石破茂という最悪カードを引き寄せた自民党議員

石破茂という最悪カードを引き寄せた自民党議員


 9月27日に投開票された自民党総裁選は、石破茂が決選投票で高市早苗を逆転して自民党総裁となり、10月1日に召集される特別国会の首班指名を経て第102代内閣総理大臣に就任してしまう。

 高市早苗については、世間では「ほとんど唯一」まともな政策を掲げるため待望論が盛り上がり、自民党員投票でも「主流派でないため政権への批判票が集まりやすいだけの」石破茂をわずかに上回っていたが、最後の最後でかなりの自民党議員が「世間感覚からかけ離れた(世論に背を向けた)損得勘定」で石破茂という日本国民にとって最悪カードを引き寄せてしまった。

 すでに得票数が確定していた自民党員票を除いた議員票だけに注目すると、第一回投票ではトップが小泉新次郎の75票、以下、高市早苗が72票(一回目から麻生派の票が入っていた)、石破茂が46票、小林鷹之が41票、林芳正が38票、茂木敏充が34票、上川陽子が23票、河野太郎が22票、加藤信勝が16票だった。

 決選投票では石破が第一回の46票から143票増の189票、高市が第一回の72票から101増の173票となり、自民党員票(決戦投票では各都道府県で1票)を加えて石破が215票、高市が194票となり、石破の逆転となった。

 決選投票で石破に流れた議員票の143票は、小泉の75票、林の37票、河野の22票が確実で、茂木の34票、上川の22票の一部と思われる。これらの自民党議員は「世間からかけ離れた(世論に背を向けた)損得勘定」で、これから人事面等で論功行賞にありつくことになる。

 つまり発足する石破政権では「ますます」まともな政策を掲げる議員が遠ざけられる「醜悪かつ最悪」なものになる。

 ここで改めて石破茂がなぜ最悪カードなのかというと、日本国民にとって好ましくない「4つの勢力」すべてに異常接近しているからである。

 「4つの勢力」とは、緊縮財政・増税路線で再び日本経済とくに国民生活をドン底に叩き落す財務省、日本も分断・混乱させる米民主党政権を差配する過激リベラル勢力、言わずもがなの中国共産党、そしてキングメーカー気取りでバイデンやゼレンスキーへの過剰協力を継続させる岸田文雄である。

 この「4つの勢力」には小泉新次郎も異常接近しているが、発足する石破政権とはその小泉勢力とほとんど共同歩調となり、それに林芳正と河野太郎など「とくに中国に近い勢力」が加わった「醜悪かつ最悪」なものとなる。

 さらに石破茂は総裁選公約に金融所得課税強化を掲げるほど増税派で、日銀の利上げ路線も肯定しており、消費税を5%から10%に引き上げた「立役者」である野田佳彦も立憲民主党代表に復帰しており「すぐにでも」共闘して消費再増税(10%から15%へ)に取り掛かりそうである。

 「世間感覚からかけ離れていない」金融市場は即座に反応した。決選投票の結果発表前に取引を終了した東証の日経平均は903円高の39829円だったが、結果発表直後に約2000円急落し、ドル円も1ドル=146円台から直後に143円台となった。

 日本時間午後11時現在、CMEの日経平均先物が38000円、ドル円が1ドル=142.50円あたりである。

 また石破政権は、岸田政権以上に「中国にモノが言えない(言わない)」隷属政権となるが、それで中国の日本への領空侵犯、領海侵犯などの軍事攻勢や、中国にいる日本人への殺戮行為などが収まるわけではない。

 より中国に隷属する石破政権となるため、まず中国の傍若無人に拍車がかかり、ますます日本人が危険に晒される。また米国も(とくにトランプが政権復帰すれば)中国にますます隷属する日本の防衛に力を割かなくなる。

 また石破茂は(確か防衛大臣経験者のはずであるが)アジア版NATOといった素人構想に得意げに主張している。NATOは集団的自衛権でアジア諸国が中国などに軍事攻撃されれば日本も軍事参加しなければならないことも知らないようである。

 石破政権下となり「より困難な立場に追い込まれる」自衛隊の採るべき対策については、別途改めて「真摯に」提言したい。

 こんな石破政権を誕生させてしまった自民党議員は、すぐにでも選挙の洗礼を受けるべきであるが、石破茂は「かなりの世間感覚からかけ離れた自民党議員」に支持されているため、すぐに衆議院を解散する必要もない。

 つまり「世間感覚からかけ離れた自民党議員」を、衆議院ではあと1年ある任期中は駆逐する手段がないことになる。参議院選は来年7月であるが半数しか改選されない。

 最後に付け加えであるが、こんな(とくに中国に隷属する)石破政権を誕生させた「立役者」は、真っ先に石破支援を表明した平将明・衆議院議員である。あまり関係がないが実家は青果卸業者である。

 平議員は典型的な「隠れ親中派」で、昨年12月に密かに訪中して何か「指示を受けてきた」可能性がある。その論功行賞で石破政権では重要ポストに就くはずであるが、岸田政権における木原誠二・衆議院議員(財務省と米リベラル勢力の利益代表)のような石破政権における中国の利益代表となるはずである。