大型経済事件はこうやって作られる 15

その6   特金残高を解消するためにオリンパスが行った2つの新規投資

 オリンパスは2000年1月の経営会議と取締役会は新規事業に投資するファンドに 300億円投資することと、 LGT 銀行が設定・運用する投資信託に400億円投資することを承認している。 提言者はもちろん山田と森である。 そこでオリンパスの取締役会は合計 700億円もの 「本業と直接関係がありそうもない新規投資案件」 を、 とくに異論もなくあっさりと承認している。 もちろんその目的は2000年3月末がデッドラインとなっている特金残高を解消するため、 特金内で含み損を抱えた決算対策商品など有価証券を、簿価で CFC やQP など (その頃にはもっとたくさん設立されていたはずであるが) 簿外のオフショア・ファンドに飛ばすための簿外資金をオリンパスの帳簿から堂々と出すためである。

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