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ビジュアルプログラミング(スクラッチやマイクラ)を子どもに長期間学ばせるべきでない理由「3選」

こんにちは!
子どもプログラミング教室エドグラの大村です。

子どものプログラミング学習といえば「スクラッチ」「マイクラ」などのビジュアルプログラミングであるのは今や基本となっています。
世の中の子どもプログラミング教室のほとんどがそれらをメインに扱う教室です。

しかし我が教室ではその真逆でテキストプログラミングをメインとしています。

なぜなら、それらのビジュアルプログラミングをメインとして子どもに長期に渡って学ばせるのは良いことだと考えていないからです。

今回は、多くの教室で当たり前となっているスクラッチ・マイクラなどのビジュアルプログラミングを長期に渡って子どもに学ばせない方が良い理由「3つ」紹介します。


【弊害①】高い吸収力を持つ貴重な時期の大半を負荷の小さい学習に費やしてしまう


なぜスクラッチ・マイクラなどの教材に子ども達はハマりやすいのか?

「楽しく学べる工夫がされてるから」
「子ども達の知的好奇心が刺激されるから」
「自分の作りたいものが作れるから」

そういう見方がただしいです。が、正直にシンプルに申しますと、

高刺激」かつ「学習負荷が小さい」から

です。


一部を除くと、様々な多くの人があまり苦労せずハマれるものは基本的に
高刺激」かつ「負荷が小さい」です。

そもそも子ども用に用意されたものというのは、得てしてそうなっています。
子どもには普通の本よりもまずは、文字の少ない絵本を読ませます。


最初はそれでいいのですが、
私は吸収力の高い貴重な子どもの時間の大半を低負荷の学習に費やすのはもったいないと思っています。

学びにおいて子どもの集中力・忍耐力・好奇心・吸収力は大人の比ではありません。
子どもの頃に耐えられた学習負荷は大人になるにつれ耐えられなくなってきます。

現代の大人でプログラミングをよく知っている・やったことがある人は多くはありません。
スクラッチ・マイクラなどにおいても
「こんなことがスラスラとできるなんて子どもはすごいな!」
と充分驚くかもしれませんが、子どもはもっともっと高度なことをできるようになります

ちなみにスクラッチ・マイクラなどのビジュアルプログラミングは、実際のところプログラミング未経験の大人でも短期間で出来るようになります
ちまたの子どもプログラミング教室でそれらを教えている講師がほぼプログラミング未経験者であることからもわかります。
その理由については以下の記事で説明しています。

逆にテキストプログラミングについては、未経験者の大人の90%が挫折します。
「勉強時間が取れない」
「基礎からゆっくり学べない」
「わかりやすく教えてくれる人がいない」
「心が受け付けない」
などの問題もあるでしょう。

子どものうちから負荷の大きい学習(もちろん子ども用に工夫された)に向かう時間が多いほうが長期的に見て間違いなく子どものためになると思っており、我が教室ではビジュアルプログラミングをメインとはしていません。


【弊害②】テキストプログラミング(次のステップ)への移行が難しくなる


先ほどビジュアルプログラミングは「高刺激」かつ「低負荷」であると言いました。

ビジュアルプログラミングを長期的に学ぶことで「テキストプログラミングへの移行が難しくなる」という理由にはこの「高刺激」であることが関係します。

ビジュアルプログラミングは「高刺激」、つまりキャラクターや音、背景、カラフルなブロックをパパっと組み合わせ、短時間で自分の作りたいゲームが画面上に実現できる環境です。

ビジュアルプログラミングには、プログラミングへの興味・関心などポジティブな気持ちを育むために役立ち、まさにプログラミング学習の「はじめの一歩」としての役割があります。

我が教室でも、まずスクラッチを学んでもらって、その次にテキストプログラミングへ移行する段階的なカリキュラムとしています。


しかし、
そのビジュアルプログラミングの「高刺激」な学習環境に慣れすぎる弊害を私は危惧しています。
以前、次のようなポストをしました。

要するに、ビジュアルプログラミングの学習環境に慣れてしまうと、文字を打ち込まなければならず,すぐ結果が出ず,エラーも多い,地道で低刺激なテキストプログラミングの学習大きなギャップを感じてしまい、次のステップに進みにくくなってしまいます。

ビジュアルプログラミングをメインにしている教室が大半を占める今、
すごいスピードで自作ゲームを作れたり、少し複雑なプログラムを組めるようになっていたりと、もう十分なほどビジュアルプログラミングを極めてしまっている子ども達も大勢いるはずです。
実際私の教室にも見受けられました。とっくにテキストプログラミングを学ぶ準備ができているはずです。
しかし、いつもの楽しいゲーム作り・達人としての自分をいったんリセットして次のステップを考えると大きなストレスを感じ、先へ進むことをより難しく感じるでしょう。

そもそも大半の教室ではその先の十分なステップを用意していません。子どもが学びやすい教材と、講師の専門性が必要になるからです。


子どもプログラミング教室エドグラでは、
ビジュアルプログラミングは「はじめの一歩」という前提を守り、なるべくストレスなく本物のプログラミングへ移行できるよう意識をしてカリキュラムを用意しています。


【弊害③】プログラミング的思考力が身に付いたと満足してしまう


どの子どもプログラミング教室も一様に押し出しているものとして、
「生きる力」
「プログラミング的思考力」
「問題解決力」
などが身に付くというのがあるあるです。

注意すべきなのは、これらはきちんと測ることのできないあいまいな力です。
しかし、それが身に付いたことを「ゴール」としてしまう人も少なくないかもしれません。

もう一度言いますが、ビジュアルプログラミングは
高刺激」かつ「学習負荷が小さい」
です。

学習負荷がそもそも小さいので、
「生きる力」
「プログラミング的思考力」
「問題解決力」
これらが身に付いたと満足してしまうのは危ないです。

満足してしまうことで、次のステップであるホンモノのプログラミングを学ぶ理由もなくなります。

算数をきわめて、「数学的思考力が身に付いたからゴール」と考えるのと同じです。

せっかくプログラミング学習を始めたのに、本当のプログラミングも知らずそれで得られる力も得ずに学びを終えてしまうのは非常にもったいないと思います。


さいごに


とはいえ、子どもプログラミング教室=スクラッチ・マインクラフト が基本化している現状、子どもにプログラミングを学ばせたいからとの思いでそれらの教室に長期的に通われる方は多いかと思います。
そもそもテキストプログラミングメインの教室は参入障壁が高めでほとんどありません。

スクラッチ・マイクラを、子ども達はよろこんで学び、通いたがります。



「子どもが興味のあることをとにかくさせてあげること」
これは最も大切なことの一つだと思っています。

しかし同時に、子どもの興味の幅を広げてあげる努力をすることが大人の義務だとも思っています。
テキストプログラミングはビジュアルプログラミングほど自然に興味関心を引きにくいので、目指せる目標を明確にしたり、できることを分かりやすく伝えたり日々工夫と改善をしています。

努力しなくても子どもがハマるものには様々なものがあります。
・スマホ
・テレビゲーム
・ネットゲーム
・漫画 …etc

長期的・将来的に子どものためになるものはたいてい子どもの視野に無い可能性が高いです。

プログラミング教育をお考えの保護者様について、是非、本物のプログラミング学習の有用性、可能性、楽しさ、難しさなど、お子様と一緒に考える機会を持っていただけたらとてもうれしいです!


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