平野啓一郎『ある男: A Man』(2018)

■2020年9月の読書

2019年本屋大賞ノミネート作品

弁護士の城戸は、以前の依頼者から奇妙な相談を受ける。再婚した夫が死去し、絶縁状態だった彼の実家に連絡を取ったところ、全く別人と判明したのだった。彼の身元を追跡する過程で、過去、家族、そして愛と人間の関係や本質を見出していく物語。

読み始めた時、ある男とは城戸のことだと思った。読み進めていくと、依頼者里枝の2度目の夫「大祐」のことだと思ったが、やはり読み終わってみるとこれは城戸の物語だったのではないかとも思えた。身元が判明し、気持ちよく終わったと思ったところでの、最後が切なかった。

平野啓一郎『ある男』 https://k-hirano.com/a-man

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