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浮世絵に残る江戸時代の歩き方

写真や動画の無かった江戸時代、
当時の人々は浮世絵にその当時の人々の暮らしを残してくれました。
西洋では王侯貴族やお金持ちのための絵が描かれていた時代に、
日本では庶民のために庶民の絵が描かれていました。
これは大変奇跡的なことで、
世界的にも珍しかったのではないかと思われます。
でもそのおかげで、
現代の私たちは当時の人々の動きを知ることが出来ます。

 
たとえばこの浮世絵

菱川師宣 吉原の躰(てい)

ここで歩いている人たちは
 ・膝を曲げている
 ・上体が前かがみ
 ・両ひざが、ほとんど離れていない(特に女性)
   →小股で歩いている
 ・両足とも地面に付いている
 ・手をほとんど振っていない
ことが分かります。

 
ことらはどうでしょうか。

渓斎英泉 武蔵野国 深谷

ここで歩いている人たちは
 ・膝を曲げている
 ・上体が前かがみ
 ・両ひざが、ほとんど離れていない
 ・両足とも地面に付いている
 ・裾を押さえているので手をほとんど振っていない
ことが分かります。
 
また、こちらの絵

広重 隷書東海道五十三次 日本橋

こちらの絵でも歩き方は同じです。
 

いずれの絵も、現代人の歩き方である
 ・背筋を伸ばして
 ・大股で
 ・足をまっすぐ前に出して
 ・かかとから着地して
 ・大きく手を振って歩く
といった人は一人もいません。
 
どの作者の浮世絵にも現代の歩き方の人はいないので、
江戸時代の歩き方は、現代と違うことは間違いなさそうです。
 
 

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