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家族神話ー私たちは、「家族」を過信しすぎていないか

アラサー・アラフォー時期を心身健やかに生き生きと過ごしていきたい、という欲張り3人組が始めたポッドキャスト番組第19話。三女まりが産休中のため(収録時)長女さおりと次女ともこの2人で語り合いました。

1. 日本の中で脈々と受け継がれる「家族神話」

まずは長女さおりから紹介されたこちらの記事。タイトルからしてやや衝撃的な内容なのですが、小さな子供が家族に虐待されて亡くなった事件に関して書かれた内容です。

ここで出てくる「家族神話」と言う概念・・・その根底に流れている信念はざっくり言うと「家族はすばらしい、家族は守られるもの、そして、家族の問題は家族で解決できる、そこに第三者が介入してはならない」というもの。実はそこに危険が潜んでいるんではないか、それによって苦しむ人がいるのではないか、ということを考えさせられる記事&事件です。

2. 血縁があろうとなかろうと・・

記事内にあったこちらについて2人で意見を交換しながら、自立して健やかな個人がまずあって健全に依存しあえる形の「家族」ができれば理想だな、血縁の有無関係なしに・・・といったことが頭をよぎります。

「家族がみんな温かいなにものかであるというのは幻想だ、家族である前に個であるということ、そこが満たされて個人が強くしなやかでいなければ、家族になっても不幸でしかない」- 上記記事より

そして、今回の事件や記事などから考えさせられるのは、「家族の中のこと・『ウチ』のこと」で悩みをかかえ始めている人が、ヘルプサインを出したり、外に相談したり、必要なときは逃げ場ができるような社会であるのにいいのにな、という点(もちろんそれは簡単ではないのだけれども)。

「家族はすばらしい」「家族内の問題は中で解決すべし」という空気によって結果的に苦しんでしまう人がいない社会になるといいのにな・・ということを考えさせられました。

3. 憲法24条の改訂議論という逆風(収録当時)

そんな「社会全体で健全な介入、おせっかいが焼きあえる社会にしていこう」と、考えている人は全国にすでにいて、様々な形の共助の仕組みが全国津々浦々で立ち上がろうとしてる流れもでてきているのです。

出てきているのですが・・・という前置きがありつつも、長女さおりからは、憲法24条の改訂の可能性という逆風についての紹介も。これは「家族の定義を単一化し、子育てや介護は家庭内で完結させましょう」という趣旨の憲法改訂。つまり、極端に言えば、家庭内DVや虐待の問題でさえも、家庭内で解決させようとするものではないか、と心配している人が少なくないのも事実なのです。

(これは収録段階での話で、このエピソード公開時点では安倍晋三首相の辞任発表もあり、この記事にあるように憲法改正は起きませんでした)

憲法改正こそ起きなかったものの、日本における「家族とは」の捉え方には現時点で色々なものがあるな、と考えさせられる動きです。

4. 戸籍という仕組み + α

「家族」つながりで、エピソードの後半は「戸籍」という仕組みについて。日本では当たり前に存在するこの制度ですが、実は世界には意外なほど存在していないのですね。

個人主義の強い欧米で、家族を単位とする「家制度」の象徴とも言える戸籍制度がほとんど存在しないのはそれはそうだな、と思いつつ、日本の近所の韓国では2007年に戸籍制度を撤廃したり、台湾では個人主体の生活の実態に即した戸籍制度に変化させていたりをしている、という点が興味深いです。日本の戸籍制度は将来的に何か変わるのでしょうか。日本のマイナンバーなどの普及次第か・・という話をしながら・・

戸籍・家の話から「家族」テーマの流れで墓守の話や婚外子の話などにおしゃべりが広がっていきました。

お墓は誰でも引き継ぐことができます。ただし、お墓を代々承継していくことを考えれば、子どもがいる夫婦世帯が望ましいと言えます。また、長男が独身の場合には、次男夫婦が菩提寺の檀家になることもあります。さらに、女性が承継者になってお墓を守ることも可能です。- お墓の承継:誰がお墓を承継するのか?
少子化の原因は未婚化という認識のもと、各地で「婚活」の取り組みが実施されているが、結婚と出産をセットで考える必然性はない。発想を転換する時期に来ている。 - 「婚外子が増えれば日本の少子化問題は解決する?」の記事より
日本の場合は元々社会文化として「婚姻」と「出産」が結びついており、それが維持されたまま「未婚化・晩婚化」が進んでしまったのが少子化の一因といえる

「家族」の定義も少しづつゆるくなっているようで(少なくとも頭の中では)実際周りをみると伝統的な「家族」の形をとっている人のほうがまだまだ圧倒的多数だよね、と振り返りながらのエピソードでした。

まだまだこのテーマで話せることはいっぱいありそうです。

5. Thank you

今回のテーマはいかがでしたか?他のエピソードももしよければぜひ聴いてみてください!今までのエピソードは全てこちらのウェブサイトから。

それでは、また次回!

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Photo by Daniel Cheung on Unsplash


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