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1年生最後の日に。#教師のバトン

1担の楽しいところは、教師も生徒もお互いに真っ新な状態でスタートできるところ。
クラス替え後の2担は、教師も生徒もお互いに先入観を持っている。
1担の辛いところは、どんなに素敵な学級になっても解散するところ。解散の日は、幸せだけど寂しい。
卒業する3担も、解散は解散だけど、寂しさよりも喜びが大きい。卒業の日は、嬉しくて幸せな日になる。


私が1年生最後の日に、必ず言っていた言葉。

「お互い、忘れようね」

「クラス替えしたくないー!」って言葉は嬉しい。
でも、進級してから「1年生のクラスのままが良かった」という言葉は聞きたくない。

新しいクラスで「◯◯先生はこうだった」と言われても、新しい担任は困るだろう。若い先生なら尚更。私は私で、新しいクラスがある。元担任の立場では力になれないこともあった。

一方で、持ち上がりの生徒から「先生、去年はこうだったのに」と言われても、1年生に求めることと、2年生、3年生に求めることは違う。また私が担任になったとしても、同じではないから、忘れてね、と。


一度だけ、泣いた。

進級時にクラス替えがない学校で、1担で異動になった時。思い入れのある大好きなクラスだったから。
ちゃんとお別れしないと、私が進めない。

進級して担任だけが変わる。
それを楽しめる生徒もいるだろうけど、前担任の雰囲気を引きずる生徒もいるような気がして。

教員生活で生徒の前で涙を流したのは、この日だけ。
卒業式でも泣いたことがないのに。生徒と副担任たちと、みんなで涙を流した忘れられない日。


異動後に届いた手紙。

その時の生徒の一人から、異動して数ヶ月後に手紙が届きました。

「先生が “忘れよう” って言った意味がわかりました」

という言葉と、前向きな言葉が綴られていました。


「忘れよう」が良かったのか、悪かったのか。
今振り返ると、教員として未熟で、全力を注ぎすぎた結果だったのかもしれません。
もしまた教員になったら……「忘れよう」の言葉を言わなくても解散できる担任になれる、かも。


大学生の頃に受け取っていた、教師のバトン。

「最後の学活で、“忘れよう” って伝えた」

大学生の頃、教員をしている先輩がブログに書いていました。
当時は、意図は分かるけれど、私の学生時代の経験ではイメージがわきませんでした。
私も教員になって、先輩の言葉の意味が分かりました。


3学期も、あと数日ですね。
🌈☁️
最後まで読んでいただきありがとうございました😊

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