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【ポケカ考察】キラッとテラス!カラッと逆転!来年のカードはどうなんジャー!【Gレギュ総括】

割引あり

はじめに

こんにちは、くるっぽです。
Gレギュも古代/未来の環境で遂に終盤に差し掛かり、ハイクラスパックも発売され再録漏れやらAR封入率やらで阿鼻叫喚のTLとなっています。ということでカードが出揃ったところでGレギュのカードプールや環境を振り返ってみたいと思います。
基本的には一年間の商品への感想と考察という点が中心で、収録されたカードから公式がGレギュに求めたものが何なのかということとそれが実現しているのかという点についても考察していけたらなと思います。
いつもの通り個人の考えのため、根拠は0です。

(まぁ考察というより概ね愚痴なんですが)

そんな訳で総決算、始めていきます。


Gレギュのテーマ

公式からも明言されているように、Gレギュのテーマは逆転でした。

遺影

それを意識して今年のパックにはサイド差を条件としたり、サイド数によって強化されるカードが種類問わず多数収録されています。
ですが、これらがゲーム上で逆転に繋がるかと言うと殆ど繋がらないものばかりです。
理由は単純で、殆どのサイド数による効果がダメージ増減エネルギー加速だけだからです。

「逆転」という既定路線

前提としてポケカに逆転の要素はゲームシステム上殆どありません。それは原則複数枚のカードで盤面を形成するため1枚で戦況を変えるビッグアクションを起こすカードが存在しないためです。
バトルポケモンは必ず1vs1で、サイドを複数取るための複数体の撃破にはベンチ狙撃とダメカンばら撒きが必須になります。別に相手の残りサイドが1枚だったら5枚取れるようになるカードがあるわけでもないです。つまり、初動でコケたりするなどワンテンポ遅れてしまった場合にテンポを取り戻す手段は、自分を早める相手を遅れさせることです。

しかし、打点増強がポケモンの能力だと事前に把握できることが多く、まけんきハチマキは構築上後手を踏みやすいデッキにしか入りません。デッキを組む際に前提となるサイドプランは、どのポケモンで何回攻撃してサイドを取り切るかというリーサルまでのターンから考えるわけですが、現行の逆転とされる手段は大体がサイドプランに組み込まれています

サーナイトデッキ相手にサイド2枚程先行した後で「逆転された~」などと言う人はいないでしょう。あれは後からサイド1を押し付けながらサイド2を取ることを前提で設計されています。想定のリーサルまでのターン数はお互い想定からに変わらないでしょう。
ヤミラミで最後にまとめ取りをして逆転!と仰る方もいますがあれは逆転ではありません。見かけ上サイドが進んでいないだけでやっていることは変則的なクロックパーミッションです。「後n回ロストマイン撃たれたら負け」というリーサルターンが決まってる上でバトル場に縛ったりヤミラミを復帰させないために手札干渉したりするだけです。

そのため、基本的な逆転手段は妨害によるサイドレースの遅延になり、雪道+手札干渉+ボス縛りでロックしてターンを貰うのが主な手段になります。ロストギラティナなんかは明確にこのギミックで戦っています。
とはいえ、これも干渉後に解決札を引かれたりそもそも盤面だけでドローが完結していたり盤石な盤石を築かれているとどうしようもありません。

正直、逆転という点で考えるとまともに機能しているのは悪リザードンexとカウンターキャッチャー、かじばのいっぱつぐらいでしょうか。明確に意図したサイドプランを崩せるのがこれぐらいです。
リザードンは勝手に火力が上がる高体力ということで1体だけでも全抜き性能がありますが、それ以外はガラルファイヤーやかがやくリザードンのような高出力や弱点メタによる奇襲性能がないと逆転のしようがありません。

良い所:性能 悪い所:再録

強制気絶組のせいで高耐久は全く役に立たない上にそもそもの回復はかなり弱めに設定されているので、あとはもうコントロールLO型で逆転と言うより粘る形になります。

逆転を唱えるならやはりターン中に取れるサイド数をある程度弄らないと難しいと思うのですが……。テツノカイナもベンチ狙撃もアグロ気味に使われてるんですよね……。カイナでネオラントにごっつあんしてサイド3逆転とかはまぁまぁちゃんと逆転なんですが……。

やはりVMAXやTAGGXのようなサイド3が減ってくるとゲームとしてはひっくり返しづらい状況です。とはいえ、1枚で25分間のゲームを全否定して即勝ちになるカードなんて刷ったら暴動が起きるので、「逆転」を掲げることの難しさを感じます。

運ゲー化の加速

先程書いたように逆転手段として公式から用意されたものは火力かエネルギーといった盤面の強弱に寄与するものです。つまり、盤面完成前に崩壊させてしまえばその後何をやっても逆転は出来ません。

そのため、現環境は最速で盤面を完成させて相手の完成前の盤面を叩き潰すのが最も確実に勝てる選択肢となり、最終的にはお互いにVIPパスを全力で引きに行く試合が多発します。

二度と帰ってくるな

最近の初手運ゲーと言われる要素の一つはこれです。特に後1から220点出せるデッキが大量にいるためゲームスピードが早く、大体2ターン目ぐらいには勝敗が見える盤面になりやすいです。そんな中でVIPパスは引けた側と引けなかった側の格差を助長しています。

特に現環境はタイプによる相性以上にアグロ~コントロールによるゲームレンジの相性で戦う状況になっていますが、どのデッキにせよ初手の展開速度だけは求められているのが非常に厳しいと感じています。
要求値が変わらないなら展開後も色々要求されるデッキよりも後1でほぼ決着まで目指せるピオニーミライドンに環境が寄っていくのも自然です。

そして、ゲームレンジで競う状況だと逆転は機能しづらくなります。リソース勝負をしようにも初手でオール・インしてくるデッキは息切れこそしやすいですが、そもそも盤面にリソースを注ぎ込み終わっているので遅い側の要求値のほうが飛躍的に増加します。結局カードを揃えるのにエンジンが必要なため、ドロソ1枚ではどうにもならないんですよね。

なので現環境は構築や環境読み以上に初手で詰まないかどうかから始まるため、練度以上に運要素が強くだいぶ不健全な状態だと言えます。

システムの不在

Gレギュの主力ポケモンexはアタッカーでありながらベンチ展開やエネ供給等自身でエンジンとして機能するポケモンが数多くいます。一方で、非ルールのポケモンに汎用的なエンジンがほとんどいません
これがハイクラスパックのボリュームの薄さの要因の一つです。以前までに比べると数が必要なカードがそもそも減っています。

Eレギュのバトルスタイルエンジンであるヘルガーオクタンやどんよぶクイックシューターインテのラインにモココ、Fレギュのキュワワーやビーダルに比べると、Gレギュはグレンアルマやブロロローム等これどこで使えば良いんですか状態です。なんか可能性だけはあるポケモンがちらほら出てはいるんですが、とにかく汎用性が終わってます。
2進化のピジョットexが一番マシですが所詮は2進化で、ピジョンが終わり散らかしているため飴が入れられる2進化デッキでしか運用できません。

一応、明確なデザイナーズコンボが減ったことで逆にデッキビルドの観点では多様性は増しています。ロスト軸にするのかビーダル/ピジョット軸にするのかイキリンコとドロサポでターボするのか等々採用自体の自由度は増しています。

ですが、それがデザイナーズコンボに勝ってるかと言うとぶっちゃけ全然です。リファイン/アルカナシャイン/サイコエンブレイズが全部揃ってるサナやタンデムユニットでメリープ置いてモココがエレキダイナモするミライモココ、わななくれいきで引っこ抜いてきょくておんで付けるパオセグあたりのデザイナーズエンジン共の出力には遠く及びません。
正直相性いいのがいなくて困ったら最後は大抵はたらくまえばビーダルですからね。捨てるのがメインならリファインキルリア。
そもそもがロストバレットのせいでまともな非ルールエンジンを刷りづらくなっている印象を受けます。これ以上たねポケモンで回させるわけにはいきませんし、進化はし辛くなった上に手裏剣かロストマインで壊滅しやすくなっています。

一応、進化元を共有する非ルールとexを同時に用意することでエンジン用のラインを削減するようなデザインカードはあるんですが……。プクリンとかグレンアルマとかキョジオーンが該当しますが、あれは進化元が減る分後半のメインアタッカーが立ちにくくなるという欠点があります。実質進化元を減らしてるのと同義なので、結局アタッカー+エンジンが単体で完結してる悪リザードンの出力には遠く及びません。

せめて山からサーチしてこい

また、Fレギュ以降顕著ですがアタッカーがエンジンを内包したことでデッキタイプの減少が発生しています。例えばみずタイプでデッキを組もうとすると、汎用だけでも下記の通りになります。

  • エネサーチ:パオジアンex

  • エネ加速:パルキアVSTAR

  • ドロー:かがやくゲッコウガ

何故かエンジンである上記3匹がありえんほどの火力持ちなので、これだけでパオパルというデッキが出来てしまいます。正直他のみずタイプをわざわざ使う理由がありません。加速部分がセグレイブになるぐらいです。

他にも「サナやリザでエネ加速するならそれだけで良くない?」とか「ベンチ展開にミライドン使うならもうそのまま殴りなよ」などといった流れもあります。今年の前半はずっと非ルールが無双しておりロングゲーム化によってイキリンコやネオラントが負け筋負け筋連呼されていたので、尚更デッキタイプの減少が見られていました。

今の環境は、ごっつあんが負け筋です。本当にありがとうございます。

テラスタルの存在意義の薄さ

Gレギュからの新要素にテラスタルがあります。その特徴といえば

  • ベンチ狙撃耐性

  • 色エネそのままのタイプ変化

ですが、現状カードパワーが低すぎて「これ意味ある?」といった状態です。テラスタルについては以前にも書いた内容がありますのでそちらもご覧ください。

タイプ変化については大きく分けて2種類あります。

  • 元のタイプがテラスタルの弱点/抵抗を補完している
    (例:リザードンex,ガブリアスex、ミュウツーex)

  • テラスタルが元のタイプの弱点/抵抗を補完している
    (例:コオリッポex,アマージョex、クエスパトラex)

前者についてはメインアタッカーとしては優秀な性能です。メタりにきた相手を低コストのサブアタッカーで返り討ちにしやすくデッキ強度が高まります。
問題は後者です。そんな中でサブアタッカーの弱点をメインアタッカーで補うだけというメリットの使い所は皆無です。別にサブアタッカー出さなければいいだけの話ですから。
ポケカのデッキは再現性の向上のためにも別タイプのメインアタッカーを2種積むことはほぼありません。せいぜいがテーマデッキである連撃インテウーラぐらいでしょう。そんな中でタイプサポートを受けられないテラスタルを同じ比重で積んだらデッキが崩壊します。

非ルールが優秀でタイプ変わるメリットが本当に無い

テラスタルはexのみの固有性能である以上、サブアタッカーになりづらいのも問題です。サブアタッカーで殴りに行くならリスクのないサイド1の非エクか低コストで序盤に大活躍するなど別の役割が必要です。ですが、フーパexなんかはどちらも満たしておらず、悪タイプに投げたところで体力も低くサイドリスクがあり序盤に打点も伸びないというどうしようもありません。

パックやデッキの看板になるカードのデザインが軒並み前者なのを見ると、メインアタッカーとして意図的に強弱つけてるんだろうなと思いますが後者ならもう少し能力を盛ってくれても良いんじゃないでしょうか?

リストから見るもうひとつのテーマ

Gレギュにはもう一つテーマがあります。それは「ポケモンのどうぐ」です。レギュ変更時のルール改定でもポケモンのどうぐがグッズから独立したように、Gレギュでは大量のポケモンのどうぐが追加されました。
収録リストを見比べるとかなりの差です。

Gレギュ
グッズ17(化石3)(レギュ跨ぎ再録4)
どうぐ19(わざマシン5)

Fレギュ
グッズ22(化石1)(レギュ跨ぎ再録3)
どうぐ11

Eレギュ
グッズ20(レギュ跨ぎ再録3)
どうぐ26(グローブ9、巻物6、ブイズバッジ4)

※レギュ跨ぎ再録…A→Eの様に一度レギュ落ちを挟んだ再録

こうしてみるとEレギュの数も相当なのですがテーマデッキ専用のものが多いため、汎用的なものは10枚もありません。それに比べると大体どのデッキでも入れようと思えば入れられるどうぐが19枚もあるGレギュの多さが目立ちます。
他にもポケモンの能力やペパーやタウンデパート等、ポケモンのどうぐを使いやすくするカードも多数収録されました。しかしながら、このどうぐ猛プッシュもGレギュのカードパワーの低さに繋がっています。

まず大前提として、ポケモンのどうぐはそこまで強くありません。というのも、ポケモンのどうぐはエヴォリューションや森の封印石といった一部のカードを除いて殆どが盤面形成に寄与しないためです。

発動条件が「サイド負けてて攻撃した上にサイド取れてない」の時点で弱い

ポケモンのどうぐは基本的にポケモンに付けることで攻防の駆け引きを優位にするものですが、この駆け引きはまず盤面を整えた先にあるものです。そのため、ロトムVSTARのようなコンセプトデッキ以外はグッズの枚数が多くどうぐは入って数枚、なんなら入らないデッキもあります。
更に事前に張っておくだけでなく除去されないようにここぞという時に引いて使う等の回し方としての工夫や、それが実現できるだけのドロー・サーチ能力も必要になります。

これらの前提を踏まえると、「ポケモンのどうぐを強く使えるデッキはそもそも無くても十分回るぐらいには強い」ということになります。
つまりデッキ格差を助長するだけのカードになりがちです。

自由枠が多すぎてどうぐを存分に活用できる典型例

また、どうぐ大量収録のしわ寄せとしてGレギュは新規グッズが恐ろしく少ないです。化石と再録を抜くと10枚しかありません。
しかも弱い本当に弱い。
そして、グッズが弱いということはトレーナーズでデッキを補助することが出来ずデッキをポケモンで回すしか無いため、対戦時にはポケモンのカードパワー差が露骨に表れます。
自主大会に出た時に主催から「今回は環境デッキばかりでした」と言われたことがありましたが、今はファンデッキが殆ど活躍できない環境だと感じています。
何せただでさえパワーに差がある上にエンジンが別に必要で回すためのルーターも必要でスロットに余裕がない、どう足掻いても太刀打ちできません。

更にパック毎の収録で見ても完全新規のグッズ0枚のシールド戦パック2種にグッズが新規1枚のみの黒炎と中盤のカード追加も少なく、URも新規グッズは0枚と開発能力の限界を感じつつあります。

再録ば~っか

そもそもシールド戦を年2回やってるのがよくわかりませんが。

まとめ

Gレギュの要素である「逆転」「テラスタル」「どうぐ」の全てが高速化したゲームスピード前レギュのカードパワーに付いて行けず機能していないと考えられました。特にデフレの部分が顕著であり、看板ポケモン以外の新カードはどれだけ試行錯誤しても前レギュまでの非ルールデッキにすら及びません。
また、一見すると環境自体は多様性があるようですが、内情は初手運ゲー度とファンデッキの格差が深刻化しています。多様なようで選択肢は少なく、その中でも戦略性は損なわれています。

公式の意図としてはたねポケモンのかさ増しやグッズの減少も含め、デッキタイプを絞ることで環境制御をしやすくしているんじゃないかと考えています。しかし、その代償としてパックのカードの大半が使い道のないバニラみたいな性能をしているのは本当に辛いです。
スタン落ちのないゲームなら「まぁ相性の良いカードとか今後に期待するか……」で済むんですが、スタン落ちがあると使わないまま消えていくカードが多すぎて正直パックを買いたくなくなります。使うカードだけ都度シングルで買い足せばいいので。

次年度開幕のパックの内容次第では本当にフェードアウトしたい気分ですが、とりあえず次レギュに望むのはARやSARで誤魔化さないカードパワーの強化3行以上のテキストが書かれた再録以外のカードなので、使いたいと思わせるような内容を切に願います。
来年はリストも環境も大会も楽しめる状態になるといいですね……。

ここまでお読みいいただきありがとうございます。
最後におまけとして今年の各パック&セットのレビューを書いておきたいと思います。

そもそもなんでこんなnote書こうと思ったかというと、ぶっちゃけ今年のパックがあまりにも微妙だったからです。ハイクラスパックですら渋いと言われるのはもう悲惨と言っても良いんじゃないでしょうか?競技をまともに整備する気がないならせめて商品はまともに作ってくれ。
FレギュでインフレしすぎたのでGレギュがデフレ年になるのは致し方ないにしても、いくらなんでももう少しやりようがあったのでは?と思う点が多々ありました。
品薄を除いても大会、物販、構築、テキストと年がら年中どこかしら揉めてますし気分としては年中喪中の感覚です。そんな内容なんだから決算であるハイクラスパックが一周忌みたいな内容になるのも自明ではあるんですが。

おまけということで書き殴った内容で読みづらいかもしれませんが、ご了承いただけた方だけお付き合いください。

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