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地域との緩やかなつながりを生む出会い。そのきっかけが森ノオトに|比嘉祐美子さん(サポーター、ライター卒業生)

森ノオトにかかわる人たちの声を聞きながら、ローカルメディアのあるまちの現在を描いていくインタビュー企画。10回目は、森ノオトサポーターでライター卒業生で横浜市青葉区にお住まいの比嘉祐美子さんです。卒業した後も森ノオトと緩やかにつながり続ける比嘉さん。今個人で読書会を主催し、本を挟んだ交流の輪を広げています。そのしなやかな行動力の秘密は……?編集部スタッフの佐藤沙織がお話を聞いてきました。


——私が比嘉さんと初めてお会いしたのは、2022年度森ノオトのコミュニティデザイン事業部が企画したオンライン読書会でしたね。比嘉さんのことを私は、主催の梅原昭子さんの助手の方(!?)と思っていて、ライター卒業生だと知った時は驚きました。
 
実際サポートの立場でしたね(笑)。森ノオトの読書会には2021年から参加しています。読書会には“ファシリテーター”と“発言のメモを取る”、2つのポジションがあるほうが楽だと分かっていたから、「お手伝いをしたい」と申し出たんです。
 
——なんて気が回るんでしょう!比嘉さんは新卒で一般事務の仕事に就いたその時から、自分のサポート人生が始まったと話していましたね。
 
住まい関連の仕事を経て、今はリモートで起業家の事務や講座運営のサポートをしています。リーダー的にメインで何かをやるのは苦手なのですが、計画されているものがあって、それをどうやったら円滑に進めていけるか考えるのは好きなんです。

2021〜2022年度にかけて開かれた森ノオト主催のオンライン読書会。2022年度は定員5名で開催され、本を介する穏やかな交流の時間を私も楽しみました

——なるほどです。私は読書会を主催している比嘉さんを見ているから、リーダーとして進めるのが苦手、と言うのは意外でした。
 
サポートしているうちに、このくらいの少ない人数なら自分でも主催できるかも?と思って!読書会自体は、2017年頃からはまり始めていたんです。
 
リモートで仕事を始めてから、ここに住んでいる意味ってなんだろうって考えるようになったんですね。パソコンがあれば仕事はできる状況で、仕事が好きなのでついパソコンに向かう時間が長くなって、家に引きこもるようになってしまって。でも、人は一人では生きていけないですし、地域に見知った人が何人かいて、ゆるくつながっている。そんな状態が必要だと感じたんです。
 
オンラインで地域を越えて普段なかなか会えない人に会うのもいいけれど、実際に“会える”距離の人とつながれる。そんな場が自分にあればいいなと思って、読書会を開き始めました。

比嘉さんが主催した読書会の様子。「豊かな社会を考える」をテーマに、参加者がそれぞれ本を持ち寄り感想や気づきをシェアしました。藤が丘のナチュラーレ・ボーノにて(写真撮影:植木真)

——そのような思いで場を開かれていたのですね。比嘉さんは2017年に森ノオトのライター養成講座を受講されましたね。その時に青葉区奈良町にある多世代コミュニティハウス「街の家族」を取材したのも、「自分の子どもが小さい頃にあったらよかったのに」、という思いからだったとか。
 
ライター養成講座を見つけたのは偶然です。仕事でライティングをする機会があったので募集が目にとまって。興味がわいて応募しました。
 
子どもが小さい頃、子どもと親がうっかりすると二人きりになってしまうような、周りとの交流を“意識的”にしないと難しい子育て環境に、不自然さを感じていたんですね。
 
——ライター講座がきっかけで森ノオトを知ったのですか?
 
いえ、その前からです。 青葉区の身近なスポットを検索する中で森ノオトを知りました。記事で読んだ場に足を運んだりしていました。
 
WEBメディアとしての森ノオトのことは、独特だなあと思っていました。「ローカル、エコ、コミュニティ」、そういうキーワードを掲げているローカルメディアは他にはないように感じて面白いと思いました。ただ、その時私は地域活動をしておらず、そういうワードからふわっとイメージする緩やかさとは真逆の忙しい生活を送っていたので、どういう視点で記事を書いたらいいのか迷った覚えがあります。

ライター養成講座に応募するのも、迷って〆切ギリギリだった〜と笑って話してくれました

——ライターを卒業した後も、こうして緩やかにつながり続けられるってすごいと私は思います。
 
私と同期で入ったライター仲間が、すばらしいメンバーで今でもゆるっとつながっているんです。その出会いに感謝してます。メンバーの地域での活動に参加しながら、森ノオトのみんなの様子を聞いていて。新楽津矢子さんのヨガ教室で読書会を開いたこともあったんですよ。山田麻子さんの子育て支援の場でも、いつかコラボの形で開催したいです。
 
——わあ!すてきですね。読書会も、地域にそうやって開ける場があるとうれしいですね。
 
地域で何かやりたいと思った時に、そのつながりが心強いですよね。ダメならダメでOK、何を強要される訳でもない気軽な関係だから相談もしやすいです。
 
森ノオトの人は自分で行動している人が多いですよね。仕事を自分で作る人もいる。自分の生きてきたフィールドとは違う場所にいる人が、世の中にはこんなにいっぱいいるんだ、ということに森ノオトに入って気付きました。
今私も読書会を開くようになりましたが、自分でも、こうなるとは思わなかったです!

 
(おわりに)
書くことでつながる森ノオトのライターコミュニティ。そこでのつながりが今、“あったらいいな”を叶える地域活動に広がって。話を聞いていた私は、そんな比嘉さんと地域とのかかわりに思いをはせて胸を熱くしていました。
 
取材に対し細やかに準備してきてくださった比嘉さんの言葉は、本のこと、働き方のこと……書き切れないほどの示唆で満ちていて、私の心に潤いある活力を与えてくれました。森ノオトがきっかけで始まる出会い、それに私自身も心動かされている。そんな実感が残る取材となりました。
 
(取材・撮影)佐藤沙織

この連載は森ノオトのNPO法人設立10周年の今年、「ローカルメディアのあるまちづくり」を、森ノオトにかかわる人たちの言葉を通じて描いていく企画です。
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