トコロ変われば見方が変わる?〜目覚めよニッポン〜
こんにちは。EdubalアンバサダーのRanです。
突然ですが、私は日本が大好きです。赴任先だったシンガポールも大好きです。今回はそんな私がシンガポールから見た日本に感じたことを綴ります。
合理的な社会
普段のシンガポールの生活は、キャッシュレス決済は当たり前、タクシーやフードデリバリーなどの充実し(アプリ)、ITと規制が組み合わされ、実に計画的に設計された合理的なものでした。
例えば道路の混雑緩和のための時間による通行料課金システム(ERP)と公共交通機関の料金設定や違法駐車の厳しい取り締まりにより、小さな国に車があふれない仕組みがありましたし、1つの配車アプリでスーパーの商品配達・食事のオーダーが可能で、かつ隣国でも同じアプリが使えるという非常に使い勝手が良いものでした。また、何か新しいことが決まるとそれが実行に移されるそのスピード感は目を見張るものがありました。
コロナ禍で発揮、SGのITパワー
全て監視のIDカード
外国に居住するのに大切なID。シンガポールでもこれがないと何もできません。渡航後間もない頃、登録のカウンターで顔写真と指紋をとられ、「ここでは絶対に悪いことできない」と感じたことを覚えています。
このID、シンガポール国籍の方も持っていて、これが画期的に機能したの目の当たりにしたのはコロナの時でした。
政府からマスク等の配布の際の引換券的な役割。ITの進んだシンガポールらしく、最初こそ人を介しましたが、すぐに自販機(?)が設置され、IDを使っていつでも受け取り可能になりました。また、外出の規制と感染者の足跡把握の意味で街中の建物の入館記録にも使われました。入館記録用の機械もあっという間にそこら中のビルというビルに設置されました。
教育現場のIT
当時子供達の通うインター校では、貸与や自前で1人1台PCを持っているのが通常の状態でしたので、お試しオンライン授業を経て、ロックダウンで本番のオンライン授業へ移行しました。公立の学校は、政府がPCを緊急手配し、それを手にした子供からオンラインに移行していきました(通学者数が徐々に減る形)。
漏れ聞こえる状況
そんな生活をしていたので・・・
『アベノマスクが郵便局員によってポストに投函されます』
『ワクチン接種券が届きません』『記録が違います』
『小中学校が突然の臨時休校(自習)』『外出自粛はモラル』
これら”漏れ聞く日本のニュース”で大丈夫なのだろうか、周辺から取り残されてしまうのではないかと心配になるばかりでした。特に子供達の教育をとめる事態は残念でなりませんでした。ただ、臨時休校中の子供達が、LINEビデオ通話で繋ぎながら自習を進めていた話を聞き、子供達のパワーって素晴らしいとも思いました。
同じ頃、シンガポール感染爆発のニュースに心配して「日本に帰ってこなくて大丈夫?」と連絡をくれた人達もいましたが、シンガポール国内は強烈なルールで固められていたのでコロナ禍で感染の心配はさほどありませんでした。客観視も大事だけど一部しか見えないから、私の心配も少しずれているのかもしれないな・・・。
トコロ変われば、トコロ変わっても
ところが帰国した3年前当時、
『マイナンバーを持っていることに少し驚かれる』(個人情報大丈夫?)
公立小学校に編入して半年後、『小6の2月になっPCが配布される』
バーコード決済が台頭し始めるも『○○ペイの種類が多すぎて混乱』
といった状態で、戻ってきたのに依然、心配の状態が続いてしまいました。
私も現地に順応しなければならず強制的に慣らされたのではありますが、お世話になった方の言葉も実は大きく影響しています。
「個人情報は出さないけど国に守ってもらおうなんておこがましい」
確かにマイナンバーカードみたいなものは全員が持っていることに意味があるわけだし、関係としては一方通行感がなくもない、なるほど、と。
国外に出てみると見え方が変わり、日本に戻っても客観視する視点は一定程度キープされます。帰国して数年経ち、キャッシュレス決済も随分定着したし、マイナンバーの普及率も上がっているし、小学校でもタブレット貸与が当然になったし、動きの遅さが心配だった日本ですが、大躍進は感じます。
そして合理的になればよいわけでもなく、シンガポールの法制化のスピードは確かに速いですが、廃止も速いです。つまり失敗もあります。また、冒頭で書いた課金システムERPは日本の技術で、日本のポテンシャルの高さも光っています。
厳しい規制がなくても自分たちを律することができる丁寧で細やかな日本人。この美しく世界に誇れる国だからこそ、もっと頑張れるところあるよ、頑張ろうよ、と思わずにはいられないのです。目覚めよニッポン!