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ヤマト2199の「中」の話

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「宇宙戦艦ヤマト2199」の『note』です。制作中の裏ばなしや、メイキングの話をお届けしています。全文無料です。
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2014年5月の記事一覧

第1回:はじめてのコスモゼロ、赤と銀のその輝きの秘密

第1回:はじめてのコスモゼロ、赤と銀のその輝きの秘密

「宇宙戦艦ヤマト2199」第1話の後半、古代進と島大介は、最新鋭の零式52型空間艦上戦闘機、通称『コスモゼロ』を、地下都市の格納庫で、初めて目にします。機能的で美しいパネルライン、「警告」の文字の記された表示板、「00」の識別ナンバー。赤と銀の機体に刻まれたメカニカルなディティールの数々が、ふたりの男の子の心を駆り立てます。 

古代たちを画面の右手に、存在感たっぷりにたたずむこのコスモゼロは、絵

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第7回:人類初のワープテストと、決して透けては見えないモノ

第7回:人類初のワープテストと、決して透けては見えないモノ

「宇宙戦艦ヤマト2199」第3話では、天王星へ向けて、ヤマトが人類初の超光速航行・ワープに挑戦します。機関室では、波動エンジンが発する光が、グダグダと不安がる藪も、キラキラと少年のように瞳を燃やす徳川も、同じように、まぶしく照らします。超空間に突入したヤマトは、どうしたことか、全長333mの巨体を護る外装が透けているように見えます。はじめての挑戦には、不思議がいっぱいです。 

「ヤマト2199」

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第6回:ユキカゼが拓いた希望と、貫かれた意志

第6回:ユキカゼが拓いた希望と、貫かれた意志

「宇宙戦艦ヤマト2199」第1話では、冥王星沖の会戦で、古代守の乗る駆逐艦ユキカゼの魚雷が、ガミラスの艦を沈めます。この作戦で初装備となった、試製空間魚雷による戦果でした。それは、これまでビームもミサイルも、ほとんど歯がたたなかった敵との戦いに希望の光が見出された、小さな、そして大きな一撃、いや、二撃でした。落ち着いた、艦長らしいたたずまいを見せていた古代守も、おもわずガッツポーズをキメます。きっ

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第5回:古代守の瞳にうつる、誰も知らない「彼」の心

第5回:古代守の瞳にうつる、誰も知らない「彼」の心

「宇宙戦艦ヤマト2199」の第1話、宇宙戦艦キリシマの艦橋で、沖田十三は古代守と、モニターを挟んで話をします。非常灯のもと、黄昏時のような色に染まる艦橋で、彼は守から、地球の未来を託されます。黒目がちな瞳に、つよい光を宿し、守はモニターを見つめます。そのまなざしを受ける沖田は、右斜め上に置かれたカメラから、やや見おろされているふうに撮られています。艦隊司令長官として、または艦長として、一段高い椅子

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第4回:火星への花束と、仕掛けられた風景

第4回:火星への花束と、仕掛けられた風景

「宇宙戦艦ヤマト2199」第3話では、森雪が、ヤマトから火星へと、花束をおくります。宇宙空間を漂う花束。花をまとめるリボンは弔いの色。もの悲しく、そして美しい風景です。

彼女が立っているのは、右絃の後部甲板。側面に5枚連なるハッチの奥には、コスモゼロが収められた第一格納庫があります。やがて古代が、左絃のほうのそのハッチを開き、彼女のためにコスモゼロを緊急発進させることになるですが、それはまだ先の

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第3回:赤道祭の裏側の、もうひとつの「おまつり」

第3回:赤道祭の裏側の、もうひとつの「おまつり」

「宇宙戦艦ヤマト2199」第7話では、赤道祭にヤマト艦内が沸くなか、古代進と山本玲が、艦外の補修作業に参加します。冥王星の戦いで「時の人」となっているふたりのまさかの参加に、甲板員たちはざわめきます。 

古代たちはパルスレーザーの砲塔付近を通りながら、資材を運びます。砲塔のうしろには、複雑な構造物と探照灯が並んでいます。配置からすると、ふたりが移動しているのは、煙突ミサイルの発射塔の根元のあたり

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第2回:第三艦橋が崩壊しない、ゆがみない理由

第2回:第三艦橋が崩壊しない、ゆがみない理由

「宇宙戦艦ヤマト2199」第2話で、古代進は宇宙戦艦ヤマトと対面します。地下特設ドックのヤマトは、地上で朽ち果てた姿でたたずむ戦艦大和に合わせて、右に10度ばかり傾いています。その艦体の最下部である第三艦橋は、後部ハッチが開き、艦内への出入口があらわになっています。ズタ袋を片手に、古代はヤマトを、そして出入口へと続くタラップをのぼる、未来の仲間たちの姿を見つめます。

第三艦橋から伸びるタラップは

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