読書記録『八月の暑さのなかで ホラー短編集』

今回の本は岩波少年文庫の『八月の暑さの中で ホラー短編集』。
岩波少年文庫フェアというものが開催されていて、本書はそのラインナップに入っていたもの。

https://www.iwanami.co.jp/book/b269809.html

じつは私は怖い話があまり得意ではない。けれども、たまに怪異譚というのか、不思議な話が読みたくなることがあり、そういう本を探すと行きつくのがホラーというジャンルになってしまう。

本書は英米のホラー小説から13編がまとめられている。エドガー・アラン・ポーやサキの他に、意外なところで『チョコレート工場の秘密』の作者で知られるロアルド・ダールの短編もあったりする。

ここで紹介されているホラー短編集は、今のホラー小説のように怨念渦巻くような話や血みどろな話といったものはない。SFのようなものだったり、じっとりと不気味な感じのするものだったり、幽霊よりも人間の方が恐ろしいと思わせるものだったり、一編一編に違った味わいを楽しめるものだった。

個人的には『谷の幽霊』という短編が、怖いというよりは幻想的で好きな作品だった。『顔』もどこか民話のような雰囲気があり程よく不思議な話だった。

私のように怖い話は苦手だけれど読みたいという人にはおすすめの1冊だ。
もう夏も終わるがまだまだ暑い日は続きそうなので、少しヒヤッとしたい方はぜひ読んで見てはいかがだろうか。