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ステムセルでさい帯血保存をしました【さい帯血とは?ステムセルとは?】

先日、出産の際にさい帯血を保存しました!
そこで今回は、さい帯血やステムセルの基本情報をまとめてご紹介します。

こちらの記事の内容は、医学的な内容も含め、筆者が自分で調べて書いたものなので、間違いがあるかもしれません。
さい帯血保存や再生治療に興味のある方は、ご自身でしっかり調べた上で判断してくださいね!

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さい帯血とは?

お母さんと赤ちゃんを結ぶへその緒を「さい帯」と言い、そのさい帯と胎盤の中に含まれる血液を「さい帯血」と言います。
さい帯血には血液を造る細胞(造血幹細胞)がたくさん入っていて、白血病などの病気に苦しむ患者さんの治療に使うことができるのです。
造血幹細胞は人工的に造ることができないので、白血病などで正常に血液を造れなくなった患者さんは、健康な人から造血幹細胞を分けてもらう必要があります。
そういった患者さんにさい帯血を移植することで、血液を造る力を回復させることができます。

出典:日本赤十字社

公的バンクと民間の違い

さい帯血は出産のときにしか採取できない貴重なものです。通常、さい帯血は出産後にへその緒や胎盤と一緒に処分されてしまいます。しかし、前述のような治療に役立てるために、さい帯血を保存するという選択肢もあるのです。

さい帯血の保存ができる機関には、公的なさい帯血バンクと、民間のさい帯血バンクがあります。

◆公的なさい帯血バンク

公的なさい帯血バンクは、言うなれば骨髄バンクへのドナー登録や、献血を行うのと同じようなもの。自分のさい帯血をさい帯血バンクに提供し、それを必要とする第三者の治療に役立てられるというものです。

ただ、骨髄バンクのように後々骨髄を採取されたり、献血のように注射の痛みが伴ったりすることはありません。一度さい帯血を提供してしまえば、あとは自分の知らないところで誰かのために役立っている、というものです。

対象疾患:白血病などの血液疾患

◆民間のさい帯血バンク

一方で民間のさい帯血バンクは、生まれた赤ちゃんや家族のために一定期間さい帯血を保存しておいてくれる施設です。さい帯血が第三者に使われることはありません。

さい帯血が使われる治療については後述しますが、例えば再生治療などを行いたいときに、保管しておいたさい帯血を赤ちゃん自身や家族の治療のために使えるのです。

万が一治療を行うとなったときも、赤ちゃん自身のさい帯血なら、適合率は必ず100%です。一方で、公的さい帯血バンクは全国6か所にあり、約1万本のさい帯血が保管されています。公的さい帯血バンクに保管されたさい帯血を移植する場合、ドナーと患者の白血球の型は6抗原中4抗原以上が一致した方がよいと言われていて、90%以上の人に4抗原以上適合するさい帯血が見つかりますが、民間のバンクに預けた自分のさい帯血を使うのに比べれば、使える確率が少し下がるわけです。

対象疾患:再生医療・細胞治療

ステムセルとの出会い

今回保管をしたのは「ステムセル研究所」という会社が運営する民間のさい帯血バンクです。

たまたま流れてきたFacebook広告でその存在を知り、興味を持ったので資料請求をすることになりました。

民間のバンクなので怪しさも感じつつ、資料を見たり、いろいろ調べたりして、最終的にここに預けることを決めました。

民間のさい帯血保存、怪しくないの?

さい帯血バンク、再生医療、民間…。すべてにおいてよくわからなくて怪しい感じがしますよね(笑)
私も相当疑って、いろいろ調べた結果保管を決めたので、胡散臭い点を思いつくだけ挙げてみます。

◆さい帯血で自閉症治療ができる!?

まず、私がさい帯血の保管に興味がわいた理由が、ステムセルの広告にあった「自閉症治療」という言葉です。
自閉症は治療できる疾患ではないので、その時点でうっさんくさ~と思いました。

とはいえ、こんなにはっきり「自閉症治療」と言い切るには、それなりの根拠があるんでしょうね?とも思い、調べてみました。

すると、「自閉症スペクトラム症患児に対する自家臍帯血単核球細胞または有核細胞輸注の安全性に関する臨床研究」という研究が実際に行われてることがわかったのです。

現段階でさい帯血が使われるのは、白血病などの血液疾患の治療目的ですが、赤ちゃんの脳性麻痺などの症状改善に効果があるのでは?と考えられていて、日本でも2011年から臨床研究が行われています。また、自閉症患者の脳内には、過剰に活性化した脳内の免疫細胞が多く見られるそうで、さい帯血で脳内環境を調節し、自閉症も改善できる可能性がある、という理屈のようです。現時点では、自閉症に対する自己さい帯血の投与は安全である、という成果が発表されているようです。

この事実を知って、現段階では怪しげでも、今後研究が進めばさい帯血が何かに役立つことがあるのかもしれない、という考えに変わりました。
そもそもステムセル研究所には55000人以上のさい帯血が保管されていますが、実際に使われたのは2020年5月現在でたったの16例。
使わない可能性のほうがずっと高いし、使わないにこしたことはないですが、
使いたい!となったときに後悔したくないし…と考えたら、保管してもいいかなと思えました。

◆民間の信頼性

臍帯血プライベートバンクは、公的さい帯血バンクとは異なり、厚生労働大臣の許可を得た事業者ではないため、臍帯血の調整・保存などは国が定める基準と同様に行われているとは限りません。
経営破綻した臍帯血プライベートバンクから流出した臍帯血が販売され、国に無届で違法な再生医療に使用される事案が発生しました。

やっぱりこういう懸念点はあるんですね。しかし、

この事案を契機として、この度、不適切な臍帯血の提供を禁止するための「造血幹細胞移植法」が改正され、お母さんにより安心して臍帯血をご提供いただけるようになりました。

とのこと。状況は若干改善されつつあるようです。

厚生労働省においては、公衆衛生上の観点及び契約者(依頼者)の保護の観点から、臍帯血プライベートバンクの業務内容等を把握するとともに、契約者(依頼者)本人に対して臍帯血プライベートバンクの業務に関する適正な情報が提供されることを確保するため、臍帯血プライベートバンクに対して、事業の開始、変更及び休廃止の際には、臍帯血プライベートバンクの業務内容等や保管臍帯血の管理体制等について、届出及び報告等を求めることとしました。

臍帯血プライベートバンクの事業の届出を行った者は、以下のとおりです。
   ○ 株式会社ステムセル研究所
   ○ 株式会社アイル

とのこと。
「自閉症スペクトラム症患児に対する自家臍帯血単核球細胞または有核細胞輸注の安全性に関する臨床研究」でも、研究に参加できるのはステムセル研究所にさい帯血を保管している人だけなので、一定の信頼を置いてもいいかなと思っています。

出典:厚生労働省

気になる金額

一番気になるのはやっぱり金額ですよね!こういうのって高そうだし。100万くらいはかかるんじゃないかな…と思っていたんですよ。
がしかし!意外とお安くてびっくりしちゃいました。

保管年数は1年、10年、20年の3プランが基本。

2021年1月現在、金額は以下のようになっています。(税別)

1年   195,000円
10年 240,000円
20年 290,000円

双子以上や二人目以降だとさらに割引もあるようです。
その後、更新したい場合は以下のようになります。

1年   5,000円+更新手数料1,000円
10年 50,000円+更新手数料1,000円

また、出産時に採取できなかった場合(出血が多い場合など)、採取しても保管できない場合(さい帯血や細胞の量が少ない場合など)は料金は一切かかりません。

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