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「事前に答えを渡す」小学校の漢字テストを考える

初々しい小学校1年生も、秋頃から漢字を勉強するようになります。

運営しているブログでの表現でいうところの、子ども①②③と3人の子どもがいます。

現在中学1年生の子ども①が小学校に入って驚いたこと。

それは漢字テストの形式が自分の頃とは全く異なっていたこと。先生から出題されるテストの答えを渡されたのです。

塾で仕事をしている時、そんな話を生徒から聞いたことがありましたが、我が子が「来週行われる漢字テストの答えを先生から渡された」というのは、衝撃的でした。

答えを渡している手前、漢字テストの合格ラインも高く設定されています

そのため、90点以下だと再テストが繰り返し行われます。そして子ども達だって必死に覚えます。

放課後の再テストは激減

昭和や平成初期のような小学校とは違い、放課後に再テストが行われることはなく、行間休みや昼休みに実施。せっかくの休み時間が潰れることになるので、やはり真剣に暗記します。

なぜ、放課後やらないのか。今は「習い事」「帰宅時間が他の児童とずれて危険」といった理由があるようです。

さて、小学1年生の頃から【漢字テストは事前に答えを配布される】に慣れてしまうと抜き打ちや、長期休み明けの確認テストでボロボロになる子が続出。

もちろん、どんな形式でも高得点を連発する子はいます。しかし、答え配布式に慣れていると漢字のフレキシブルさに対応するのが難しくなります。

どういう意味かというと、漢字テストで覚えた熟語以外の形で出た際に正しい漢字を書けなくなる、例えば【調子】で覚えて【調整する】のちょうが書けない、という感じです。

全ての子どもに当てはまるわけではありませんが、やはりテストで覚えた型(漢字)を暗記すれば良いと思っちゃうわけです。私も小学生だったら確実にそう思います。

学校の優しさは悪いとは言えない

テスト前に答えのプリントを渡すと言うと、何とも罪づくりな気もします。しかし、学校の優しさは【どの子もまんべんなく勉強して臨める】という状況を作っています。

勉強しない子は来週テストがあろうが、乗り気になりません。そこにフワリと先生から答えのプリントを渡されて【覚えてテストに臨んでね】と言われたらどうでしょう。

やはり、多少なりとも覚える気が出てきますよね。なにせ覚えた漢字がそのままテストに出てくる。当たれば2点、3点、5点とアップする。

これほど美味しい話はありません。【ちょっと勉強してみるか】という気持ちが出てきます。

ですから、学校側の姿勢は決して悪いわけではなく、一方的に悪と決めつけられません。ただし、問題点もあります。

漢字スキルの差は早く解消したい

地方だと、人生初めての入試は高校入試という子が大勢です。作文を書く時や、解答用紙に既習漢字を全て平仮名で書くと減点対象になります。

学校によっては採点基準が異なりますが、進学校になればなるほど細かいところをチェックします。せめて小学校で習った漢字は正確に書けるようにしたいところ。

その後も、「入試や就職活動で文章を書く=漢字スキルが問われる」という図式が成り立ちます。

人生の岐路に立たされた時、漢字がボロボロだと願っているような道を歩めないかもしれない。ちょっと大げさかもしれませんが、それだけ漢字スキルの重要度はアップします。

小学校で答えを渡されたことに慣れていると、いざ本番の時にしっかり書けないこともあります。

言葉は悪いですが、小学校の方式だとその場しのぎは可能です。しかし、入試や就職活動はその場しのぎで突破することはできません。

確実にどんな子も漢字を覚える気になるけれど、長期的な視点に立てばそれがプラスになるかは疑問符がつきます。

ですから、親子共々「答えをもらって解くのが当たり前」という考えを捨てて、

・日頃から漢字練習をする

・読書を通じて漢字や言葉に触れる機会を増やしていく

こういうことをしていないと、けっこうキツイと感じています。





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