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【アメリカ駐在】帯同1年目の息子の「プライド、ズタズタ事件」

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こんにちは、EDUBALアンバサダー小川のぞみです。私には3歳差で帰国高校受験を経験した第一子長女と、帰国中学受験を経験した第二子長男がいます。
私が綴るnote第一弾の今回は、「つぶやき」として、息子が初めて経験したアメリカ現地校での困難なエピソードを交えながら、アメリカ生活が始まったころを振り返ってみたいと思います。どうぞお付き合いくださいませ。

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小2の冬に渡米、数週間の準備期間を経てアメリカ現地校に編入

息子は小2(8歳)の1月に、私と小5(11歳)の姉とともに渡米し、その月末にアメリカの現地校のセカンドグレード(日本と同じく小2)として編入しました。息子にとっては、カリフォルニア州のシリコンバレーエリアに住み、近所の小学校へ通学するという新たな人生の始まりです。

夫は1カ月以上先に駐在しており、仕事をしながら生活を立ち上げてくれていました。1カ月半程度で家族が勢ぞろいというのは、駐在経験者からはかなりのハイペースだと驚かれましたが、どうせ暮らすなら早いほうがいいと考えてさっさと準備したのは私です(笑)。今でも夫がサンノゼ空港に車で迎えに来てくれ、家族が勢ぞろいした瞬間をよく覚えています。みんなで会えて良かった的な気持ちに……。

編入手続き中の息子の様子は、自分の家が「アメリカの広~いお部屋&広~いお庭」になったことに驚きつつも、新しい環境を受け入れてのんびりと過ごしている感じでした。最初の写真のようにプール付きの家だったので、ウッドデッキやハンモックからプールを珍しい気持ちで眺めたり、芝生のスペースを駆け回って遊んだりしながら、自宅を中心に編入前の数週間が過ぎ去っていきました。

息子の顔の大きさぐらいある松ぼっくり

家からすぐのトレイル(豊富な木々と小川を有する広い遊歩道)を散歩したり、近所の公園や学校の校庭に出かけたりもしました。周辺環境を知ることで安心感も増すのではないかと考え、外遊びもよくさせていたんです。シリコンバレーは緑がたっぷりで、イメージよりも自然が豊かでした。飼い猫がウロウロしていたり、野生のリスや鳥や鹿も見かけるぐらい、のどかな面もありました。

大きな松ぼっくりを見つけたときは「さっきのドングリといい、なんでも大きいね!」とアメリカっぽさに目を輝かせていました。家も道路も人間も、木々や実も、とにかく大きかったんです(笑)。

ある日、「英語でなんて言えばいいの?」と号泣

これといった英語教育を受けていないままアメリカの現地校に入学した息子。武器といえば(?)渡米前後に繰り返し観せたフォニックスのDVD(英語の発音への理解を深めるような内容で、子どもが主役のおもしろストーリー)の知識だけ。

今思えば、アルファベットすらまともに書けない中での通学は、相当なストレスだったと思いますが、アメリカ人クラスメイトは親切な子が多く、色々と助けてくれるとのことで笑顔で通っていました。日本語が話せるハーフの子が1人、クラスにいたのも救いだったのかもしれません。シリコンバレーにはもっと日系人や日本の駐在ファミリーがいる学校がありますが、うちは郊外のため少なかったんです。

エレメンタリースクールのプレイグランド(小学校の校庭)

しかし、いくらフレンドリーな子ばかりといっても、トラブルがないわけではありませんでした。ある日、お迎えに行くと(カリフォルニアでは通常、ママかパパもしくは祖父母、ナニーが車で送り迎え)、車内で落ち込んでいる様子。家に着いて「どうしたの? 何かあったの?」と聞くと、泣きながら理由を話してくれました。

「僕のせいだけじゃないのに、こいつがやったって先生に言われて怒られた! 僕のせいだけにされた!」と。それを聞いて内心、「自分のせいでもあるんかい」と思うと同時に、「1年目でヒアリングがだいぶできるようになるんだな」と関心する気持ち、「確かに不憫だな。まだ英語では状況説明なんて無理だろうな」という共感とともに、息子の気持ちを考えると悲しくなりました。

「英語で『僕じゃない』ってなんて言うの? わーん(泣)」と悔し泣きったらありませんでした。考えてみたら、日本語で何不自由なく学校の友達とコミュニケーションを取っていた人生が渡米で一転し、周囲が全く何を言っているのか分からない世界に放り込まれていたんです。それでも、来る日も来る日も学校に行き、知らないことしかない中、様々なことを息子なりに乗り越えていっていたんです。ーー息子のプライドはズタズタだったのだと気が付いた瞬間でした。

「『It's not me』。僕じゃないは『It's not me』だよ」と夫が横で優しく言ったのを覚えています。私は息子をハグしました。「そうだね。今度そういうことがあったら、先生に『It's not me』って言ってみな」と……。

現地校1年目の息子を思い出すと、なぜかこのエピソードが1番に頭によぎります(笑)。同じような体験をした海外経験のある子どもたちも多いのではないでしょうか。
機会があれば息子の後日談、這い上がりっぷりもお伝えできればと思います。小5で編入した娘のエピソードも書きたいと思いますので、またお会いしましょう!