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東京に住む龍

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龍が動き出すとき神々も動き出す。して人類は? 龍は世界に5匹しかいなかった。青龍は東京23区内に住み、日本国政府はお世話係で、あの世の支配下にあった。 青龍が1億歳の誕生日に日本…
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#鬼

東京に住む龍 第六話 日曜日なんで地獄に行ってみた②

 幽世の龍御殿から現世の東京藝大学に通う日々、小手毬は現世には妖怪、時に地元の神が紛れて…

東京に住む龍 第六話 日曜日なので地獄に行ってみた⑤

 野守の家は、周囲の家と変わらない土塀の中にあった。重い鉄扉を術で軽々と開けると、季節の…

東京に住む龍 第七話 女神原宿に遊びに行く③

 三月も終わり近く、桜の話題が出る頃、思いがけない人から連絡が来た。辰麿のスマホに胡蝶さ…

東京に住む龍 第九話 龍珠①

 私鉄沿線の住宅地の駅前商店街の中程にある、洒落た花屋で和服姿の若い女性が買い物をしてい…

東京に住む龍 第九話 龍珠②

 抜けるような青空の下、麦の穂が豊かに実り収穫を迎えようとしていた。平和で豊かな村で、奴…

東京に住む龍 第十話 千客万来③

 その日、高天の原政庁で参議身分の上に、鬼神の称号を与えられ、今は一線を引いたとはいえ、…

東京に住む龍 第十話 千客万来④

 馬場君のお爺さんが龍神社に、鯉幟のぼりの棹を立てくれた。辰麿は早速鯉のぼりを揚げた。棹の上の矢車と玉が勢いよく回っている。長い竿には吹き流しに、真鯉緋鯉に青とピンクの子供の鯉が揚がっている。それを嬉しそうに見上げている青龍だった。いよいよゴールデンウイーク直前だ。社務所の木の引き戸を開けて小手毬が出て来た。 「鯉のぼりが揚がっているー。今日は天気だね」 「小手毬、これから大学」 「今日は履修届を出しに行かなきゃ」  目いっぱいスケジュールを入れた 、履修届を見た辰麿