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まるで株式会社!?〜会社活動③「株主総会編」〜

どうも!小学校教員のファニチャーです。
夏休みも早いもので、折り返し地点を過ぎましたかね。
なんでこう、休みはあっという間に過ぎるのでしょう?
まさしく6年生の国語で扱う「時計の時間と心の時間」ですね笑

さて、会社活動第三弾!「株主総会編」です!
一応最終回の予定です。(一応??)

①で会社の立ち上げ方、メンバー決めの「設立編」
②ではポスター作りと企画という活動についての「企画編」を書きました。

まだの方はぜひお読みになっていただけると!

では、マンネリ化を防ぎ、より活発で盛り上がる会社活動となる
会社活動の代名詞「株主総会」について、書いていきます!

1.株主総会の概要

株主総会とは、2ヶ月ぐらいに一度程度、、一会社3分でそれまでの成果やこれからの企画などについて発表する場です。

参考にした記事はこちらです。

一人10枚の株券を配付します。

こんな感じでワードで簡単に作れます笑 これを一人一枚印刷し、児童が投票前に切り分け、使います。

学級内通貨で実践しているものも見受けられますが、私は扱い切れる自信がなかったので、この株主総会でしか活用することのない、株券制度で行いました。
準備も簡単ですし笑

株主総会終了後、その10枚の株券を
1番クラスを盛り上げている、これからが期待できる会社である「優良会社」には株券を5枚。
2番目の会社には3枚。
3番目の会社には2枚。という具合で入れてもらいます。
4番目の会社と3番目の会社に1枚ずつ入れるのも可としています。

投票の規準は、
1、今までの企画や今回の株主総会でクラスのためになる活動をしていたり、
 楽しませたり、盛り上げていたか。
2、今後の活動に期待できるか。
という2点でどこに入れるかを選びます。

株主総会の3分間の出来だけではなく、今までの企画やこれからの企画も投票基準に入れることが大切です。

なので株主総会発表側としては、この2点をアピールすることが大事になります。

なお、自分の会社には「入れてはいけない」、もしくは、「何枚までOK」等の決まりは、会社の構成人数によって変えています。

例えば、最大9人の会社と最小2人の会社があった場合、自社に入れてはいけないとすると9人の会社が不利。「2枚まで入れていいよ」にすると2人の会社が不利になる、といったことが起こります。
その場合は、「9人の会社は1人1枚まで」「2人の会社は1人2枚まで」というように臨機応変に変えています。完全な公平にはできませんが、経験上、5枚差程度で結果はひっくり返りません。

そもそも、自分の会社よりも優れた会社があれば、意外と子供たちはそちらに入れますので、そこまで気にしたことはないです。一回目は気にする子が多いですが、二回目以降はみんな本気で選ぶので、納得いかなかった発表なのに、自社に入れる子は少ないです。
なんにせよ、教員の「なんのための会社活動で、株主総会なのか」という語りが大事です。


2.株主総会の目的・目指す姿

さて、それでは、何のための株主総会なのでしょうか?

それを考える上で、会社活動の目的に立ち戻ってほしいのです。
私は、会社活動を
「子ども達が自分達で考え、創造的に、クラスを盛り上げる、楽しませる活動」
と定義しています。
係活動であってもここは変わりません。

しかし、ただ楽しませるため、盛り上げるために企画をするだけでは、係活動と変わりはありません。

会社として活動するのであれば、成果の発表は必要だと感じました。どんな会社も何かしらの形で成果を発表しているはずです。

株式会社であれば、株主に対してこれまでの取り組みや今後の展望など、説明責任がありますよね。(いわゆる定時株主総会)

会社活動がただの「ごっこ遊び」ではなく、真剣な教育課程上の活動として意義あるものにするために、株主総会があるのです。

また、株主総会が定期的にあることで、マンネリ化を防いだり、発表スキルや企画の質の向上が見込めたりします。

どういうことか、詳しく見ていきましょう。

・マンネリ化防止、活動の質向上

係活動をやっていて、みなさんが悩みがちなのは、

マンネリ化

ではないでしょうか?

係が始まってから、しばらくはやる気に満ちあふれている。
でも、1、2ヶ月も経つと、活動しているのか、していないのかわからないような係がいくつか出てくる…
所見に書くために、先生が活動を半ば強引に促す…
職員室でもよく聞く話です。

なぜそのようなことが起きるのでしょう?

まずは、活動時間の確保がされていないということがあります。
休み時間しか活動時間がなければ、やらない係も出ますよね。
また、時間が空いたときに先生の気まぐれで活動時間を取っても、いつもあるわけではないので、計画的な活動はできません。

この活動時間の確保については、後ほど語るとして、株主総会が2ヶ月に1回あるとすると、活動する必然性が生まれます。

また、「優良会社」に選ばれたい、という思いができるため、
「何とかクラスのみんなが楽しめる企画や発表をしないと」
というモチベーションが生まれます。

そして、このモチベーションが
企画や株主総会の発表の質の向上
にも影響します。

時間を有効に使わないと、参加者側にダラダラしている、段取りが悪い、という印象を与えてしまうので、しっかり役割分担と計画を練る。
テキパキと進んだほうが楽しくなる。
ルールがわかりやすいと、迷いがなく楽しくなる。
チーム分けが適切だと、シーソーゲームになり、楽しくなる。
一部の人得意な子や好きな子が盛り上がるのではなく、クラス全員を巻き込めるようにルールを工夫することで、満足度が上がる。

そして、その企画の後、アンケートをとり、株主総会で発表すれば、
投票側は
「あー、そんな企画あったあった!楽しかったよなぁ。」
となるわけです。

企画中に写真や動画を撮り、株主総会に使う会社もありました。

そして、2ヶ月に1回という、定期的な活動が保障されていることで、自然と
振り返り、改善し、次に生かす。
というサイクルが生まれます。

また、普段の企画と株主総会という2本立てで会社活動を進めていくことで、
会社内での役割分担を促し、暇な子を減らすことができる
というメリットもあります。

①設立編でも話しましたが、係活動や会社活動で遊んでしまう子がいるのは
暇だから
です笑

一部の子が一生懸命になればなるほど、他の子は暇になります。
そして、
「なんで遊んでるの?」
「だってやることないし!」
「先生、〇〇さんがやってくれません!」
となるのです笑

ではなぜ暇になるのか。

活動のバリエーションが少ないからなんです。

慣れてくると一つの会社で同時に2つ以上の企画が進行することもありますが、企画しか活動がないと、基本4人以上の会社は暇な子が出るんですね。

これは①設立編で書いた人数についても関連がありますね。

基本活発な会社活動には
「人手が足りない!」
くらいの人数がちょうどいいです。一生懸命になります。
あ、これは会社活動に限らずですね。

とはいえ、やりたいことを優先して会社を決めていく以上、4人以上の会社が出てくることは仕方のないことです。

その際に、企画と株主総会の準備、2つあると、役割分担をすることができますよね。

ある会社は社内に
「企画部」「総会部」
みたいに勝手に部署作り、それぞれ部長を決めているなんてこともありました笑

自分のすべきことがある、
それが会社活動への参画意識を高め、自分の自己肯定感も育っていく
ファクターになると思うのです。

このモチベーションと、サイクルと、役割分担の必然性が、株主総会で
マンネリ化を防ぎ、活動の質を高める
効果を出しているのです。


3.実際の株主総会の進め方、様子

それでは、実際の株主総会の進め方と様子をお伝えいたします。


まず、株主総会の日程は最低でも1ヶ月前には知らせておきます。

2週間に1回程度の頻度でしか活動できない場合、最低2回の活動時間は確保してあげたいからです。

また、株主総会を見据えた企画も考えられるため、時間的な余裕が必要なのです。
その意味では、教員側の先を見据えた学級経営は必須ですね。

株主総会当日は、はじめに社長に集まってもらい、ジャンケンで勝った順に好きな発表順を決め、黒板に書いていきます。
社長は事前に何番がいいかをメンバー全員に聞いておき、じゃんけんに臨みます。

この順番も結構大事で、会社の作戦として
「先にインパクトを残して、後から発表する会社に圧力をかける」
「最後に発表して、インパクトを残しつつ投票に移る」
「緊張するメンバーが多いので、あえて真ん中にする」
など、さまざまあります。

この辺の攻防?も株主総会という一種の競技制が生むメリットだと感じます。

時間配分は、
「発表3分→片付け準備の入れ替え1分の繰り返し」
です!

教員はタイムキーパーをし、発表は3分で途中でも切ります。
準備の時間も1分を過ぎたら、発表時間をスタートさせます。
ここはシビアに!!

ここをシビアにすることで、事前準備やリハーサルが大事であることを学びます。

PCを使うなら、テレビとの接続を事前に試しておくことも必要です。
PCトラブルも基本は教員は介入しません。

PCを使うリスクとして、PCトラブルの代替え案は考えてほしいからです。
まあ、心優しい他の会社のクラスの子たちが、教えてくれるんですけどね笑

同様にお休みが出てもやってもらいます。発表者にお休みが出た場合の代替え案も考えてほしいからです。

我々大人がイベントを企画するときは、その辺のトラブル対応も未然に考えておくと思います。大人と同じように、求めます。

いいんです、失敗しても。繰り返しチャレンジできる場が保障されていれば。
次回、その会社は見違える発表をすることでしょう。

それはさておき、
「発表3分→片付け準備の入れ替え1分の繰り返し」
だと、会社が10社あったとしても、

3分❌10社 ➕1分❌9社分 で39分で終わります。

投票時間を入れても45分以内で終われます。10社以上ある場合は、朝の時間から続けて行ったりしています。

・実際の発表バリエーション

では、実際にどんな発表をしているのかお伝えしていきます!

ある会社は、ウォーターサーバー(手作り)を押し売りに来る設定で、会社の宣伝をしました。笑い要素も票数確保のためには必須です!

ある会社は筋トレを楽しく行うという会社なのですが、某お笑い芸人さんの決め台詞を使って、スライドと実演を入り交ぜて発表しました。

ある会社は、赤ちゃん役が登場し、クイズの答えを発表しています。
この子は元々あまりそういうネタをクラスのみんなの前でするような子ではなかったのですが、この株主総会を機に、覚醒しました笑
以降、この会社の発表では、赤ちゃんネタが恒例化しました。

ある会社は、テストでひどい点数を取ってしまった子が、お母さんにテストを見せて、学校に電話するという設定。役がわかるように名札や電話機まで作成している念の入れよう。
この会社の子たちは、とても真面目な女の子2人組で、まめに素晴らしい企画はするのですが、面白おかしく発表するのが苦手でした。
しかし、反省を生かし、助っ人を頼み、劇の台本を考えることで、改善しました!

ある会社の解散前の最後の株主総会では、涙の活動休止会見をした会社も。
この会社の一人が某国民的アニメ「サ○エさん」に出てくる「ア○ゴさん」イラストがとても上手で、活動内容はお笑い会社なのですが、
社名が「ア○ゴさんおもしろTV」
でした。
当然、「ア○ゴさん」仮面をつけて、声真似をして、会見をしていました。
この会社はこの時、見事「優良会社」になりました。
ちなみに、ポスターも「ア○ゴさん」でした。


この会社は「TV会社」
なんとたくさんのスライドに絵を描き、パラパラ漫画の要領でアニメを作成し、後で音声を吹き込み、上映しました。
GIGAスクール構想で、一人一台端末が実現したからこそ、できたことです。
ちなみに、担任は何も教えていません笑
したことは、空き教室を取ってあげただけです。


・発表後について

発表後は先に書いたように株券を投票します。

そして、教員の方で開票作業をし、結果発表をします。

ここでポイントです。

結果発表の時間は1時間とること

です。

「えっ、結果発表なんて5分で終わるよね?」

その通りなんですが、結果発表の後がめちゃくちゃ大事なんです。

何をするのかというと

振り返りと次の企画や株主総会へ向けての活動

です。

結果発表をしたら、優良会社には一人一枚シールを選んでもらって、ポスターに貼ります。
他の会社はそれを横目に振り返りをします。
『いいなあ。羨ましいなあ。次こそは』
とメラメラ燃えています。

優良会社もシール選びの後、行います。このくらい簡単でOKです。

ただし、必ず「良かったところ」も書くように伝えます。
反省日記は辛いです。必ず良かったところもあるはずです。それは次回にも生かせます。良いところを探す方が難しいものです。練習が必要なんですね。

そして、この振り返り後に、
すぐ活動時間があるのがめちゃくちゃ大事
です!
振り返ったことをすぐ実行できるので。

なので株主総会の結果発表はあえて遅らせることもあります。
活動時間を確保するために、次の日は時間が確保できない場合もありますから。


4.おわりに

ああ、やっぱり終わらなかった…
次回はこのような活動を行うためにどのように時間の確保をしているのかなど、語りきれなかった部分を書いていきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました😊

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