見出し画像

男性と女性のどちらかが妊娠する世界の話

アラサー・アラフォー時期を心身健やかに生き生きと過ごしていきたい、という欲張り3人組が始めたポッドキャスト番組の15回目。今回は収録時に産休中であった三女まりが産休にはいる前にピックしてくれていた、こちらのテーマについて話しました。

1. 妊娠=異性間で存在する非対称性

出発点となったのは、子育てや性に関する漫画をブログで公開している、元・助産師のkicoさんによるこちらの漫画。妊娠する確率が男女同等で、男女どちらが妊娠するか分からない世界が存在したら・・・というシナリオが具体的に描かれています。

もともと妊娠は男女で生物学上、体験内容に非対称性があるのは当たり前なのですが、こういう風に男性がもし実際に自分自身にも妊娠のリスク・可能性があるという世界だったとしたら避妊やセックスに対する意識が変わるのだろうか、という問題提起のきっかけになる漫画です。

少し話は違いますが、男女間の非対称性を超えて想像力を働かすきっかけづくり、という点で似ているかも、と話した別の取組にはこういうものもあります。

2.  自分ごととして想像力を広げられる人が増えると・・

なぜこういう想像力を膨らますきっかけづくりがあるといいのでは、とedamame姉妹が感じたかというと、日本ではこういうデータがありまして・・

「日本で使われる避妊法の82%が男性用コンドーム、避妊効果はほぼ見込めない腟外射精が19.5%で、圧倒的に男性が決定権を握っています。女性による低用量ピルの服用は4.2%で、IUD(子宮内避妊リング)など女性の体内に入れる避妊具を使っている人は1%に満たない状況」日本家族計画協会の2016年の調査

女性主体でできる避妊の選択肢が少なすぎる状況があったりするからなのです。

もちろんその課題解決に向けてアクションを取り始めている女性もいるのですが、まだまだ社会の仕組みが大きく変わるところまでの道のりは長いのが現状です。

また避妊をしないで性行為をしてしまった後に有用なアフターピルへのアクセスも他の先進国に比べるとなかなかハードルが高いという現実も存在します。

行為の後、72時間以内に服用することで、妊娠を85%程度予防できる「緊急避妊薬(アフターピル)」。2019年の3月に国内で発売されたジェネリックでも初診料などと合わせて6500円〜1万円くらい。これは、アメリカでの販売価格1500~5000円、ドイツ2000円、カナダ1000~2500円くらいに比べると高額。イギリスではアフターピルを含め避妊はすべて無料、ドイツやフランスは未成年には無料で提供しているなどの現状も。

国内でもアフターピルに関する議論はなかなか難航している印象です。(edamame姉妹的にはこういう記事のタイトルだけでオーマイガーという感想のですが・・)

自分に起こり得ないことについては想像が難しいので、もし、男性が妊娠する可能性があったら……を描いた漫画を読んだりすると、妊娠出産を自分事として理解できる人が増えるかな、という話になりました。

同じようなテーマの漫画では、男性が妊娠する世界を描いた「ヒヤマケンタロウの妊娠」も面白いくておすすめ!と三女まり。主人公は自分が妊娠したことをきっかけに、世間の「男の妊娠・出産」に対する偏見を目の当たりにして、世の中を少しずつ変えようとしていく話。現実の日本をそのまま舞台にした話なので、すごく物語の中に入りやすい、とのこと。

3. ・・・きっと世界がより多くの人にとって生きやすくなるのでは

そこからの連想トピックとして、「違いをいかに分かり合う」とは、「分かり合えないことをどう認め合っていくか」とか「完全に理解できないかもしれないけれど存在する違いの部分を埋めていくか」「みんなにとって生きやすい社会にしていくとは」という文脈で長女さおりと次女ともこが知っている様々な事例を共有し合いました。

例えば:

男性の映画監督が日本で制作している「生理」をテーマとしたドキュメンタリーのこととか。監督の彼が追求した問いは「物理的、肉体的にどうしても『変われない』現象を、他方の性はどうすれば理解する、歩み寄ることができるのか」というもの。

他にも「自分とは異なる多様な立場の人の一人称体験をすることで、今まで他人事・遠い存在と思っていたチームの多様性を自分ごととして学び、企業活動へ活かす」目的でVR技術を使った企業向け研修を提供するシルバーウッド社の取組みとか。この会社は本来は介護事業の会社で、LGBTや発達障害など、さまざまなマイノリティや、生きづらさを分かち合いにくいテーマをVRで体感できるコンテンツを企業研修に提供しているという素敵な会社。

また、次女ともこからは、いじめ防止のためにVR技術を使っていじめを受ける側の気持ちを当事者として体験することを可能にする教育ツールを導入する学校の話などの海外事例の共有も。

実は長女さおりは前述の生理にまつわるドキュメンタリーの完成披露のプレス向け試写会で、産婦人科医の方と、セックスワーカーの方と一緒に登壇したご縁があり。その時の感想を今回のエピソードでも共有してくれました。

「絶望的にわかりあえないことがある」ことを、「お互いがわかりあう」ことの大切さ。ジョハリの窓じゃないけど、わかりあえないという事実の存在を承認し、分かり合うことの大切さ

日本や世界で、こういった動きがもっともっと様々なトピックにおいて広がっていけば、もしかするともっともっと「自分ごととして体感すること」のリアリティが増して、より多くの、多様な人たち1人1人にとって生きやすい未来が来るかもしれない、と妄想をふくらませた、長女さおりと次女ともこでありました。

4. Thank you

と、タイトルや冒頭のトピックからはかなり拡散系で終了した今回のエピソードでしたが、いかがでしたか?まだ他のエピソードを聞いてない方は興味がありそうなものからぜひ聞いていただければ、と思います!

また、こういうテーマを取り扱ってみてよ、というコメントやフィードバックありましたら、いつでもFacebookでも、ウェブサイトの問合せメールからでも受け付けています。引き続きedamame talk、よろしくお願いします。

Photo by Tim Mossholder on Unsplash

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?