ピンインの学び方-5、子音・母音の発音の組み合わせ、日本語と中国語の違いを知っていますか!
★ 質問です!
走(Zǒu)の発音は「Zǒ u」か「Z ǒu」どちらでしょうか?
★ 答え!
Zo |u(ゾ+ウ)はローマ字読みです。
Z|ou ( Zi + ǒu) がピンインです。
でもここでの注目点は子音と母音の発音に対する日中の違いでした。どのように違っているでしょうか?
答えはこの動画をご覧ください。
■ 中国語の発音のコツ!3つ!
① 母音を強調して発音。
バスの日本語の言い方と中国語風の言い方の違いで特徴を説明。
母音を強調する発音の仕方になっている。
② ピンインを日本語のローマ字読みにしない。
ここで走(Zǒu)が出てきます。
母音を強調する理由は、四声の符号が母音に付くから。
③ 口を大きく開いて発音する
★ ともかく中国語では母音がはきりしている、でも日本人の発音はそれほど母音が前面にでてこないという指摘です
中国語発音のコツ!この3っつ、分かりやすいかつ適切な指摘です。
理由が母音には声調符号がついているから、納得ですね。口を大きく開いて発音、これも口を開けるという母音の特性に関係しています。
でもこれを「子音と母音の関係性の違い」という視点でみてみますと、その指摘の正しい点、その根本の原因が別な視点で掴めます。
■ 中国語の母音と子音
必要な点だけ押さえておきましょう。
ちなみに母音は中国語で韵母yùnmǔと言います。子音は声母shēngmǔです。
・韵母yùnmǔの韵yùn
韵母yùnmǔの韵yùn は 音の調和や響きの意味があります。中国語では、句や短文、詩の中で母音の組み合わせが重要で、韻母の選択や韻律の配列が文のリズムや響きを作り出します。韻を踏むという日本語と同じですね。
・声母の母
子音は声母shēngmǔと言います。母音ではないのに「母」が使われると母音と混乱しそうですが、この「母」は子音は音節の最初に置かれるので、音節の「始め」という意味での「母」です。
母音と子音のメカニズム
子音と母音の違い。機能面に焦点を当てれば、
母音:口腔内で空気の流れが妨げられずに発せられる音。
喉の使い方と唇の開き方それに伴う舌の位置
子音:口腔内で空気の流れが妨げられて発せられる音です。
口の開き方に加え、舌の使い方、息の出し方など
中国語で母音の特性は韻を踏むリズムその詩的な表現で重要です。声に出し易さ、おもいっきり声に出せる特性があります。
■ 重要なのがピンインの読み方
ピンイン(拼音)は、拼读という音節を合成するプロセスがあり、普通話の音節の構成規則に従って、声母(子音)、介母(半母音)、韻母(母音)を急速に連結し、声調(声の高さのパターン)を付けて音節を形成します。
日本語で「か・Ka」の発音の際たしかに母音「あ・a」を強調しません。しかし日本人が「「か・Ka」を発音する時、口の開け方はどうなっているでしょうか?
先に「あ・a」の口の開きがあるはずです。その開きで子音「か・K」を一体化させて発音します。
これを日本語の「母音法」と言います。
有名なのは劇団四季の「母音法」です。https://allabout.co.jp/gm/gc/427105/
でも日本人はこの発音を無意識に行っていますからあえて母音を目立たせようとはしません。意識しているのはプロのかただけです。
では中国語の読み方は?
子音優先法
まずは「ラジオまいにち中国語講師」の加藤先生の動画の最初の1・2分をご覧ください。
中国語は「子音それぞれの固有の口の形がある」それから母音を発すると述べています。
そうしますと子音ですることは母音での発音の前準備になります。声母(子音)の口と舌、息の出し方の構えを取るということです。実際の発音は、その後、音声のある母音を組み合わせて発音するという読み方です。
中国語で意識すべきはスタートの構えです。
そして発声、声を出す際中語語では子音の構えのあとで母音と連結します。
構えですから、大事なのは子音の発音の仕方だけで、母音に移るときはそのピンインの母音を声に出しますが、そのときに全面に出てくるのは母音です。
ですから中国語では、発音の際に子音の口の構えをしっかりと作ります。ピンインの冒頭が声母(子音・ピンインの最初にくるアルファベット)ですから、そのアルファベットを見たら、まず口と舌で子音の構えを作り、つづいて瞬時に韻母の(母音)部分を音声にします。
※ 構えと表現するのは動きに入る直前の止まった形を表しています。武道や格闘技の構えをイメージしてください。中国語の子音には母音も含めた発音全体に入る前の発音の型のようなイメージがあります。そしてそれは本動作ではなく準備動作です。
でもその構えを崩しますと、ピンインの発音の過程の「子音部分」の動作をおろそかにしていることになります。
■ ピンインと日本語ローマ字の決定的な違い
まずは冒頭の走(Zǒu)の発音でその違いをみてみましょう。
日本語のローマ字読みと、ピンインの区切り方で読み方の違いです。以下のように大きな違いがあります。
■ 日本語のローマ字読み ➤ Zo |u(ゾオ+ウ)
出だしは「ぞ」ですね。次は母音だけの「う」で「ぞう」という2音節になっています。
■ 中国語のピンイン ➤ Z|ou ( Z(i)+ ǒu)
構えが「Zi」です。zi/ci/siという下歯音は母音「i」で構えます。そうしますと唇を横に引いた発音になります。
ただ構えは子音をきれいに発音するために作っているだけですから、音声にはなっていません。音声は複合母音「ǒu」です。
他方日本語ローマ字読みでは口の形の構えは「o」ですから丸まった口の形から発音します。
音節表という中国語の音が全部載っているピンインの表があることをご存じでしょうか。音節というのは「音声の聞こえの一種のまとまり」といえるかもしれません。日本語では「ぞう」は「ぞ」と「う」で2音節です。口の形はoとuです。
中国語では「 Zǒu」で一音節です。母音はǒuで一つの母音です。子音の構えがスタートにありますから、口の形はiから始まりouは滑らかに変化させて発音します。
これが何を意味するかを理解できれば、日本語ローマ字読みの束縛から逃れることができます!
ではこの「Z・C・S」のグループの中国語音節表はどうなっているでしょうか?母音が「a・o・e」の表です。ほかに「i・u・ü」の表もありますがここでは母音「o」に注目したいのでこの表をご覧ください。
zo のピンインがありません! zou はありますね。
中国語では「Zo/ゾ」という発音はないのです!でも「Zou」はあります。ということは日本語的に「Zo u」と発音しますと、本来の「Z(i) ou」の発音の訛りに聞こえてしまいます。
では冒頭の李お姉さんの「Zou」の構えをみてみましょう。
まず最初が中国語の「Zou」です。中国語のZouを発音するときの出だしは「Z(i)」ですので、唇が横に開いています。3分5秒の箇所です。これで「Zou」と言っています。いかにも「Z(i)ou」と言っている感じがします
次が日本語の「ぞう」です。李お姉さんは日本語も上手ですから日本語の発音もみせてくれました。
「ぞおー」の音が聞こえそうですね。3分30秒の箇所です。
李姉妹のお姉さんの構えのあとの口の動きをよく観察してみてください。中国語で口が母音を発するところでは大きく良く動いています!これが中国人の発声法です。
日本語と中国語の違いを知ることは大切です。
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