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勉強とスポーツの共通する部分

中学生や高校生の保護者の方のよくある悩みとして、「家で勉強しない」というものがあります。

そして「やる気がない」「勉強の仕方が分かっていない」という結論にたどり着く保護者の方が多いわけですが、やる気を出して、勉強の仕方を知ることで解決できる生徒はある程度の学力レベルの子であると感じます。

一人で勉強ができるお子さんは基礎基本の反復を嫌がらず、勉強もやるべき時間を決めて、やるべき学習計画を立てて、やるべき問題を自分で選べるレベルなわけです。これはスポーツの世界であれば、プロのレベルです。

残念ながら勉強の世界でも、子どもたち全員がこのレベルにたどりつくわけではありません。それはこれまで育ってきた環境やそれまでに関わる大人の影響を少なからず受けるからです。

そういったことを踏まえると、現時点の学力に合わせた一人でできる学習を考えていく必要があります。

一人で勉強するには

一人で勉強するときに必要なツールは問題集と教科書や参考書です。問題集を解いていて、自力で分からない問題は解答を見て、それでも納得がいかない場合は教科書や参考書を見直して理解を深めていくわけです。

この中に一人で勉強ができるかどうかを見極めるポイントがあります。

・解説を読んで、自力で理解できるかどうか
・教科書や参考書のどこを見れば、答えに辿り着くかを探せるかどうか

どちらも書いてあることを読んで理解するということが必要になります。このように一人で勉強するには「国語力」という大きなハードルがあるわけです。読んで理解するということができない場合、たとえやる気があっても、計画が立てられても、その勉強は一人ではできないということになります。

国語力をつけるには

国語力は時間が経てば経つほど、挽回が難しくなります。それぞれの学年で必要となる語彙力も漢字力も表現力も増えていくからです。

国語力をつけるには、自分が内容を理解できる文章から読むことをスタートしてそれを毎日続ける以外に方法はありません。文章を読むことに慣れ、語彙力をつけ、日本語の構造を身につけることです。
そして音読が効果的です。読むペースを掴むことができ、目からだけではなく耳からも情報が入ることで国語力が伸びていきます。

小学校の宿題で音読がよく出ていたクラスもあったと思いますが、それをしっかりやっていれば国語力アップの効果があるわけです。

誰でもできること

では国語力がない状態で一人で学習できることは何があるかというと、「基礎基本の反復」なわけです。

英単語の読み方と意味だけ調べて、発音しながら書いて暗記する。
漢字を見て、書き写しながら覚える。
計算問題を早く正確に解けるように繰り返す。

一例ではありますが、これらが勉強の基礎基本の反復にあたります。

しかし、これらは勉強の中でも地味で辛い作業なわけです。スポーツの世界では筋トレみたいなものでしょう。続けないと落ちていくのも同じです。結果が出るまで時間がかかるというのも似ています。

結局のところ、ここを避けている限り、根本的な学力がつかずに、一人で学習できるところまでいかないのです。

小学生のときに、かけ算九九を必死に言いながら覚えていった経験は誰にもあると思います。それをしないで、文章問題を解こうとしている子を見たら誰もが「まずは九九を覚えなさい」となるでしょう。

どんな勉強でも土台となる「基礎基本の反復」があり、筋トレのように続けてやることで成果が出てくるのです。

私が考える塾の存在意義

だからこそ、私は塾が必要であると思っています。塾で計算の反復練習や単語の暗記を強制的にやる時間を作ったり、授業の中で勉強時間を確保したり、やるべき問題を選んでもらったり、学習計画を一緒に立ててもらう、もしくは授業の中でそれを取り入れてもらって、一人でできないことを補うわけです。

また解説を読んで分からないときに内容を噛み砕いて説明してもらうことも塾でできることです。私はそれを「通訳」と言っていますが、生徒の語彙力に合わせて言葉を選ぶことをしています。

確かに家で一人で勉強してもらうことが理想です。しかし足りていないことを見極めて、並走するペースメーカーが必要な時期もあるということを知っておくと良いでしょう。それは早ければ早い方が子どもにとっても負担が少ないのです。

基礎基本の反復をしていなくて、やり方だけ追求しても一流になれない。
基礎基本の反復だけしていても、やり方を知らなければ一流になれない。
これはスポーツも勉強も共通する部分です。

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