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ギターとnote「消費者の才能②」

私はクリエイターになることを最初から諦めた人間だった。今の自分はまあまあ気に入っているし仕事は天職だと思うけれど、どこかで「クリエイターになれなかった側」という思いをずっと振り切れずにいる。
だから圧倒的な才能を目の前にすると、しまい込んでいた憧れの気持ちが暴走して脳が簡単にバグる。消費者としてのある種の才能というものがあるとしたら、一つはこのバグを起こす回路があるかないかだと私は思う。

学生のときに、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのゴッチ氏が書いた「ゴッチ語録」を読んだときもそんな感じだった。CDを買いライブに通い、ロックシンガーになるつもりなんてないのにエレキギターを買った。全然上達しなかったけど、安物のギターは捨てる気になれずにしまってある。
好きな人になりたいのか、なりたいから好きになったのか、バグってしまったあとではよくわからない。

自分をさらけ出すような文章を書ける人が好きだ。自分の弱さとか心の底から言いたいこととか、全部自分の言葉できっちり紡いでいる人にただならぬ色気を感じる。
「キリン〜」はその謳い文句に偽りなく、脳の中をそのまま覗いたみたいに正直で、ちょっとへんてこで優しくて、時に難解な文章が並んでいた。答え合わせがしたくて、オモコロチャンネルとnoteを行き来して仮面の男の思考を辿っていたら1日が終わっていた。

あの頃と同じメンタルで、ギターを買うようにnoteに登録して日記を書いている。よくわからない好きの正体も、ちゃんと言葉を尽くしてみたい。好きだから。

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