見出し画像

からかうなんて無くなればいいのに 「愛情は表のままで」

私には小学生の姪がふたりいて、上の子は聡明で活発な美人さん、下の子はやや天然が入っていてこれまた元気、二人ともとてもかわいい。この下の子がちょっと変わっていて、姉によると今は立体の展開図に興味を示しているらしい。それを聞いてかなりビビった。私も同じころ、立方体の展開図を延々と書いていた記憶があるからだ。そんな一致あるんだな。

この前会ったときは、数え棒(小学校1年生でもらう算数の教材。4色くらいで各10本くらいのプラスチックの棒)を並べて図形を作るのに夢中だった。
そのうち呼ばれたので見に行くと、床の上にパラパラと数え棒が置かれていた。カラフルな棒を完全に固めて置くでもなく散らすでもなく、さらに所々空間をあけているのが逆に均整がとれていてかっこよかった。

「これね、まわるの」

もちろん棒を置いただけなので、プロペラみたいに回ったりはしない。上の子は「え~なにそれ」と言っていたが私にはわかった。その図形は点対称だった。ある一点を重心とみなし、棒を2本一組にして点対象に配置するのを繰り返すことでできた図形のようだった。見ようによっては風車のように、今にも回りそうだ。やっぱりその手の感性をお持ちか、と思い私は精いっぱいほめようとした。

「そうだね。点対称だから回転体だね」

小さい子にかける言葉ヘタクソか。褒めたことはギリ伝わったらしいが、全然わからない顔をしていた。あとまた上の子に「え~なにそれ」と言われた。下の子、他にも独特の感性を発揮していて、親や上の子でも一瞬「?」となることがあるそうだ。

でも笑いものにするでもなく否定するでもなく、姉妹が楽しそうにしていて心底ホッとした。上の子は妹に優しいし、親である私の姉夫婦も子の感性を否定するような人ではない。あとはこの子が成長するなかで、この素敵な感性にイジリとか否定とかの感情を向けられるようなことがどうかどうかありませんようにと、その日私は強く祈っておいた。
行きたいライブなどはだいたい当てる程度に私は運が良い人間なので、少しは効力があったものと思う。


今でこそ芸人さんの体型イジリが受けなくなったなどと言われるが、おそらく多くの大人が小さいころから、体型をはじめとした外見や名前など、あらゆるイジリやからかいに接してきたものだと思う。私は断言したい、からかうなんて全部無くなっていい。愛情の裏返しだなんて認めない。愛情は裏返すな。そのまま渡してくれ。

私ときたら、新卒の男の子同士でからかいのコミュニケーションをやっているのを見るのももうダメだ。明らかに嫌がっているのにやってる方はなかなかやめない。大人だから上手くいなしている人がほとんどだけど。
からかうコミュニケーションで距離が縮まることもあるだろう。だけどそれは双方の信頼関係あってのことで、見極めはとても難しい(と私は感じている)。そういうのは、上級者がやればいい。あとじゅうぶん仲良くなってからだ。

小さい頃に周りからからかわれたこと、笑われたこと、案外大人になっても引きずってるよなと思ったところから今日の日記を書きました。言ったほうは深く考えてなかったり、その場のノリのためだけに言ったかもしれない。だったらトータルでマイナスが多いんだから、やめたらいいんだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?