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映画えんとつ町のプペルを学校創りに挑戦する教師の視点からあえて批判的に考察してみた。(ネタバレ含みます。既に映画を見た人向けです。)

今年最後の出勤日に退職届けを提出した新任教師Mr.Kです。私はより良い教育を創るという漠然とした理念を持ち、これまで学び、活動してきました。来年度からNPOを設立し仲間とともに学校を創ろうとしています。何年先になるか分かりません。でもこれがより良い教育を実現するための一翼になるのではないかと考えた結果決断した私のライフワークの一つです。

本日私が所属させていただいている西野亮廣エンタメ研究所代表の西野さんの映画『えんとつ町のプペル』を見てきました。

泣きました。中盤から終盤にかけて西野さんのメッセージがバシバシと伝わってきて、今の自分の決断を信じて突き進もうと勇気を貰いました。

現在の日本の教育、学校と繋げて様々な想いがぐるぐると頭を駆け巡りました。えんとつ町のプペルが素晴らしい映画であることは言うまでもないので、

本記事では、学校創りにこれから挑戦する著者が、あえて批判的な視点で映画を考察しようと思います(ここからネタバレ含みます)。

ストーリーの概要

映画の終盤、ルビッチ含めえんとつ町の住民たちは、煙で国を閉ざすことで外の世界があることを、青い空、星があることを住民に忘れさせようとする国の意向に反発心を抱きます。煙を吹き飛ばし、「星があることを住民に証明したい!」というルビッチを応援し、役人と戦います。住民の応援があり、ルビッチは星があることを証明し、町の人たちに希望が生まれます。

えんとつ町の役人はただの悪人集団なのか?

ここだけ見ると、役人たちは自分たちが国を管理しやすいよう住民に希望を持たせない、希望を持とうものなら暗殺も行う極悪人です。ですが、なぜそうまでして国を閉ざすのか、それは過去に起きた、外の世界とつながることで国が荒れ、住民同士の争いが頻発、無秩序な時代を経ているからなのです。

つまり煙で国を閉ざすことで外界に出ようとするものを居なくして、国が荒れて無秩序にならないようにするために、住民守るための国の方針なのです。貧しい国にお金を配るとお金の奪い合いが起きて結果そこにいる人たちが不幸になる的なあれです。

管理主義教育、学校は悪か?

私にはこのえんとつ町の状況が管理主義的な学校像と重なりました。私のようなリベラル派の若者は「SNS禁止!」「染髪禁止!」を謳っている学校は苦手です。子供の自由を奪っているように感じます。周りと同じことをしている人が正しいという価値観を植え付けているように感じます。SNSは学習、人との繋がりをもたらす非常に有益なツールだし、染髪に関しては個性の尊重に繋がりますから大歓迎です。ですがここで一旦立ち止まって考えてみないとなりません

「そもそもなぜ管理主義的なルールを生徒に強いるのか?」

校則に非常に厳しい先生方に聞いてみるといいかもしれません。恐らく皆さん「子供を守るため」と仰るでしょう。SNSはいじめにつながる恐れがあるし、悪い大人と繋がってしまう恐れがある。染髪の高校生は地方では「不良」のラベルを地域の大人たちに貼られやすいです。日々生徒と接している教員は「いや、この子は授業もきちんと受けているしそんなことはない!」と主張しても無駄なのです。地域の人の噂で「不良が多い」という噂が広まれば、学校紹介の就職の機会が脅かされる。入学者数が減り、経営的に苦しくなり、子供たちに避けるお金が減る(私立の場合)など考えうる悪循環はたくさんあります。なのでルビッチや住民がしたようなそういった事情を考慮しない「改革」は必ずしも正義なのでしょうか?一旦立ち止まり、なぜそのような管理的な体制になっているのか?それは悪だと思っていた相手にも守りたいものがあり、正義があります。そしてそれは意外に自分と共有できているものかもしれません。リベラル的な考えを持つ私も「子供を守りたい」は同じ気持ちですから。

世の中を変えるには相手に思い馳せずに、敵を立てて、改革を起こしていくというのも一つの手かもしれません。ですが私は苫野さんのいうように、なぜその主張に至ったのかの想い(苫野さんは「欲求」と表現しています。)をまず話し合い、その上で議論を重ねてみんなでより良くしていくという手法が理想的だと思っています。理想です。無理なのかなあこれは。

はじめての哲学的思考 (ちくまプリマー新書) https://www.amazon.co.jp/dp/B071F4YF9P/ref=cm_sw_r_cp_tai_xmy6FbXP5Q3VY

駆け出し教育者の私はまだその答えを持ち合わせていません。そもそも答えがないかもしれない。でもルビッチのお父さんが言うように「見てみないとわからない」という言葉を胸にまずは挑戦してみてどうなるか見て見ないことには何も始まらない。

批判的に考える機会を与えてくれた、自分を信じて上を向いて進み続けようと勇気をくれた映画『えんとつ町のプペル』に感謝😉

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