リベラル・アーツとしての音楽
音楽を学ぶ先で出会った『リベラル・アーツ』という概念。
『リベラル・アーツ』とは古代ギリシャでは「自由人の教養・技術」という意味だったそうです。
自由人の教養・技術とは?
「一度きりの人生、どんなふうに生きていきたいか。」
誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
何が自分にとって大切なのか、実際にどう生きるのか…
音楽には「聴く listen」「想像 imagination」「創造 creation」「対話 dialogue」「調和 harmony」など様々な要素があり、瞬間芸術という尊さがあります。
私は素晴らしい先生方や仲間に恵まれ、いい音、音楽を目指すなかでこれらの要素と向き合ってきました。
そしてそれは音楽に限らず生きることに通づる、今となってはまさに自由に生きる為の軸になっています。
特に社会人になってからその教えの深さを実感しました。
いざ社会に出てみると音楽でお金を稼ぐことはなかなか難しい。
いっそ音楽を辞めたほうが幸せなんじゃないかと思うこともありました。
それでも辞めずに続けてこられたのは、本質的な音楽を奏でて指導をくださる先生方の存在が大きかったと思います。
そして音楽で学んだ要素を自分自身にも当てはめて、生き方を考えるようになりました。
〝ほんとうの心〟を本音と言います。
自分の本音、常に心の声を聴くこと。
理想を想像し、現実を創造していくこと。
自己対話、他者や自然との対話を大切に調和を感じること。
そうすることで精神的に自由に、そして現実もより豊かに変化していきました。
私が『リベラル・アーツ』を知ったのはこの頃からで(名前は聴いたことがあるけれど実際よくわかっていなかった)、音楽を学んできたことが人間としても確かな素養になっていることに気づきました。
どんなに時代が変わっても人間の本質的な教養は変わらないのではないか。
そこで改めて音楽を続けることの尊さを感じました。
この資本主義社会のなかで折り合いをつけながら、私はやはり「心」を真ん中にして生きていきたいと思うのです。
不確実な現代社会において大切なのはきっと「心」の教養である。
リベラル・アーツの側面としても〝本質的な音楽をしようとする姿勢〟がその鍵になるのではないかと、これからも探究と実証を重ねていきます。
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