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なぜ「育児教育」が必要なのか。

男性育児の推進が叫ばれる今の世の中。大人だけが育児について考えるだけでよいのでしょうか。ここでは「育児教育」の基本的な考え方やその必要性について書いていきます。

男性育児の現状

男性が育児をする姿を見るのも珍しくなくなってきました。街を歩けば家族で楽しそうに歩いている姿もよく見ますし、パパが抱っこひもを付けて赤ちゃんを抱っこしている姿も見られるようになってきました。

しかし、男性が育児しやすい世の中かと言えばそういう訳ではありません。厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、2019年度の男性の育児休業取得率は7.48%という状況で、さらにその中で長期の育児休業を取得している人は限りなく少ない状況です。

その背景にある一番の要因は職場の理解だと考えられます。

「奥さん育休取るんだよね?君が育休取ってどうするの?」

こんな一言を上司から言われたら、育休を取ろうと思っていても諦めてしまう方もいるでしょう。また、育休を頑張って取得したとしてもそれで終わりではありません。仕事に復帰した後も育児は続きます。子どもの面倒を見るために早く帰りたいのに帰れない、そんな方も多いのが現状です。

男性育児の将来

先述の通り、今は男性が育児しやすい世の中とは決して言えません。しかし、最近はTwitterでも育休を取ったというパパさんや育児に積極的なパパさんが増えてきました。そういったパパさんが増えていくことで男性育児についての理解は少しずつ広まっていくことが予想されます。

ただ、男性育児についての理解が広まっていく一方で私が忘れてはいけないと考えていることがあります。それは「育児は女性がするもの」、「育児は仕事より楽だ」という価値観を持った男性がいることです。

「育休なんて取らないよ、その分俺が稼いだ方が妻も幸せでしょ」

妻とも相談せず、こんなことを言う男性がいることも事実です。いくら制度が整ったとしてもこれでは意味がありません。私が目指しているのは「育児したい男性が育児できる世の中」ではなく、「育児しない男性がいない世の中」です。そのためにはどうすればよいのかを考えた結果行きついたのが「育児教育」です。

「育児教育」とは

育児教育とは「幼児期から育児に触れ合うことで、育児に対する正しい知識を身に付けるとともに、自身が親になったときに育児と向き合うことができるようになるための教育」です。

「性教育」が子どもを授かる前の教育、「育児教育」が子どもを授かった後の教育だと考えていただければイメージしやすいかと思います。

具体的な内容は別の記事に掲載しますが、年齢(発達状況)に応じて幼児期(3歳程度~就学前まで)、少年期(小学生)、青年期(中学生以降)に区分して様々な方法で育児に触れ合っていきます。

なぜ「育児教育」が必要なのか

私が男性育児を推進するにあたってまず考えたのは大人の認識を変えることでした。しかし、既に何十年と生きてきた方の育児に対する考えを変えることは困難です。もちろん、育児の辛さを知らない人が育児の辛さを知って考えが変わることはあるでしょう。しかし、そもそも育児は自分のやることではないと考えている男性に対して「あなたも育児した方がいいですよ」なんて言ったところで効果はありません。だからこそ価値観が固まってしまう前から育児に触れ合うことが重要だと考えました。

ここで気を付けなければいけないのは、子どもに育児することを押し付けてはいけないということです。育児教育は「育児しなければいけない」と教えるのではなく、「育児にどう向き合うか」を教えるものです。育児について自分で考えるということを重要視しています。

育児を教えるということ

子どもに育児を教えられる環境は意外と多くありません。例えば兄弟姉妹がいる場合でも、兄や姉は弟の世話などで育児に触れ合いますが、弟や妹(末っ子)は育児に触れ合う機会がありません。また、最近は一人っ子の家庭も増えてきていますのでそういった家庭は育児を教える機会は少ないと思います。

育児を教わらないで育った場合どうなるかというと、自分の育った環境に左右される傾向があります。夫婦で育児をしている家庭で育った子はそれが当然だと思いますし、母親(父親)だけが育児をしている家庭で育った子はそれが当然だと思います。

今は育児を学校で教えるということはほとんどありません。かといって家庭で育児を教えるというのも限界があります。だからこそ、私は育児を教える場を提供したいと考えています。

まとめ

ここまで「育児教育」の基本的な内容について書いてきました。男性育休を取得している人は増えているけれど育児しない男性を減らすためのアプローチが別に必要だということ。そしてそのためには幼少期から子どもに育児に触れ合ってもらう「育児教育」が重要だということがわかっていただけたのではないでしょうか。

この記事を読んだ皆さんが「育児教育」に少しでも興味を持ってくれたらうれしいです。最後までお読みいただきありがとうございました。


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