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プロの写真家と初心者の間にあるもの
今回、プロの写真家と新しい連載をはじめました!
写真の素人である僕が、プロの写真家と歩いて、同じ景色や風景を一緒に撮影して、プロの写真家から撮影のアドバイスやコツを学んでいくシリーズ企画です。
なんでこんな連載をやろうと思ったのか? 少しだけプロローグをお話させていただきます(前フリなんて読みたくないという方はこちらが本編です)。
写真という表現手法は、すごく特殊なものだと思いませんか?
イラストや文章やダンスや映画など、世の中には色々な表現ががあるけれど、写真という表現手法は、テクノロジーの進化によってカメラの性能がよくなっているので、誰でも「それっぽく撮れる」時代になっています。
しかも指一本で表現できるので、殊に写真という表現手法は「私ってセンスあるかも」と勘違いを生みやすいと思いませんか?
イラストや文章での表現というのは、直線、曲線の書き方、てにをはの使い方など、基礎的な部分を学ばないと上手に見せることはできないけれど、写真の場合は、技術が進歩しているので素人でも「それっぽく」撮影できてしまう。しかも加工も簡単なので、誰でも映える写真が撮れてしまう。
つまり、写真の世界において、カメラのテクニックはテクノロジーがフォローしてくれちゃうんですよね。
そこで僕は思ったんです。
「世の中には『プロの写真家』という存在がいて、その人達は、写真を生業にしている。プロの写真と、素人の写真との間にあるものって、なんだろう?」
と。
プロの写真家と素人の違いは何か?。僕はこう仮定しました。それはおそらく「必然」と「偶然」の違いなのではないか、と。
昔、中華料理屋で働いていた時に、プロのコックから学んだことがあります。
「設楽くん、プロの料理家と素人の料理好きの違いってわかる?それはね、プロは、24時間365日同じ味を再現できること。出したい味がイメージできていて、それを具体化できるんだよ。素人は、美味しい料理は作れるかもしれないけど、そこができない。だからコックは、自分が出したい味を出すための技術と知識と経験が身についているんだよ」
このコックさんの話は、写真の世界でも同じだと思うんです。
プロのカメラマンが撮った写真には、必然性があるはず。絞りやシャッタースピード、光の入り方、構図。そのフレームに収まる一枚を撮るために、プロのカメラマンというのは色々なことを考え、計算してシャッターを切っているはず。
もちろん人間が撮影するので、たまたまいい写真が撮れる時もあるでしょう。でも圧倒的に素人と違うのは「技術」で光や影や構図を操り、狙っていい写真を撮ることができる。これがプロの凄さなんだろうなと思うんです。
こんな話を、まだ世の中が平和だった1年半程前に、今は無き神保町の赤ちょうちん「酔の助」で、15年近くお世話になっているプロのカメラマン・和田剛さんにしたところ、
「面白いから、今度どっかぶらぶら歩いてフォトセッションでもしようか」
と快諾してくれて、今回の企画がスタートしました。
ということで、カメラ好きの素人である僕が、プロのカメラマンである和田さんと一緒に東京の街を歩きながら写真を撮影し、和田さんから写真のコツを学ぶ連載をはじめます。
カメラが好きな方、写真の腕を上げたい方、是非ご一読ください!
連載はこちらから読めます。
東京都八王子市高尾山の麓出身。東京在住の編集者&ライター。ホッピー/ホルモン/マティーニ/アナログレコード/読書/DJ