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イクメンこわい

とある神社で。
若きパパがよちよち歩きの赤ちゃんを連れていた。

赤ちゃんは石畳を外れて地面の植え込みの方に向かって行く。

それを引き戻してパパは言った。
「どうして違う方向に行きたがるかな?」

って違うと思う。声かけなら、
「何か見つけたかな?」
じゃないの?

自分中心に考えるんだねパパさんは。

あ、始めに断わっておく。

私は赤ん坊を産んだことも育てたこともない。

そんなBBAのたわごとだと思って聞いてくれ。

休日の電車の中で。
だっこ紐で赤ちゃんを胸に抱いてるパパがいた。

ドアの前に立って外を見ている。
電車が駅に停まって、そのドアが開く。
客が降り、客が乗って来る。

パパさんはずっと外つまり駅ホームを向いて立っている。

もし悪意の客がいれば……

通りすがりに赤ちゃんを叩いたり刺したり出来る位置である。

もっと車内奥深く入ってくれ!
赤ちゃんを腕で庇ってくれ!

「赤ん坊の安全を確保せよ!」
と仕事っぽく言ってみる。

そこまで考えないのかパパさんは?

飛行機の中で。
私の斜め前の席に幼稚園生ぐらいの女の子とパパが乗っていた。

着陸して客はシートベルトを外したり、荷物を下ろしたりしている。
パパさんも荷物の整理をしている。

女の子は割り箸を口にくわえている。

機内で食べたお弁当の箸だろう。
旅にはしゃいでいるのか口に箸をくわえたまま飛び跳ねている。

箸が喉に刺さる!!

注意すべきか?

いや、しかし赤の他人だし。

別の親子連れにはママさんもいるし。
子持ちが口を出さないのに、子なきBBAが口出しするのも如何なものか。
等々けっこう悩んだ。

パパさんが「危ないからやめろ」と注意したのは、すっかり荷物をまとめて席を離れる時だった。

よかったね。何事もなくて。

そんな風に巷で見かけて「危ない!」と思う親子連れは、若きママじゃない。

圧倒的に若きパパが多い。

だから、イクメンをやめろと言っているのではない。

パパさんにはきちんと育児教育を受けさせて欲しい。

頼むから。

子なきBBAは怖くてならないのだよ。

ああ、今日も今日とて……

胸に赤児を抱っこ紐でくくりつけ、ベビーカーにも赤児を乗せたパパさん。

開くドアにベビーカーを向けて立っている。
そして、じっとスマホを見ている。

駅に着いてドアが開くと赤ちゃんは珍しそうに身を乗り出す。

靴先が開くドアに触れている。
ドアに引かれて靴がぬげるだけならまだしも。

それを追って赤ちゃんが身を乗り出して転げ落ちたら!?

最悪ドアに足先が引きずり込まれて……ぎゃーーーっ!!!

赤の他人の私がそこまで考えて、怯えているのに。

パパさんは相変わらずじーーっとスマホを見つめている。

見つめるべきは赤ちゃんだろう!?

私の想像力は飛躍する。

こういう奴に限って赤ちゃんの身に何かあった場合、鉄道会社を訴えるのだ。

回りは全くいい迷惑だ!!

ああ……くわばらくわばら。

どっとはらい。

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