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「あのー、ちょっと聞いて欲しいんだけど」 『ハイハイ』 「どうにもスッキリしないことがあっ…
ダイエットへの強迫観念から拒食になった女性がいた。日に日に痩せ細っていくその姿を痛まし…
―――あー、ごめん、遅くに。今大丈夫だった? 「ん、大丈夫だけど、どうしたの?」 ―――…
私は孤独を愛しているが、孤独はちっとも私を愛してくれないようで。人と人との関りの波にさ…
今朝から身体中痒くて痒くて仕方がない。内臓の一つ一つに至るまで激しい痒みが止まらないの…
大丈夫大丈夫。 人にはさ、得意なことと、苦手なことがあって。 たまたまわたしは、それが「生…
物心ついたころから物語が好きで、好きが高じて物書きなるものを目指し、今日まで何千何万という文章をつづってきた。 だのに、原稿用紙に撃ち込んだ文字たちは、いまだ米の一粒も掬ってくれやしない。 一体いつになったら僕は文章でメシを食えるようになるのだ。
記念日をちゃんと覚えるところ デートに遅刻しないところ 私の小さな変化に、たとえば髪を切…
取っ手のと~れ~る~ T-Fal の、取っ手を、くっつけた。 アロンアルファでくっつけました。…
たとえば、私は君と一緒に映画を見に行くことが出来る。何も予定がない平日、お昼ごろにふら…
頭上には、赤と青の目に悪い顔。その真ん中を通る斜線が、いかにも私を非難しているようで委…
とある資産家が、某大手自動車メーカーに巨額の資金投資をしたことが最近話題になった。彼は…
『あいしてる』 彼らがこの言葉を交わしたのは、出逢ってから1年と少し経ったころで、研究員…
数ヶ月ほど前から、部屋に小さな黒い毛むくじゃらが棲みついている。毛むくじゃらは、日がな一日窓辺で毛づくろいや昼寝にふけりながら、時折、何か飯をよこせとでも言いたげな視線で私に「ナァ」と声をかける。その度私は、水やら昨日の飯の残りやらをやって、耳の後ろや細っこい身体を軽く撫でてやる。毛むくじゃらの方は、私の厚意に深く感謝の意を示すでもなく、しかしせっかく整えた毛並みを乱す私の手を疎ましく思うでもなく、ただ淡々と飯を食うのだった。 毛むくじゃらは、毛づくろいと、昼寝と、飯の時