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少年期の育児教育

今回は育児教育の中の少年期(概ね小学生の時期)の内容について詳しく書いていきます。少年期の育児教育のポイントは「体験・経験」です。

家庭で出来る少年期の育児教育

小学生になると自分で色々と考えるようになってきます。ですから積極的に育児や家事の体験や経験をさせてあげることが大切です。

乳児の弟や妹、親族がいる場合は、家庭でも育児を経験させてあげることが出来ます。可能であれば授乳やオムツ替え、離乳食づくりなど出来ることはたくさん経験させてあげた方がよいでしょう。もし、子どもが育児に興味を示さない場合は、子どもに育児している姿を見せることを意識しましょう。育児している姿を見せることでも育児に対する価値観は養われていきます。特に父親が育児している姿を見せることで、育児は夫婦でやるものだという価値観が身につきます。

一方で、家事については弟や妹がいなくても家庭で十分に体験や経験をさせてあげることが出来ます。それは「お手伝い」です。幼児期に育児教育を行っていた場合は、自然とお手伝いする意識が身に付いている子が多いと思います。その子どもの気持ちを大切にしてあげましょう。

このときに意識することは、初めてやることに対しては、しっかりとお手本を見せてあげることです。そして、本人が助けを求めてこない限り手を貸さないということです。やり方が違ったとしても、上手くできなかったとしても否定してはいけません。まずはありがとうを伝えましょう。そのうえで、こうしてくれたらもっと嬉しいなと次回につながるような形で改善点を伝えることが重要です。

お手伝いを継続して行ううちに家事を行うことが子どもにとって当然のことになってきます。年齢が大きくなるにつれて出来る家事の内容も増えてきますから、親の家事の負担も少しずつ減っていくでしょう。

では、そもそもお手伝いをしてくれないという場合はどうすればよいのでしょうか。その場合は褒めるということを重視します。

これは承認欲求という言葉が関係してきます。簡単に言えば組織の中で認めてもらいたいという欲求なのですが、一般的には「職場で自分のことを認めてもらいたい」という意味で使うことが多いと思います。

しかし、それは家庭でも同じことが言えます。子どもにとっては家庭で認めてもらうことがとても嬉しいことなのです。自分がお手伝いをすることでパパやママが喜ぶという経験をすることで、また手伝おうという意識になるのです。

ですから、初めは些細な事からで構いません。子どもが何かしてくれたと思ったら「ありがとう、嬉しい」という気持ちを伝えましょう。大人同士でさえ言わないと伝わらないことがたくさんあります。子どもならなおさらです。言わなくても伝わると思わず、積極的に言葉にして伝えましょう。

最初は言われたことをこなすことが多い子どもも、成長してくるとこれをやったらパパやママが喜ぶんじゃないかと想像力を働かせるようになります。結果が伴わず、失敗してしまうこともありますが、「何してるの!」と咎めるのではなく、「何をしようと思ったのかな」と聞いてみましょう。きっと心暖まる答えが返ってくることでしょう。

地域社会が担うべき少年期の育児教育

家庭ではお手伝いを通して家事の体験・経験が出来るとお伝えしてきました。では育児はどうでしょう。弟や妹のいない家庭で育児の体験や経験をさせることが出来るでしょうか。なかなか難しいと思います。

ですから、少年期以降、地域社会が行う育児教育は重要性を増してきます。たくさんの子どもに育児に関する体験や経験の場を提供することが求められてきます。

すでに行われている事業の例として、命の授業があります。命の授業は全国で行われている妊娠や出産に特化した事業ですが、小学生に妊婦体験させる場合もあり、育児教育としても有効だと考えています。

その他に考えられる事業としては、
・沐浴体験
・着衣(脱衣)体験
・抱っこ紐体験
・おむつ替え体験
などが考えられます。

少年期の育児教育は危険が少なく、かつ赤ちゃんに触れながら行うような育児の基本的な内容になっています。お気づきの方も多いと思いますが、ここであげた事例については、多くの場合パパママ学級(両親学級)で行っているものです。

しかしながら、私は小学生の時点でこれらの体験をした方が良いと考えています。それは育児の主体性を育むことが出来ると共に、親への感謝の気持ちや弟や妹が生まれた際に親のことを気遣う気持ちを養うことが出来るからです。

例えば妊婦体験では赤ちゃんが重いという経験をすることで、お腹の大きいお母さんを見てお母さんは今大変なんだと感じるようになります。

妊婦体験は「重い」を経験することに意味があります。思ったより軽いと思われたら逆効果になります。そういう意味でも体の出来上がっていない小学生の時期に妊婦体験を行うのは効果が大きいと考えられます。

その他の事業についても同じようなことが言えます。育児の大変さに触れることで親への感謝の気持ちが芽生えますし、自分も将来こういうことをするんだという育児に対する主体性も育まれていきます。

まとめ

いかがだったでしょうか。育児に関する知識や経験という意味では少年期以降、家庭は家事を教える場、地域社会は育児を教える場になってきます。

少年期の育児教育のポイントは「体験・経験」でした。しかし、体験や経験をしてもらうためには道具(おむつやぬいぐるみなど)が必要です。弟や妹がいない場合そういった道具を用意するのが難しいこともあります。

家庭で育児を教えるには限界があるということ、そして地域社会における育児教育が重要であることがわかっていただけたのではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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