濱松の歳時記 10月

落穂拾ひ
　　　　見渡せて落穂拾ひに風の押す
秋の夜長
　　　　ながながと秋の夜長の手紙かな
灯火親しむ
　　　　マンガ借る灯火親しむ図書カード
読書週間
　　　　窓際の読書週間席のなく
柿
　　　　柿喰えど鐘ぞ遠くに鳴りもせず
枝豆
　　　　熱々の枝豆分けて赤き指
毛芋
　　　　指先に力をつるり毛芋剥く
団子
　　　　真ん中を力を込めてへそ団子
豆名月
　　　　縁側に差し込む光豆名月
十三夜
　　　　雨戸閉む明日は晴れるか十三夜
村芝居
　　　　村芝居しゃべる道草道つくり
刈株
　　　　リヤカーやぼこんぼこん踏む刈株
稲株
　　　　稲株やへそ曲がらず真っ直ぐなり
はず
　　　　はず掛けの掛け声上へたかくなり
稲刈
　　　　稲刈や一鎌ざくり一株を
稲刈り
　　　　稲刈りの音の轟く日曜日
村芝居
　　　　おしろいの肌に馴染まぬ村芝居
拝王子
　　　　拝王子今年も勝たん駆け比べ
蒲神明宮のお祭り
　　　　打ち揃ふ蒲の祭の屋台哉
三番叟
　　　　三番叟子供ら揺らし大烏帽子
子供神楽
　　　　雅楽の音子供神楽のぎこちなさ
体育の日
　　　　欠勤の使ふ口実体育の日
運動会
　　　　運動会最終リレー声からし
寒露
　　　　動かざる井戸水青し寒露かな
秋祭
　　　　お宮へと人通る道秋祭
流鏑馬
　　　　嘶きや裃新た流鏑馬場
水神様
　　　　あの歓声水神様のお祭りぞ
衣替え
　　　　今朝からは電車や暗し衣替え