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【Edu-more plusライター企画】タイでの「ザ・男の子育て」vol.3~中学校から現在まで

こちらは、Edu-more plus会員が海外子育て、海外での教育や生活、帰国受験など海外赴任ファミリーの実体験や想いを綴っていただく【Edu-more plusライター企画】の記事です。

タイのプーケットでダイビングショップを経営しながら、海外で実際に、ほぼ男一人で子育てしてみた私、ヒロの体験談。
幼稚園時代・小学校時代に続き、今回はいよいよラスト、中学校時代から日本での高校受験に至る現在までの話です。

★ヒロの書いたこれまでの2つの話はこちら!

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【予期せぬパンデミックと意図せぬ帰国】


小5の途中からYear6の開始に合わせて、ブリティッシュ系のインターに転校した我が家の双子。(それもスカラシップ付きで!)
ノリノリで転校を快諾しいよいよ始まったインター生活ですが、キッズ曰くまずビックリしたのが思った以上に英語が話せなかったという事でした。え?前の学校で英語やってたよね??高い学費払ってたよね???と何度もシャウトしかけましたが、実はそんな私も・・・
この時点で既に20年以上海外に住んでいるにもかかわらず、学校用語、アカデミック用語を出されると、キッズと同じように、え?ええ??の連発でした。笑

ここで英語に自信のない留学をお考えの親御さん。
全く心配ないです。
これ本当に大切なんですけど、子供は親が思っている以上に適応力が凄いです! そして「まずい、パパ分からんから教えて」と子供に頼ると予想以上に頑張ってくれます。
またうちはアジア圏のインターだったからかもしれませんが、先生たちも心配するなと言ってくれるので。なんなら「お父さんは家で絶対英語話さないで下さい。発音悪くなるから」だそうです。笑  
ここまで言ってくれるならもう言葉の面は任せた!としか開き直って頼るしかないですからね。英語の進捗については、「自分たちの知らない世界なので、過干渉にならずダブルでお得!」みたいにポジティブに考えるようにしました。

金髪にし、アップルウォッチをつけ、テストを受ける小学生

キッズたちは学校でEALも受け、みるみる成長。1年もしたら何言ってるのか分からない事も増えてきました。いやー、転校してきて良かったなー。こりゃこのまま将来は海外でバリバリ働いてもらって、パパは将来安泰だよ。なんて思いながら迎えたYear8の頃。

そうです。新型コロナウイルスの大流行です。なんならロックダウンまで起こり、まともに外に出る事すら出来ない状況に。当然学校も休校。
が、そこはインター。家にPCがあろうがなかろうが速攻オンラインに切り替え。なんならPE(体育)までオンラインに。笑
そして次に起こったのが、同級生たちが次々に帰国していなくなってしまうという負のスパイラル。
そもそもプーケットという土地柄、インターに通わせてる親はみな観光客相手にビジネスしてる人がほとんど。私ももれなくその部類に当たり、まともに仕事が出来なくなってきていました。
日本だとちょうど中学入学のタイミングだったこともあり、どうする?日本に帰る?日本の学校行ってみる?と子供たちに聞いてみたところ、二つ返事でオッケー!楽しそう!!と。彼らは間違いなくバケーションと勘違いしているので、何度も聞いたのですが、全然問題なし、日本で学校行こう!と。
うーん、子供のマインドって凄いですね。

【なにも準備していなかった帰国子女の公立中学生活】


という事で、我が家は2021年2月末に帰国。
まぁ状況が良くなったらまた戻ればいいよねー。程度の軽い気持ちで日本に帰国してきました。
そしてその結果、その時点で選べたのは地元の公立中学校か途中からのインターのみというありさま。世間で状況が怪しいなーとなり出したのが2020年の2月頃と記憶しているので、その時判断していれば1年も準備期間があったのに。大学付属中学や一貫校も対策できたのに。と、そんな事すら考えていなかった状況です。
 今更感たっぷりですが、一応パパの言い分としては「公立中学に行って、厳しいルールの中での生活も体験して欲しかった」と伝えてあります。でも実はこれ結構本音で、甘やかされたインター生を鍛えて欲しかったのもあります。
そもそも向こうでは茶髪、ピアスオッケー。学校の中にはコンビニがあり昼食もビュッフェ。当然のごとく毎日食べるのは好きなものばかり。携帯も使いたい放題、なんなら先生ともインスタで繋がってる等々。
昭和生まれの私には「こんなんで大丈夫なの?」と懸念するところもあったのです。それに日タイハーフと言いながら、日本に住んだこともなく、たいして日本の事も知らないと、将来ハーフの利点を活かせないのでは?とも考えてました。

はい。それでは公立中学校での生活がスタートです。
いくつかの小学校から子供たちが集まる中学だったので、彼らにとっては完全アウェー。そもそも同年代の日本人と接する機会すらそんなになかったので、パパ予想は「何日持つんだろう・・・」といった感じでしたが、意外にも毎日楽しい!と。
なぜかというと自分が学ランを着て、給食を食べ、歩いて自分で学校に通うといった日本人っぽい生活をしている事が、言葉や習慣が分からない、知り合いがいない事よりも充実していたらしいです。

水泳部に入り、上下関係や先生の厳しさも学べました。笑

少し子供を理解してあげられていなかったと反省。
双子の気持ち、ハーフのアイデンティティ、帰国子女の期待していること、自分とは環境が違いすぎるし、そもそも理解しようとする方が無理なんだ。なら彼らの思う事を信じ、改めて子供の凄さ、可能性に感動し、私の出来ることは可能な限り選択肢を増やしてあげることなのかな。と思いました。

なんて美談も一ヶ月も持ちませんでした。笑 
日本は寒い、ルールが厳しい、部活が厳しい、ここは軍隊か?そもそも携帯使えないってなに?、給食は味が薄い、なんなら先生の言ってること3割くらいしか理解できない。文句が出る出る。笑
ですがこんなことパパは想定内です。
とりあえず子供たちには「良いも悪いも体験しないと選択できないでしょ?この苦難を乗り越えるから日本って綺麗で規律正しいんだよ。そもそもここで諦めたら日本人って名乗れないかもよ。だから3年だけ頑張ってみよう。それから将来決めたらいいじゃん」と、予め考えていた理由で説得。

ちなみに半年もしたら、もう文句言わなくなりました。結果論ですが少し慣れるまでの我慢だったみたいです。ABCの書き取りから始まった英語の授業も最初は苦痛だったらしいですが、ちょっとしたら皆に褒められるのがまんざらでもなかったようです。笑 あえて帰国子女の少ない環境に行くとそんな利点もあるんですね。

ちなみに我が家はYear8の途中までタイにいました。日本だと中1をYear8と同等とみなしますが、キッズの話ではYear7で中1の勉強はしていた感じ。数学、理科、社会の地理はなんとかなったそうですよ。
そうすると必然と苦手な教科が国語と歴史に。
国語は歯が立たないと思ったようで、キッズは歴史と理科の用語を覚えるのに時間を掛けていたようです。
この辺が帰国前に準備できるとスムーズかもしれませんね。

【そしてまさに高校受験真っただ中の子供を見て感じてること】


我が家は帰国してから塾には一切通いませんでした。理由は単純で塾の先生が何言ってるのか理解できないから。
時々日本語の難しさに何度かくじけそうになっていましたが、とにかく自宅で学校の復習を徹底的に。自分には英語もタイ語も出来るという自信で、中2の通信簿は国語以外は5を取れるようになりました。

こうなると日本での自分の立ち位置も悪くないんじゃないか?と感じてきたようで、友達もたくさんできたし、なんなら日本の高校行こうかなーと言い出したのは中2の最後の方でした。
そう!しかも早く帰国しすぎて、約3分の2の高校は帰国子女入試の資格がない状態。笑 これ本当に計画的に帰国しないと大変ですよね、、、でも実際一般で受ける事も視野に入れ、それきっかけで勉強に力が入ったのも間違いないです。この辺はお子様の性格によるんですかね?

そして受験の年となった現在の中学3年生の我が家のキッズたち。
塾に通っていないので、受けるのは私たちが住んでいる埼玉県の有名外部模試の北辰テストだけです。
ちょっと別の話になりますが、埼玉県はこの北辰の偏差値で付属校以外は私立高校の合格が約束してもらえるという独自なシステム。私もめちゃくちゃリサーチしました。

そして挑んだ1回目のテスト。うん悪くない!っていう感じでした。偏差値は国語が40台だったけど、英語と数学でかなり稼げて3科で65前後でした。これにはキッズ達も「俺たちいけんじゃない?」とまんざらでもなく、ましてやもう公立の厳しい学校は耐えられないと、中3の夏はパパととにかく北辰の国語対策。本当に毎日国語漬け。人生で一番勉強したそうです。
時間内に読み切れなかったストーリーも2学期にはコツを覚え、最後の方は3科で偏差値70を越せるようになっていました。一番意識したのはとにかく文章を区切ること!それを延々と繰り返していました。

ICUなどの帰国子女が喜ぶ高校の受験も考えましたが、うちは結局県内の私立高校に通う事になりました。
理由は簡単で「一人で電車に乗る自信がない」。これ結構あるあるですよね?
あとはせっかく慣れてきた日本でもう少し頑張りたいと。でも英語もということでIBがある学校に進学予定です。

おわりに


タイ語も日本語も英語も同い年の子に比べると全て物足りない状態ですが、それでも今ある環境でベストを尽くし、自分なりに満足出来る結果を残す我が家の子供たち。
タイ・プーケットの現地校からインターへ転校、そして日本の学校へ。と、大きな環境の変化にもうまーく対応してきたようです。
この先の成長もまだまだ楽しみです。


★Edu-more plusライター:ヒロの活動のご紹介★

今回のライター、ヒロがお届けするYouTube「Wasabi Boys」も是非ご覧ください!
日本とタイの違いを紹介したりの楽しいチャンネル。
もちろん、今回の記事の主人公、双子の息子さんも登場していますよ!

「Wasabi Boys」のインスタグラムものぞいてみてね!