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盛り上がるフェムテック産業

アラサー・アラフォー時期を心身健やかに生き生きと過ごしていきたい、という欲張り3人組が始めたポッドキャスト番組第16話。三女まりが産休中の中、長女さおりと次女ともこの2人で語り合いました。

今回テーマは、ずばり「女性器のことは話しにくい?ー盛り上がる世界のフェムテック産業」です。

ちなみに2020年の初の収録であったこともあり、冒頭部分では、長女・次女の、2019年までの振り返りや2020年に対して抱いている気持ち、といったことから始まっているエピソードになっています。

1. フェムテックとは

FemaleとTechnologyを組み合わせた造語のフェムテック。女性の身体の健康ニーズに取り組むことを目的にテクノロジー を活用したツール全般(またはその業界)について使われることが多いこの単語。

たとえば、生理ケア、妊娠ケア、授乳ケア、骨盤内蔵ケア、妊娠トラッキングと言われる不妊治療、更年期ヘルスケア、ガン検査と治療、セクシャルヘルスなどにまつわるニーズを支援するために生まれたツールがほぼ全て「フェムテック」というカテゴリーに含められている、という印象です。

この言葉の生みの親と言われているのは、ドイツ・ベルリンのスタートアップClueでCEOをつとめているデンマーク人のアイダ・ティン(Ida Tin)さん。Clueは2013年にリリースされたアプリで、月経をトラッキングし、データに基づいて生理日や排卵日、PMSを予測するサービスとなっています。(ちなみに次女ともこは競合のFloアプリ愛用者)

ちなみにClueと似たツールだと日本では2000年にサービスをスタートした健康管理アプリのルナルナがあります。(長女さおり使用経験あり)

2. 色々なフェムテックの話

以下長女と次女でシェアしあっていた、いくつかの事例のリンクを紹介。

国内編

Herbioという会社が提供している10代から更年期世代までが使える基礎体温測定のウェアラブルデバイス。Herbioはアプリもやっているみたいです。

母乳の栄養状態を解析する検査サービスを開発しようとしている Bonyu.labの存在も。

在宅でできる卵巣年齢チェックキットを提供するこんな会社も。

2019年の11月の「いい夫婦の日」に渋谷区が婚姻届を提出した“全”新婚夫婦のなかの希望者にSeemとF checkをプレゼントするという取組みをしていたのが話題にもなりました。

■海外編

米調査コンサルタント会社フロスト&サリバンによると、市場規模は2025年までに500億ドル(約5兆6700億円)に達する可能性があるとされているフェムテック市場。

アメリカでは投資プラットフォームであるPortfoliaが去年(2018年)フェムテック専門のファンドを国内初として立ち上げて、シリコンバレーを中心に急成長を遂げていたりとか。

フェムテックサービスの事例だと、マーケティングが印象的なTHINX(シンクス)。2014年に立ち上がったナプキンなしでもショーツ自体が経血を吸収してくれる高性能生理用下着の会社です。

他にもジョージア工科大学の研究チームが開発している(イヤリングなどのアクセサリーとして)身に付けられる女性用避妊具があったり

排卵予測をしてくれるウエアラブル(ブレスレット)Avaの存在や

・・・キリがないくらいたくさんありますね、という話になりました。プロとして情報を整理してくださっている人もたくさんいます。勉強になりますね。

3. フェムテック台頭の背景

以前のエピソード「私たち女性と、仕事と、女性ホルモン」でも少し取り上げましたが、社会や慣習が変わるにしたがって、変化していく私たちの体のニーズはシフトしています。こういった変化の存在や、ライフステージが変わるところどころで様々なサービスが必要とされているという現実が、フェムテックの盛り上がりの背景にひとつあるのかなという感想も。

例えば、多産だった時代は、女性の生涯月経回数が約50回だったけれど、現代の女性の生涯月経の回数は約450~500回になり、性ホルモンの動きが活発かつ頻回になり、心身への影響が増していると言われています。

フェムテック市場が盛り上がるっていいなと思う部分は、課題を解決することだけでなく、課題を可視化できることでもあるな、とも。

4. 海外のフェムテックの潮流と日本の動き

その中で長女さおりからは日本という市場での認知や浸透状況についてのコメントがありました(次女ともこが米国や途上国の話をちょろっとしたことを受けて)。日本の産婦人科医はフェムテックに良いイメージを持っていない人が多いという肌感覚の印象であるとか、その背景にある、臨床結果でていない商品やサービスに対して慎重になりがちな雰囲気など。

長女さおりの友人の産婦人科医の先生のコメント、「日本で比較的新しい商品やサービスは厚労省および学会が承認・使用認可をしないと使えない。それが、相当にハードルが高いし、そこの要人はほとんど男性のため、理解が得られにくい」というものの紹介も。海外では広く普及しているのに、日本では使えないな薬や医療サービスが多く存在している背景にはそういうものがある模様。それを聞いた次女ともこは最近立て続けに聞くことがあったNIPTや卵子凍結というテーマ周りで感じた「東京とニューヨーク間で存在する慣わしの違い」についてもコメントしたり。

「フェムテックにしろドラックにしろ、この手のことって安全性や本当に本質的な争点で未認可や承認の後ろ倒しになっているというより、もっと単純な『不理解』とか、『手続き』や『根回し』が大変で難しいという理由だけで、議論が先送りにされ、機会損失になってるのでは」と長女さおり。

同じ「日本の現状を客観視する」という文脈では若手のフェムテック起業家でインフルエンサーでもあるハヤカワ五味さんの発言の紹介も。

「ハヤカワ:先日、サンフランシスコに行って改めて思ったのですが、『ジェンダー平等』の意識が明らかに違います。例えば、プレゼンの審査員は絶対に男女半々でないといけないとか、女性起業家にも投資しないといけないとか、日本人の感覚からすると『やりすぎなのでは?』と思うぐらいに徹底されています。
海外でも男性の起業家や投資家の方が多いということには変わりないのですが、『平等でなくてはならない』と駆り立てられていて、男性だけということが問題視される風潮があります。その空気のなかで、イグジットする女性起業家や女性投資家が出てきていて、女性向け事業にも注目が集まるようになってきています。」- 引用記事より

5. 今、思うこと

別のエピソードでは「女性なんとか(女性起業家とか女医さんとか女子アナとか・・)て「女性」を付けて特別枠で呼ぶのって違和感あるよね」と話していたedamame姉妹ではあるものの、業界のセグメントとして「フェム」テックって呼び名があるのはそこまで悪くないんじゃないかという話にもなりました。

シニアマーケット、ペットマーケットというように、可能性を秘める市場という視点で性別国籍不問で多くの人に注目してもらう、お金をいれてもらう、良い視点をもった起業家が成長する生態系が育っていって、市場がさらに広がっていく、それらのサービスや商品によって様々なニーズが満たされていく、恩恵を受ける人が増えていく・・・そういうサイクルがどんどん続いていくといいな、という気持ち。

どんどん新しい商品が開発されていくからついていくのは大変だけれど、時たまキャッチアップして(または自分のニーズを元に情報収集してみて)自分のニーズに合わせてお試ししていく姿勢を持っていきたいね、という話になりました。

6. Thank you

今回は収録中に三姉妹の中で一番の情報収集家の三女まりが不在だったということもあり、きっと第二弾が必要なんじゃないかという話になりました。この収録時から公開時の間にもどんどんと新しいニュースが出てきています。次回やるなら「こういうサービスも取り上げて」というのがあればぜひぜひご連絡ください

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また周りにこういう情報&ポッドキャストに興味がありそうなご友人がいれば、ぜひシェアしていただけると嬉しいです。そして感想などがあれば引き続きご連絡ください。edamame三姉妹全員ともリスナーのみなさまからいただくメッセージやコメントをいつも楽しみにしながら次のエピソードの準備・収録・編集を続けています★今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

それではまた次回!

Photo by Jamie Street on Unsplash


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