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【落語遠征】松江ふたたび

10月21日(土)
松江にやって来た。
ものすごい既視感。

当然である。
この春にも来ている。
温泉津温泉に行くついでに寄ったのだ。

温泉津温泉の春

今回は落語遠征。
「柳家さん喬が語る小泉八雲Vol.6」である。
小泉八雲記念館のお座敷で怪談を聞く……

というのは私の早合点だった。

実際は定員50名の多目的ホールに椅子を並べて聞くのだった。

師匠の生声が届く小さな部屋で、それでなくともたっぷりの、さん喬師匠を聞くのである。

まことに贅沢な会だった。

ちなみに会の最初にご挨拶された館長は、小泉凡氏。
小泉八雲の曽孫である。
血は繋がっていた!
と思うと何やら感動するのであった。

後でツイッター(ポスト)を見たところ、相互フォロワーさんが二人も同じ会場にいた。
私と同じく関東から来た方もいらして、これまた妙に感動するのだった。

沼にハマっているのは私だけじゃないぞ。

さて。

堀川めぐり

私が一人旅を始めたのは四十代も後半になってからである。

松江に来たのは十六年以上前(猫飼う前ね)だったと思う。
あの頃は何故だか、もう二度と来られない!
という切羽詰まった感覚があった。

観光名所は余さず歩き回った。
車のない公共交通機関を利用しての旅である。
二度と来られないんだ!!
と、それこそ足を棒にして限界まで行動したものだった。

だから今回もホテルから小泉八雲記念館まで迷わずに歩けた。

珈琲館でケーキとコーヒー

あの「これっきり!」感覚は一体何なのだろう?

松江も三度目にして思い至る。
あれはきっと子供の感覚なのだろう。
初めての体験は一度きりと思い込む幼さ。
大人になればチャンスは何度でもあると知れるのに。

そうかそうか。
私はやっと大人になれたのか。
四十代を遥かに過ぎて。
よかったよかった。

松江市出身 園山俊二先生の御作
はじめ人間ギャートルズ

翌日ホテルをチェックアウトして松江の町を歩く。
堀川めぐりの船に乗る。

懐かしいなあ……初めて松江に来た時も乗ったものだよ。

葦だか何だか生い茂る川っ辺りで「大丈夫かよ?」と思いながら乗船したものだが……あれ?

船着き場はとても立派になっている。
私の記憶違いかしら?

いや、十六年以上前の記憶だ。
辺りも整備されたのだろう。
きっとそうに違いない。

とりあえず、ギャートルズの歌でも歌って終わろう。

何にもない 何にもない 
全く何にもない
生まれた 生まれた 
何が生まれた
星がひとつ 
暗い宇宙に生まれた♪

やつらの足音のバラード
ムッシュかまやつ

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