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新刊のご案内『「多元主義」を理解するための30冊~多様化する世界を読み解き,生き抜くために』ペーパーバック版が出版されました

多元主義は現代を見つめる重要なレンズだ


『「多元主義」を理解するための30冊:多様化する世界を読み解き、生き抜くために』オンデマンド(ペーパーバック)版登場!
Kindle版が先行出版され、好評を得ていた同書がいま、リアル本(オンデマンド版)でも読めるようになりました。(エコシスラボ発行)

◆「特異点(singularity)がやってくるというなら多元性(plurality)が足元にあるのを忘れないように」(オードリー・タン:ユヴァル・ノア・ハラリとの対談より)
◆「ポピュリストは多元主義(Pluralism)を信じない」(Populism in Europe、Cambridge University Press)
◆論理学者の間では、多元主義とは、優先順位や時間軸をめぐって意見が対立している場合など、特定の状況下では、何が最も重要であるかを設定するために、複数の正しい論理が存在する可能性があるという考え方です。COVID-19 のパンデミックや気候変動のような複雑な社会問題への組織の対応は、このような状況に当てはまります。(Journal of Innovation Management 05 May 2021)
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いま世界におけるものの見方として、「多元性・多元主義」は要(かなめ)になっています。本書は多元主義のベースになるような30冊の本(名作)を選び、解説を加えたアンソロジー(解説集)です。
世界をいかに考えるか――、本書は先の見えない世界を生き抜く「杖」となることでしょう。
皆さま、ぜひご一読ください!

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「多元主義」を理解するための30冊:
多様化する世界を読み解き、生き抜くために

ビブリオテカ・アレクサンドリア(BA)プロジェクト (編著)
暮沢 剛巳(著)、清水 知子(著)

20世紀末の単一的なグローバリゼーションの後にやってきたのは、反グローバリゼーションとしての単純なローカル化の時代ではなかった。現れたのは、地球上の多様な文化がITでつながり協業する多元創知、多元主義の世界である。
世界には、そもそも唯一最高の価値体系はなく、複数の価値体系が存在するのは当然である。しかし、人間は、自分たちの価値観こそ唯一最高である、といった一元論的な世界観を強調したがる。

2021年の現在、新型コロナのパンデミック化によって、さまざまな敵対的社会状況はいよいよあらわになっている。それは政治社会体制に限らない。人工知能の知性が人間を超えると言われたシンギュラリティ(singularity 技術的特異点)もAIを神とする一元主義といっていい。
この分断と閉塞と危機の連鎖から、わたしたちはいかに脱することができるのか。その可能性を拓くのが、多元主義的な世界観である。多元主義的に考えることは、今日、人類の歴史のどの時代よりも重要になっている。多元主義は今の世界を見るためにきわめて重要かつ有効な「レンズ」なのである。

本書は30冊の先人の作品を通じて、読者を「多元主義 (pluralism:プルーラリズム)」というテーマに誘う。しかし、「多元主義」を何か「主義」(イズム)として主張したり、読者を説得したりしようというものではない。そうではなく、「多元主義」というものの見方から、今の時代を見て、理解し、生きるための「知」として身に着けてほしいというのが狙いである。つまり、知の道具(観点)として用いるという立場をとっている。本書は、とりわけ現代の「多元主義」について、その来歴や背景、論点、活用法を知るためのガイダンスとなっている。
<本書の構成>
(Ⅰ)言語の可能性
『オリエンタリズム』
『クレオール主義』
『ブラック・ジャコバン』
『地に呪われたる者』
『サバルタンは語ることができるか』
『イスラーム哲学の原像』

(Ⅱ)更新される歴史
『世界史の構造』
『創られた伝統』
『無縁・公界・楽』
『悲しき熱帯』

(Ⅲ)グローバリゼーション
『文明の衝突』
『帝国』
『ナショナリズムの超克』
『グローバル・シティ』
『〈アジア〉、例外としての自由主義』
『多文化時代の市民権』

(Ⅳ)文化の認識
『社会の社会』
『リキッド・モダニティ』
『文化の窮状』
『観察者の系譜』
『ポストモダニティの条件』
『啓蒙の弁証法』

(Ⅴ)ネーション
『想像の共同体』
『「国語」という思想』
『単一民族神話の起源』

(Ⅵ)法と混沌
『歓待について』
『全体主義の起原』
『ホモ・サケル』
『公共性の構造転換』
『千のプラトー』

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