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漢語口語速成入門上1課:ピンインの仕組み、声調の変調、半三声、軽声

いよいよ第一課スタートです。ピンインと会話の2部構成ですので、発音と会話の2回に分けて記述します。この記事ではピンインの基本部分に補足した、変調や半三声・軽声です。

■ ピンインの仕組み

ピンインの構造は子音+母音+声調です。声調の符号はこの課でも取り上げられていますが母音に振ります。

日本語も例えば「か」はローマ字で「Ka/子音+母音」ですから声調がないだけで、構造は中国語と同じです。しかし日本語では特に子音・母音を意識した練習をしたりはしません。

しかし中国では小学校に入学するとピンインの授業があって、子音・母音を分けて発音練習をします。つまり子音・母音を個別にひとつひとつ正確に発音し、さらに声調と言うトーンも加えて発音のトレーニングをします。

その際必要なのは子音では舌の使い方と有気・無気という息の出し方など、母音では口の開き方などを練習し、最後に声調も組み合わせて発音のフォームをきちんとマスターする必要があるのです。

中国語は発音が難しいと言われる要因です。
下記の図をみて発音練習の仕方を理解しておいてください。
ee!chaiの講師達はこのフォームで発音を指導します。

第一課:発音注釈

アシスト1で声調をとりあげました。この課ではまず声調符号をどの母音にに振るかが説明されています。

大原則:基本母音に振る。 a  e  o , i u ü 
 この基本母音が二つ以上あるような場合は、a が優先で、aがなければe か
 o に振ります。

声調記号の付いた母音はその音節の中で最も強調して発音する音です。        ★ 声調のある母音を声調と一緒に強調して発声すると発音が良くなります。

♫ 声調のトーンをつかみ、母音をはっきり発音することが、通じる中国語のコツ!です。

■ 変調

文字の上に振る符号は本来の声調の符号ですが、実際の発音では別な声調に変調します。ですので下記に記したように声調符号は三声や四声なのに実際の発音はニ声であったりします。

三声の変調 
他にも一声や不の変調もあります。

1:三声が二つ並んだときは前の三声は二声に変調
      你好/nǐ hǎo ➭  你 nǐ を二声で発音 
      了解/l iǎo jiě➭ 了 l iǎo を二声で発音
2:一・二・四声と軽声のまえでは半三声に変わる

半三声は、三声の低音部分だけを残し最初の⤵部分と後半以降の⤴部分をなくした発音です。下記の図のように三声を前後でカットしていますから、本来の三声は長く発音しますが、半三声では文字通り発音も半分程度に短くなります。

結果として上がり下がりのトーンがなくなりますから、低い音程の平坦なトーンになります。

★ 結局本来の三声で発音する機会は文末の最後の単語の場合だけですので、三声は会話では圧倒的に半三声で発音すると理解しておいて問題はありません。

半三声や声調のレッスン方法を紹介した次のNoteの記事もご覧下さい。

不の変調

四声の前では二声に変調!

不客气/bù kèqi:遠慮しない,どういたしまして
bù kèqi ➭ このように四声四声が続くと不自然なので、前の四声を二声に変調して発音します。

■ 軽声

軽音には声調記号が付きません ➤ 前の声調から真ん中のトーンに軽く!短くトーンを戻すため軽声独自の声調はないからです。

軽声にすることで、本来の声調のある組み合わせと意味が変わってしまう場合があります。

例: 一声+軽声
多少:どのくらい(疑問詞)  
「どのくらい?」という疑問の場合はshaoの声調は軽声になります。発音の仕方としては一声で duō と上がったトーンを、真ん中のトーンに下げ戻して軽く音をポンと置くようにします。

ところが、多少(たしょう)の意味の場合は duō shǎo と本来の一声三声 で発音します。

例: 四声+軽声
不客气bù kèqi:遠慮しない,どういたしまして
客气/kèqi ➭ 气の単音節では qì四声ですが、客气(kè qi)として、客/kèとセットで二音節の単語の場合は qiの声調は軽声になります。

軽声の発音の仕方としては、四声で kè と下がったトーンを、真ん中のトーンに、この場合は上げ戻して軽く音をポンと置くようにします。

ところが、空气 kōngqì (空気)の場合、气 qìは本来の四声で発音します。

パンダ老師

ピンインや変調など面倒くさいと感じたかもしれません。この一連の知識は中国語を学ぶ上で必ず取り上げられます。覚えようとしなくても、いろいろな箇所で繰り返しでてきますから自然に使い分けできるようになるでしょう。

ですので、こんなものがあるんだと頭の片隅に置いておく程度で結構です。最後のこのRelaxコーナーで本当に重要なことだけポイントとしてご紹介します。

★ ピンインでは子音+母音の構図は日本のローマ字と同じですが、発音の仕方に違いがあるよう だということを覚えておいてください。原因は中国語には母音を組み合わせて使う複合母音があるのに対し、日本語は「あ・い・う・え・お」の単母音しかないからです。

子音の発音も日本語ではカ行、サ行、タ行と単純ですが、中国では「舌・・・音」という舌の使い方でグループ分けされて複雑です。加えて声調があります。

要点

■ まとめ

 : a  e  o と  i u ü 。この 6っつが単母音で その6つを組み合わせた複合母音がある。

② :この6っつに声調がついていて、発音の際に声調符号のある母音を意識して発音する。とくに3っつの中心母韻、なかでも 「a」 は発音で最も重要です。

② :半三声と
いう低音トーンがある。

中国語ピンイン学習初心者は下記の記事もご覧ください。