キャリアに悩める学生たちがすごい人に人生相談してもらっていた

先日、インターンシップの学生のミーティング(Zoomでやってます)に聞き専で入ったんですが、ミーティングというより「イケてるバリキャリの人に学生が人生相談を持ちかける会」と化していてディープな話題がたくさん出てたので、せっかくだから聞き専目線での感想をまとめておこうと思いこれを書いてます。

相談に乗っていた人

マーカスエバンスの日本支社代表の清水さん。
この方は就職氷河期ど真ん中の時期に就職し、その後仕事も国も転々としながら破天荒なキャリアを積んで最終的に今のポジションに就いているのでとんでもない。

数年前にインタビューさせていただいたことがあるので、詳しいところはその際の記事を読んでもらえれば!

今回は「女性のキャリアについての問題課題を弊社のインターンシップで考えてみよう」という活動の一環でお声がけし、ミーティングに参加していただけました。

そしたらまあ、学生からは魂を抉るような質問が飛び出し、それにズバズバ答える清水さんの構図が出来上がり「ミーティングとは…?」状態でした。

結果的には男女も関係なくなってました(サツバツとしたこの世の中で学生がこれからどう働いていけばいいのか悩むのは男女関係なかった)が、学生たちにとっては有意義だったんじゃないかな…そうだといいな…

どんな内容だったか、ざっくりまとめていきます。

相談1:大学卒業して教師になったけど色々分からなくなってすぐ辞めて大学院に戻った。何をどうしていいか分からない

今の学校の教師は…本当に闇が深いみたいなので…(筆者も教育大学出身で知り合いに教師が多いので闇はよく聞きます…)純粋で高潔な志をもって教師になった人間ほど、現実の学校界隈の理不尽さに打ちひしがれるよね…

で、この相談者は1年と経たず教師を辞めて、古巣の大学に大学院の形で実質再入学。色んな人生経験を経て、教師に限らず世の中には無数の選択肢があることも実感したことで、逆に自分はこれから何をどうすればいいのか何も分からなくなったという。

そんなヘビーめの相談内容に対し清水さんの意見はこんな感じ↓

「私も若い頃は手当たり次第に色々やった、例えばある時は女性が活躍できる仕事がしたいと思ってアパレル業界に入ったが、やっぱりなんか違うと思って辞めたりした。そういうことをしてるうちに、自分が何をしたいのか分からなくなってきた」
「ただ、そんなことを繰り返したり、外資系でゴリゴリ仕事をしたりする中で、『追い詰められないと出てこない何かがある』のは分かった」
「悩んで模索してほしい。悩めるのは良いこと。答えなんて出ない。でもいつかバラバラの点が階段みたいに繋がる瞬間がそのうち来る」「20代のうちには来ないかもしれない、私は30後半ぐらいだった」

外野で聞いている私は率直に「エピソードが強い」「なかなか真似できることじゃないな」「こういうのって最近の学生に響くんだろうか…」と思ってしまっていたんですが、それだけで話は終わらなくて、

「私の頃と今とでまた社会は大きく様変わりしてる。今のことは私には分からないからむしろ学生さんの声を聞きたい」
「あまりに辛すぎると、もうダメかも、って挫折してしまう。挫折しないようなお手伝いはしたい…」

と真摯な優しさも垣間見えました。

成功した大人が学生に「挑戦しろ」と口で言うのは簡単ですが、置かれている状況も時代背景も違うのに昔の自分と同じ成功体験をさせようとするのは、なんだか無責任なようにも感じます。

過酷な挑戦のせいで一生癒えない致命的なダメージを負うこともある…。

そこまで分かっている上で、「悩んで模索して欲しい」けど「挫折しないお手伝いはしたい」と言ってくれてるんですね。

相談2:何にでも興味がありすぎて絞れない。あと恋愛、結婚、家庭、そういうものもぼんやりと頭によぎる

やりたいこともやれそうなことも、とにかく沢山あり、とても一つの道に絞れない。おまけに家庭を持つということまで考えると尚更道筋が分からない。あまりにも選択肢と検討材料が多すぎる…という相談。

個人的に共感するところも多そうだった清水さんの意見はこちら↓

「どうしても出産にはリミットがあるよね」「(相談者が選択肢の一つとしている)理系の研究職は、もし勤務時間が不定だと出産・育児との両立が難しいかもしれない。女性にだけそういうデメリットがあるのは不公平だよね…」
「たとえば30前後までに一人目の子どもが欲しいとして、学生の今現在からキャリアの積み方を逆算で考えて決められるか?決められないよ、そんなの…」

この辺りは清水さん自身も考えながら、探り探り言葉を出しているような感じでした。

その後に出てきたのはこんな意見↓

「今しかできないことをやってほしいね。たとえばインドへの旅行とか、子どもができてから行って向こうで水が合わなくてお腹壊したりするの怖いし笑 若いうちじゃないと」
「若いうちはもし何かやらかしても怒られるだけで済むから色々やってみていいと思う」
「もう思いつくこと全部順番にやっちゃえば!?最初の1年はこの会社、次の2年はこの業種、とか!転職回数なんて関係ないよ!」

相談者の学生は行動力とバイタリティに溢れているので、確かに全部やってしまえるかもしれない。悩んでも答えが出ない以上は、気持ちの赴くままにやりたいことをやる方が健全かもしれないですね。

なお、この辺りの話を聞いていた弊社の社長は「転職回数が多くても、会ってみればキラキラ輝いてる人はすぐ分かるから大丈夫だよ」「むしろ歳取ってから転職する人の方が厄介なんだよね。歳取れば取るほど変なこだわりがあるから…」とぼやいていました。

相談3:教育現場の枠組みの中で暴れて、壊したい。実は学校が作りたい…

最後は再び学校教育の話題。教育現場の根本的な問題をなんとかしたいと強く願う彼は、自分で学校を作るという野望もあるらしい。

清水さんは「彼には一応具体的なゴールがもう見えている」ということで、コーチング的な観点からこんな回答をしました↓

「ゴールがあるけど、そのゴールを達成した先にある理想・叶えられる目標はなんなんだろう?」「それをビジョンと言います。ビジョンはクリアになってる?」
「時代とともに社会の枠組みはどんどん変わっていく。既存の枠組みをベースに物事を考えていっても、数年後には枠の方が変わってしまって意味のないものになるかもしれない」
「だから時代の変化にも揺らがないビジョンが必要」「マンダラートでも描いてみたら?」

※マンダラート:曼荼羅みたいな図に自分のしたいこととかキーワードを書いてアイディアを広げていく発想法。野球の大谷選手がやってたってことで何年か前にも話題になった。

この場の短い時間では、学校を作りたいという目標の真意を聞き出すことはできませんが…
この会の後、彼向けのミーティングがいくつかセッティングされてたので、多分これからインターンシップとして具体的な活動をしていくんだと思います(これ書いてる時点で昨日の今日なので筆者はまだ詳細知らない)(あ、彼の卒論が絡むという話は聞いた)

未来へ

ということで1時間ぐらいのミーティングと冠した濃密な何かが終わりました。清水さん本当にありがとうございました!

あと実は他の会社の方もほぼ聞き専で参加していたんですが、ミーティング後「これうちの学生にも参加させたい!!!」と熱烈なオファーの電話が社長にかかってきたそうです。ワカル。

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