【これから妊活を始める人へ】私的妊活論
こんにちは。
編集とデザイナー夫婦、デザイナーの妻のほうです。
もうあと数年で私は40歳です。妊活歴=結婚歴−1年くらいなので、かれこれ7年くらいでしょうか。数字にすると長い!
こうして文章に書いたり、テーマを妊活に絞ると重たく感じるかもしれませんが、もちろん妊活だけして生活しているわけではありません。毎日けっこう幸せで、毎日けっこう楽しんでいます。が、それなりに積もり積もった妊活への思いや経験もあるので、ここらで少し整理したいなと思います。
もしあなたがこれから妊活を始める方なら、きっと今、不安ですよね。
パートナーのことや、病院のこと、お金のこと。心配事はたくさんあると思います。
そのすべてを解決することはできませんが、このnoteは、ネットであふれがちな妊活成功体験に希望を寄せるというよりは、私なりの経験に基づいてまとめた「冷静に、はじめる」ための心構えのようなものだと思って眺めていただけると嬉しいです。
2022年、妊活はもう少し続けようと思う
私の歳が40を超えるまでに授からなければ、不妊治療はやめようと考えています。(なかなかないとは思いつつ、自然妊娠の可能性は捨てませんが……)
昨年採卵できた卵はまだ全て戻せていないので、粛々と進めます。
仕事や生活や妊活とのスケジュール調整は相変わらずストレスがたまりますが、こちとら妊活ベテランです。それなりにのんびり急いでできているかなと。
期待してはダメだった、の繰り返しは今でもやはり精神を削られますが、大丈夫。人間慣れるものです。きっと生涯忘れられないつらさだけど、やり過ごす方法はその時々の自分が教えてくれたり、見出したりするものです。そんな感じで、私は毎日を過ごしています。
もしこれから妊活や不妊治療を始める方で、まわりの理解を得られていない方へ
私は妊活を始めたころ、それはそれはたくさんの資料や記事、本を読んで勉強しました。どちらかというと子宮筋腫の治療や手術をずっと受け続けていたので、自ずと詳しくなっていったのもありますが、不妊治療に対するまわりの偏見もまだまだあったように思います。
とくに母親の理解を得て安心させてあげたかったかったですね。
母親も若い頃は子宮筋腫で悩まされていたのに3人も子どもを産んでいるので、娘の私にも最初の頃は「大丈夫よ、すぐできるわ」と声をかけてくれていました。しかしなかなか同じようにはいかない現実に、いつしか自分を責めるような発言をするようになったり、不妊治療のような得体の知れないものへの不安も多かったようです。
このようなまわりの否定的な反応は、大抵「自分とは違う・知らないから怖い・反対」なだけです。こういう人に対しては、自分の言葉で説明できるくらいには、妊娠や不妊治療のことを知る努力をしましょう。親世代や今までの常識ともかなり違ってきていますし、何より自分やパートナーの身体のことです。たとえ最終的に説得できなくても、少なくとも自分たちの中で納得して始めることが大切だと思います。
自分の言葉で説明することで、幸いにも私は無事に母親からの応援も受けつつ不妊治療をはじめることができました。できるなら反対よりも応援の方が、当事者の精神衛生的にも喜ばしいですよね。
また、「知る」というのはその後パートナーとも何度もぶち当たる壁です。妊活は9割型女性の身体に負担がかかるので、頭でわかっていても男性はなかなか自分ごととは思えないものです。
「あの時確認したじゃん」
「病院の予約とかスケジュール調整だけでもクタクタなのわかってよ」
みたいな言い争いは本当にあるあるですが、どんなに理解のあるパートナー同士でも1回は確実に起こりうると思います。その都度、これまた議論を尽くすことを強くお勧めします……。
そもそもパートナーの理解を得られない方へ
……大変だと思いますが、なんとなく話すのをためらって妊活をする・しないを決められないまま時間が過ぎたのだとしたら、後悔するかもしれません(しないかもしれないけど)。タイムマシンはまだ発明されてないと思うので、どんなにがんばっても時間は戻せません。
妊活については優先順位はまず「時間」です(同じくらいに「気持ち」や「お金」もあると思いますが)。とにかく相手を話す土俵に上げて、とことん話し合ってみてください。
自分は本当に子供がほしいのか。
ほしくないのか。
それはなぜか。
パートナーはどうか。
多様性が叫ばれている時代です。「普通こう思うでしょ、自分の周りや親はこうだった」のまま相手に期待すると痛い目を見ます。そんな話する必要ある? 的なことほど、話してみると違う視点や深い意見・発見があるかもしれません。
人の数だけ「普通」があると思うので、とにかく話し合ってみてくださいね。自分の気持ちを改めて知るにも良いチャンスですよ!
そうやっていろいろ勉強をした上でついに不妊治療を始めた場合
もちろん通う先のお医者さんは信用をするべきですが、だからと言って言葉やすべてを鵜呑みにしないこと。
飲むべき薬も打つべき注射もたくさんあり、すべては自分の身体の周期でスケジュールが決まっていきます。仕事をしている方なら余計に、調整がうまくいかないことを病院や医者のせいにしたくなりますが、こればっかりはもちろんあなたの身体のせいでも誰のせいでもないです。
そしてどんなに良い治療を受けても必ずしも「授かる」わけでもなく、また「授かったから」良い病院・医者というわけでもない。まさに「授かる」という奇跡の確率を上げるためのものでしかないのです。
禅問答のようですが、それぐらい長く答えのない道のりになることも考えられるので、後悔のないように「知って」自分で自分の気持ちのイニシアチブをとるのが、妊活あるある「他人の言葉や状況にいちいち傷つく」への私なりの対処法です。
「考えないようにする」とか「自分のせいにしない」は私的には高度すぎて無理だったので、「あーやるだけやった」くらいの心持ちになりたいものですね(結局自分の話)……。
個人的「不妊治療」概要
ちなみに私が自分なりに得た不妊治療の知識は以下です。
ざっくりとですが。
けっこう歴史が長い技術であること
生殖の仕組みを考えた上で、個々人の生殖能力を「手助け」してあげる行為であること
現代ではもはや3人に1人の新生児が体外受精で産まれているらしいこと
原因がわからない「不妊」もかなり多く、必ずしも治す行為ではないので「治療」と言うと少し齟齬があること
結婚適齢期は年々上がって「晩婚化」しているのに、妊娠適齢期はずっと変わらないので「晩産化」「不妊」はなるべくしてなっているということ
子どもがほしいなら(身体的には)やっぱり早い方がいいこと、でも経済的な状況が追いついていないこと
これらを踏まえ、4月からの保険適用については良いことだなという反面、少し思うところもあります。とくに上記最後の2つがキモです。
もちろん個人の意思が尊重されるべき時代なので、とくに子どもが欲しくない人に関しては含みませんが、欲しいなら、早い方がいいのです。
そうじゃない方もいらっしゃるので一般論にはなりますが、とくに女性の身体の妊孕性(妊娠のしやすさのこと)は35歳ごろからグッと下がります。
芸能人などの高齢出産のニュースや、4月からの保険適用の話題は喜ばしく希望を与える一方、「まだ大丈夫」と先送りする人を増やす気がしてならないのは私だけでしょうか……と思っていたら同じようなことを言っている人が増えてきました。ですよね……。
お金の問題が少し緩和されるのは当事者としてもちろん嬉しいし、制度施行への尽力はありがたいですが、(あくまで個人的には)順番が違う気がします。子どもが産まれてからも育てやすい環境整備をしないことには、「産むのもう少しあとでもいいや」「産んでも育てられる気がしない」を覆すことは難しいのでは。
ついつい熱く(長く)語ってしまいがちですが、心に留めておくと膿むので出し切りました。あーすっきり。さあがんばろ。
淡々と、(できれば)楽しい妊活ライフを
「楽しむ」のは本当に私には高度ですが、友達の1人に楽しそうに妊活をして女の子を無事出産した強者もいます。
曰く、
病院の長い待ち時間にだけ、どっぷり大好きなゲームしていいって決めてるんだ!
だそうです。
それなりにみんなやってそうですが、スマホで検索魔になるよりずっと健康的だな……と思ったのと、病院の待ちタイムを「自分へのごほうびタイム」に変えたことに感動したものです。
以来、私も動画を見たり、リモートワークでめっきり読めなくなった読書タイムにあてるようになりました。
検索をしたくなる気持ちはなかなか抑えられないものですが、大抵は答えも安心も得られないので、可能なら憂鬱な待ち時間くらいはほかの「中毒性のある」楽しみを見つけられるといいかもしれませんね。
そんな感じで私も適当にがんばりますんで、皆さんもどうかステキな妊活ライフを!(笑) そして子どもができてもできなくても、皆さんの人生に幸多からんことを祈りつつ、今回はここらで締めたいと思います。
※macurocuoさん、素敵なイラストを使わせていただきました。ありがとうございます!
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