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10月よりアニメスタート!!美術とは?才能とは?青春とは?藝大出身の作者が美大受験のリアルを描く「ブルーピリオド」のココが熱い!

こんにちは、かわわです。今回は祝!アニメ化!ということでブルーピリオドの紹介・感想をいこうと思います。登場人物の内面をガッッッッツリ描く今作品は名言・名場面がたくさん!時には佐伯先生の言葉に自分も心が救われ、時には教授の言葉に読んでいるこっちが精神的にヤられるという始末。読んでいてこんなに心揺さぶられる作品はそうそうないと思って、皆様におすすめしたい!大好きな作品の良さをこの場を使って少しでもお伝えできればと思います。


1 2020年マンガ大賞作品

(自己紹介をのぞいて)初めての投稿になります。何から綴ろうか迷ったのですが、一度まとめたことのあるものからにしようと思ってこの作品を選びました!

実は、2020年春に身内で漫画のプレゼン会を行ったことがあり、私が選んだのがこの「ブルーピリオド」でした。この本との出会いは「マンガ大賞」!ブルーピリオドは2020年のマンガ大賞の大賞作品にあたります。


2 どんな話?ーヒトコトでいうと

「なんでもソツなくこなす万能高校生が、美術と出会い、
一から絵を勉強し、日本最難関である東京藝大を目指す話」


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「最近気づいたのが 俺にとってテストの点を増やすのも 人付き合いを円滑にするのも ノルマをクリアする楽しさに近い」

▲出典 「ブルーピリオド」1巻

主人公の八虎は、勉学も友達づきあいも、バランスよくそつなくこなす高校生です。もちろん、そのための努力もきちんと行っており、人生を俯瞰して見ている「コスパ重視」の人生を送っています。しかし、そんな生き方に関して、虚しさや虚無感を感じています。

そんな彼が、美術部の先輩が描いた1枚の絵に感動し、「単位が簡単に取れる」というコスパ思想で選択した美術の授業の中で「美術」によって救われます。

美術に魅了された八虎は美術の世界へ進むべく日本最難関である「東京藝大」の現役合格を目指して、美術予備校に通い始めます。

これが、ブルーピリオドの冒頭のあらすじになります。

3 八虎の表現者としての目覚めーここがアツい!① 

「周りからよく見られるコスパ重視の人生」=「八方美人」

周りの目を意識しすぎて「他人」に依存し「自分」を疎かにしていた八虎。そして、そんな自分に辟易していた時に、自分の「常識」「当たり前」から外れた先輩の絵画と出会います。

勢い余って、自分が心の奥底に秘めていた思い(常識から外れた、けれど、自分が感じたことをありのまま)を先輩に伝えると

あなたが青く見えるならりんごもうさぎの体も青くていいんだよ

▲出典 「ブルーピリオド」1巻

と、八虎の感性を肯定してくれるのです。

今まで、他者評価ばかり気にしていた八虎。そんな彼が自分の感じたままを「絵」にすることを決心します。

好きなものを好きっていうのって 怖いんだな・・・
その時 生まれて初めて ちゃんと人と会話できた気がした

▲出典 「ブルーピリオド」1巻

他者目線を意識し、自分の決めた範疇でしか動いてこなかった八虎が、初めて他者を意識せず、作品作りに没頭する。しかし、「もしかしたら理解してもらえないかもしれない・・・」「バカにされるかもしれない・・・」自分の感性・ありのままで作品を作るが故に感じる苦悩、そして、だからこそ得られる「本当に自分の思いをわかってもらえた」という喜び。この経験が、八虎が美術の世界に足を踏み入れるきっかけとなります。

4 「美大」「受験」マンガーここがアツい!②

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▲出典 「ブルーピリオド」1巻

国立しか許されない八虎が目指すのは、東京藝術大学。ある意味東大よりも難しいとされる大学の現役合格を目指すこととなります。

芸術に対して0スタートの八虎は、美術の先生、予備校講師、時にはライバルたちから技法・絵作りについて学んでいきます。

八虎は、(自分が一定以上のレベルに達していないが故に)評価がきちんとされないことに悔しさを感じたり

藝大を目指す上で「そもそも合格できるのか」「大学に入ったとしても将来食べていけるのか」といった将来の不安を感じたりなど

表現者としての悩みと受験生としての悩みの両方にぶつかります。

作者である山口つばさ先生は東京藝大出身。描く悩みはリアルそのもの。そして行き着く結果はもちろん漫画らしい綺麗な形ではなく現実味を帯びたもの。どこまでいってもリアルです!(そこが面白い!!!!)

5 才能とは?青春とは?ーここがアツい!③


ブルーピリオドでは、「才能」という言葉がよく出てきます。そして、八虎が表現者として、レベルが上がっていくにつれ「才能」という言葉も深みが増してくるのです。

「絵が上手い」とは一体どういうことなのか?デッサン力なのか?構成力なのか?センスなのか?

今まで何気なく使っていた「才能」「絵が上手い」という言葉がどんどん深みを増していき、読者までもが八虎と一緒に言葉の奥にある本質を考えるようになってしまうところもブルーピリオドの作品の凄さです。

そして、その本質に迫る過程には、多くの個性豊かなライバルたちと出会い・交流が描かれています。

自分の「好き」を貫くしんどさ。「比べる」呪い。「見えすぎる」。そして「天才」。

どのキャラクターも魅力的で、美大受験生としてそれぞれ大きな悩みを抱えています。八虎が彼らと関わりながら過ごす日々(青春)。この部分も読んでいてとても楽しい部分です。

6 感想・まとめ

表現者としての苦悩、受験生としての悩み、そして、成長を描く本作品。

美術・受験関係なしに「今まで感じていた、思っていた。けど、どう言葉にすればいいかわからなかった」ことをいくつも漫画という形で表現してくれています。

「そうそう!そう思ったことある!!」「あーわかる!!」「むしろ八虎=自分では?」みたいな場面がたくさん出てきます。八虎でなくても、他のキャラのセリフで共感してしまうことも。

アニメ化によって今まで白黒で描かれていたところがカラーで表現されます。渋谷の青はどんな青で表現されるのか、とても楽しみです!


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