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難敵登場?

前回の記事では畑の雑草を見分けようとして脱線してしまいましたが、今度こそ、まだ花が咲いていない雑草を見分けるぞ。というわけで、(まだ野菜はほとんど無い)畑の写真と(前回ご紹介した)雑草図鑑とを見比べました。やはり葉っぱだけから探すのは大変。

それでも、ひとつ分かりやすいのがあり、「やった」と思ったのですが、そいつがヤバイやつでした。雑草に詳しい人なら、冒頭の写真を見て気づかれたはず。葉っぱが5枚ずつ付いているのが特徴のヤブガラシです。我々の畑のそこここにいます。「藪枯らし」という名前からして如何にも仕事ができそうな感じ。調べてみるとその名の通り、蔓をどんどん伸ばして藪を覆い尽くしてしまうとのこと。見回してみると畑の周囲にもたくさん生えています。まだ葉っぱだけですが、図鑑によれば夏に花が咲き、そこにスズメバチが寄ってくるとか。そういえばこのエリアにスズメバチが出るという話を聞いたことがありますが、それもコイツらが呼び寄せていたのかも!

プレゼンテーション1

↑ 芽は赤っぽいのが特徴

ネットで検索してみると、ヤブガラシに関する記事の殆どは退治するための薬に関するもの。しかしヤブガラシは深い地下茎を持つので、薬剤で退治しても地下茎から復活してくるくらいしぶといらしいです。しかも我々は協生農法なので薬剤は使えないし根っこから引き抜くのも避けたい。というかそもそも「協生」がモットーなので、退治しようという発想がそもそもいけません。攻撃的な連中ともうまくやっていくことを目指さなければ。これが教育のメタファーだとすると、なかなか難しい課題ですね。

やや途方に暮れていたところ、こんな記事を見つけました。

「ヤブガラシを駆除するには」(中央園芸のブログ)

蔓を他の木などから引き剥がして、くるくる巻いて地面に放置しておくと、勝手に枯れてしまうとのこと。そんな魔法のようなことがあるのでしょうか!?それが本当なら、我々の取れる対処法として望ましいのでは。

そう思ってさらにネットを探してみると、このやり方を真似してみたという人も何人かいて、うまく行った人もいれば行かなかった人もいる様子。どうも簡単ではないようです。

でも、そういう現象はあり得るかも、と思いました。上記の記事では、ヤブガラシに大地を再生する役目があり、「もうお前の役目はここでは終わったよ・・・。もういいんだよ。」と呼びかけてあげると枯れていく、と解釈していますが、私はもっと利己的な仕組みなのではないかと思います。イメージ的には急襲部隊がビルを制圧していくような。(物騒な話ですみません) 進んでいくうちに、敵がいればなぎ倒し、味方に出会ったら「◯◯区画クリア。次へ向かう。」と向きを変えていくことで効率的に制圧していく。もしヤブガラシも効率的にエリアを征服しようとするなら、既に自分たちだらけになっているところには力を弱め、その分の養分を前線の部隊に送るはず。だからヤブガラシの蔓だけをクルクル巻いて、周囲が自分たちだらけになっていると錯覚させれば弱まるのではないかと。

もしそうだとすれば、どうやって周りが自分たちだらけだと分かるのか、という仕組みを調べてみると面白そうです。例えば自分の匂いを嗅ぎ分けているとか、特殊な物質を分泌しているとか。それに、自分自身だけ認識するのか、ヤブガラシという仲間同士でも認識するのか。そう思って調べてみると、やっぱりありました。

「つる植物における自他識別能力の発見について」(弘前大学)

具体的なメカニズムは明らかではないものの、自他識別能力は確かにあるようです。

さて、そうなってくると、自然界の熾烈な社会では、この識別能力を騙す植物が出てきても不思議はありませんね。ヤブガラシに巻き付かれないために、「オイラはヤブガラシだぞ」という物質を分泌する植物が。もしそういう植物が見つかったり、メカニズムが解明されれば、リスクのある薬剤を使わずにヤブガラシを避ける方法も見つかるかもしれませんね。そう思ってさらに調べてみると、これまたやっぱりありました。

「「ペロ・・・これは同種の味!!」つる植物は接触化学識別(味覚)を使って同種を避けている」(東京大学)

要所にほうれん草を育てれば良いのか! これは試してみたいですね。

そんなことを思いながら、幾つかのヤブガラシをクルクル巻いてみました。果たしてどうなるかな。

(フジムー)

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