花火と落語
写真は浅草ホッピー通りから覗き見る隅田川花火大会。
火事じゃないです。終焉間近の打ち上げです。
別に花火を見に行ったわけではない。
落語を聞きに行ったのだ。
舞台はここ。
7/29(土)18:00開演「四季の萬会」三遊亭萬橘の独演会である。
この日のこの時間は隅田川花火大会にぶち当たると、Twitterで情報が回って来た。
まず心配したのは人混みである。
浅草駅から浅草見番までは少しばかり歩く。
この猛暑で人混みに巻き込まれたら大変なことである。
前夜から電車のルートを考えて、常よりも一時間早く家を出た。
電車は常と同じ京成電車から都営浅草線乗り入れ。
だが浅草駅で下車した途端に芋を洗うような騒ぎ。
既に警察官の誘導が始まっている。
人人人で地下鉄構内を出るのに数分かかる。
外に出てもまだ人人人で一歩歩いては立ち止まりまた一歩歩いては立ち止まり。
今夜はもう「たがや」を聞かせてもらうしかない!
などと思いながら、常の倍ほど時間をかけて浅草見番に到着。
ただ、この辺に来ればもう人は少ない。
昨夜検討して帰りに使おうと思ったルートが、つくばエクスプレスの浅草駅を使う方法。
行きもこちらにすべきだった。
でも冷房の効いた浅草見番に入ればもう安心。
前売りチケットなど購入して開演を待つ。
そして前座が上がり、
「ダイナマイト花火の開始が萬橘が高座に上がる時間なので、ずらすべく調整を……」
と語るに及びようやく気がつく私である。
音!
花火は音がするのだ!!
落語は音を聞くのだ!!!
鳴りました。
鳴り始めましたよ。
萬橘師匠の高座で花火の音がばんばんと。
結論から言えば、音はそれほど気にならなかった。
突発的ではなく鳴るものと覚悟している音は、案外スルー出来るものである。
それよりも萬橘師匠の「へっつい幽霊」は斬新であった。
正直、博打打ちの幽霊が出て来るこの噺は、あまり好みではない。そんなに笑いどころもないし……
と思っていたが、萬橘師匠の工夫はそんな思いを見事に裏切った。
爆笑に次ぐ爆笑である。
花火の音がナンボのもんだ!!
という盛り上がりであった。
笑えば帰りの足取りも軽くなる。
花火を見ながらホッピー通りを抜ける(別に呑んでません。下戸だし)。
予定通りつくばエクスプレス浅草駅で乗車し秋葉原駅に出る。
そして総武線に乗り換え下総国へと帰る。
やはりかなり空いている車内であった。
だって座って帰れたんだよ!
※追記
尚、主催者からは花火大会の日に落語会を設定してしまったことに対する謝罪がありました。
まあ、いいんじゃない?
珍しい体験だったし。
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