兄柱背もたれ夕涼み
放歌踊り
　　フィナーレへ放歌踊りの盛り上がり
蝉しぐれ
　　蒸れる朝一際多し蝉しぐれ
おーしんつく
　　宿題やおーしんつくの急かす声
しゃーしゃー
　　しゃーしゃーの気温にならふ声の数
きんこうり
　　空写す井戸の底にはきんこうり
処暑
　　風抜けて車の下が猫の処暑
甚平
　　甚平や走り回るは小僧ども
せっしょう
　　せっしょうや期待のさかな上りきて
夏鶯
　　鳴き過ぎし夏鶯の声音かな
鷺草
　　夕闇の別れ間際の鷺草ぞ
百日紅
　　住職の流れてガイド百日紅
落とし文
　　門に見えあの方もしや落とし文
香水
　香水やイッセー一滴手首に　(三宅一生)　　　　
夜の秋
　　終わらない二人の話夜の秋