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海外から帰国したら読む処方箋

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こんにちは、EDUBALアンバサダーのErinaです!お久しぶりになってしまいましたが、みなさんいかがお過ごしでしたか?わが家はアメリカから本帰国して、先日で2年が経ちました。忙しい日本での生活を振り返ると、この2年で子どもたちもいろんな感情の波を経験しました。もちろん私も!寄せては返す大きな波、小さな波。それを通して思ったことを、今回は綴りたいと思います。

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どっちの水が甘い?

帰国して、中にはまさに今、経験されている人もいるかも?!お子さん、もしくはご自身の「○○の方がよかった」シンドローム。わが家も例外なく経験しました!とくに帰国して最初の一年は、前にいたアメリカと日本を比べることがとても多かったです。結論から言うと、もし比べて気分が落ち込んでも大丈夫!それは自然なこと。
 
わが家はアメリカに3年滞在。渡米当時、子どもたちはそれぞれ小学6年生と年長さんでした。とくに上の子は、日本の小学校でほぼ6年間を過ごしていたので、幼稚園時代にドイツ駐在を経験していたとはいえ、ほぼ純ジャパちゃん。

次女の小学校で夏休み前に開かれたランチ会

わが家のケース

私たちは渡米したのが秋。冬が始まってすぐにコロナ禍に突入というタイミングでした。そして、英語ゼロの子どもたちはそこから現地校のリモート授業(例えるならオールイングリッシュのpodcast)の長くて、苦しい一年間を過ごし、コロナ明けからは対面に移行。次第に友達もでき、自分の居場所もできて、自信もつき始めてキラキラ……。

えっ、あなたはあのときと同じ人ですか?!

と、親の私が思うほど本人の変化を見ていただけに「帰国」という言葉を口にするのも難しかった記憶。逆にコロナ禍があった分、3年分の充実感がアメリカでの最後の一年にぎゅっと凝縮されたように思います。

日本と比べてカジュアルなミドルスクールの卒業式

帰国して、長女が帰国受験して入学した私立高校は校則が厳しい学校。それは本人にとっては想像以上の厳しさでした。校則というのは、学生が「学生らしく過ごせるためのルール」だと思うのですが、思春期ど真ん中の子どもからすると自由を奪われた!と感じる様子。
 
「過度な露出は避ける」「暴力的なイラストや表現のある衣服の着用禁止」といったアメリカの校則は理解できるものの、日本の校則は「誰かに迷惑かけているわけじゃないのに、なんで!?」と娘にとっては受け入れ難いもの。たしかに、そう思うのも自然なこと。そして、その窮屈とも思えるルールに、みんななんだかんだ従っている。
 
そう思うのは、アメリカの学校を知っているから。日本の学校しか知らなかったら、そこまで強く思うことはないのかもしれません。日本ではそれが標準でも、他の文化の中で生活してきた子どもからすると違和感だらけ。小学校をほぼ6年間、どっぷり日本の学校生活に身を浸してきていた娘でさえ、たった3年のアメリカ生活だけでそう思うわけです。(子どもの適応力の高さには驚かされる……)
 
でも、いつまでも否定的でいては自分にとっては居心地の良い場所にはなりません。どこかで自分の気持ちに折り合いをつけることも必要。そしてそこは、同じ経験をしてきた家族の存在が大きいと思います。親の自分も苦しいと思う時期があっても大丈夫。大変なときは、子どもと一緒に泣いてもいいと思います。

深く知ってみると見えてくること

滞在国と日本とを比較して、海外での時間がキラキラとして見えるのは、一番は日本にはない景色や人との出会いがあったり、特別な経験をしてきたから。そして、日本とは大きく違う海外の文化は新鮮であり、そこから受ける刺激は大きいからだと思います。
たとえば私たちがいたアメリカは、個人の自由や意思が尊重される国。自分の意思は表現するもの。「表現しない=意思がない」のと同じ。そして、ありのままの自分を受け入れ、それを肯定的に捉えることが美徳。控えめな日本人からすると、生き生きと自分の意見を言うアメリカ人は輝いて見えたり、その主張の強さに感心したり。

明るくて、ポジティブなマインドセットの人もたしかに多いアメリカですが、そういう人ばかりではありません。複雑な家庭環境で育っている人も多く、価値観や考え方も多種多様。現実的には、自己肯定感に悩むアメリカ人は案外多いという話も耳にします。深く知ってみると、表向きにはキラキラして見えても、その国独自の問題を抱えているのはどこも同じ。

グランドサークル旅行がアメリカ生活の締めくくり

慌てずにゆっくり

本帰国してみると「自由なアメリカは良い、決まりの多い日本は窮屈」という風に極端に捉えがち。とくに思春期の子どもは強く反発することもあり、私も手を焼きました。(注:現在進行形……)
「○○の方がよかったな」なんて言葉がお子さんの口から出ても、その気持ちはひとまず受け止めて。それは異文化を肌で感じてきた彼らの、素直な感想!日本で頑張ることに疲れちゃったお子さんも、中にはきっといますよね。

私は、そんなときは子どもたちと一人ずつと時間を取り、きれいな景色を見に行ったり、動物園や博物館、演奏会など非日常を過ごせそうな場所を探して、自分のリフレッシュも兼ねて、子どもたちとそこで話を聞きました。なかなか忙しくて時間を取るのも難しいときは、お家で一緒にお菓子作りをしたり。とにかく、そこで一度しっかりと向き合うのが大切。そして、こういう大変な時期だからこそ、親子で楽しい記憶を増やすことも大事。楽しい記憶は、大変な時期には心のよりどころ。

海外での思い出をたくさん語りながら(幸せな時間の再確認)、日本や海外のことをあれこれ親子で話したり、それまで行ったことのなかった景色や経験に触れてみたりすると、また新しい発見もあっておすすめです。

最後に

日本に帰国してからの時間の捉え方は、本当にその子それぞれ。どこに行っても楽しめる次女と、アメリカでの時間が今でも恋しい長女。帰国してからそれぞれに苦労はありますが、本人の性格や受け止め方で、苦労を感じる度合いも違うなと思います。私も子どもたちの苦労する様子を前に、在米中にああすればよかった……これもできたかも……と、反省したこともありました。

でも、少し冷たい言い方にはなりますが、帰国して苦労をどれだけ「苦労」と感じるかは本人次第。帰国前にできる学習面やメンタル面のフォローは、もちろん大事。でも、それにこだわりすぎなくても大丈夫。フタを開けてみないと、わからないのもまた事実。何より親があまり焦らないこと!そして、帰国後のケアこそ丁寧に時間をかけて。自分のケアと一緒に、気長にのんびり取り組めたらいいと思います。海外生活はおそらく大半の人にとっては、人生のハイライト。でもひとつの通過点であり、その先もまだ道は続きます。その先の道のためにも、いま歩いている一歩を大切にしたいですね。



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