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読売新聞:20240524

【知的財産推進計画2024】

▶政府の知的財産戦略本部(本部長・岸田首相)
▶創作物にAIを利用したとしても、人間を「発明者」とするべきとの見解を明記
▶現在のAI技術水準では「AI自身が、人間の関与を離れ、自律的に創作活動を行っている事実は確認できない」と指摘
▶「自然人の発明者を認定すべきだ」
▶5/22東京地裁「特許法が規定する『発明者』は自然人に限られる」
▶発明の保護「技術の進展や国際動向、ニーズを踏まえながら検討を進める」
▶俳優や声優らの声を巡っては、似せた音声が生成AIで作成されてSNS上などで流れる事例があり、権利侵害が指摘される

<政府の知的財産推進計画のポイント>
▶生成AI関連
・創作物の「発明者」は、創作にAIを利用したとしても「人間」とすべき
・俳優・声優の声は、不正競争防止法で保護されておらず、考え方を整理
・生成AIと著作権との関係は、文化庁文化審議会小委員会の「考え方」を周知
▶その他
・海賊版・模倣品対策として、水際での厳正な取り締まりを強化
・新規市場の創出などを目的とした「国家標準戦略」を整備

【能動的サイバー防御】

▶自民党の経済安全保障推進本部(甘利明本部長)
▶医療機関に対する攻撃への対応強化
▶「データの窃取や情報通信技術サービスの途絶、サイバー攻撃の増加」への対応する必要性を強調
▶「法整備に向けた準備をなお一層加速し、サイバー防御能力の確立」に向け十分な措置
▶通信回線装置などの重要設備を導入する際に国の事前審査対象▷電気・空港などの「基幹インフラ」「医療」分野も追加検討

【地中に二酸化炭素 実験本格化】

▶5/17国会で、CCS事業法成立
▶政府は2030年頃の事業化を目指す
▶温暖化対策の「切り札」
▶技術開発やコスト面での課題も多い
▶北海道苫小牧市の海岸近く「苫小牧CCS実証試験センター」▷電力会社や石油元売り会社などが共同出資する「日本CCS調査」が運営
▶貯蓄した二酸化炭素は約1000年後も地層にとどまる」
▶2016年から、隣接する製油所が排出する二酸化炭素を回収し、圧力をかけて主に1000~1200mの地中に送り込んできた。2019年までの貯蓄量は約30万tに達する
▶現在は、大気中への漏出や地層への影響を検証中
▶「2018年胆振(いぶり)東部地震の際も漏れはなかった。
▶貯蓄した二酸化炭素が漏出しないように、空気を通さない「ふた」となる水分を含んだ泥岩などの地層が必要
▶日本では沿岸部に適地が多いとされる
▶日本が排出する二酸化炭素の4割は火力発電所由来
▶生成AIの普及による電力増加が見込まれる
▶火力発電への依存度を大幅に減らすのは困難
▶政府はCCSによって火力発電からの排出を「実質ゼロ」に近づけたい
▶米国などの海外では1970年代にCCS研究開始▷昨年夏時点で約400か所の整備計画が進行中
▶経済産業省は昨年、国内5か所を事業地として重点的に支援する方針を決定▷2050年には20~25か所で実用化を目指す
▶苫小牧CCSの整備費用約300億円、二酸化炭素の回収から貯蓄までのコストは1t当たりで少なくとも1万円を超えた
▶二酸化炭素を効率的に回収・輸送する技術面でも課題が残る
▶電気事業連合会の林欣吾会長(中部電力社長)「電力の安定供給の為にも、CCSに力を入れていきたい」と話す

【時事用語】

CCS:二酸化炭素の回収と貯留を意味する「Carbon dioxide Capture and Storage」の頭文字。「Utilization」(利用)を加えて「CCUS」と呼ばれることもある。工場や発電所から排出されるガスや空気中の二酸化炭素を分離して回収し、地中に埋め込む技術。経済産業省は、2050年までに現在の排出量の1~2割に当たる年1億2000万~2億4000万t を貯蓄する計画だ。

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