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「よく分からない」が行動を鈍らせる

やるのを渋っていた梅干しづくりをやってみた

ここ数年、自家製で作るのが楽しくて味噌や梅シロップなどを毎年作っているけれども、気になりつつやっていなかったのが梅干しづくり。
土用干しがとても面倒なものに見えていたからだ。

今年、ついに梅干しを初めて作った。

今年の梅は不作だったそうで、価格も高め。
まだ過去に漬けた梅シロップは少し残っているから、シロップづくりはスキップしようとも思っていたので「今年梅仕事は休みだな」と思っていたのだけど。
ある方から「梅干し作りませんか?良い甕と梅が手に入ったんです。ちゃんとサポートしますよ」というお誘いをいただいた。

やったことないことだけど、サポートをしてもらえたら乗り越えられるかもしれない・・・
「お願いします」とほぼ二つ返事でやることに。

今回、なかなか梅酢が上がらなかったり(重石を増やすことで解決)途中、2粒カビが生えて「ひょえーーー!」
カビが生える可能性があるのは分かっているけど、そこそこ塩が入っているからと油断していた。特に毎年作る味噌もカビが生えることはあまりなかったので「まさか、カビが出るなんて」と軽くショック。

その後は順調に土用干しの時期に「そろそろ干してくださいね~」とメッセージをいただく。
そういえば。うちには写真でよく見るような梅を干すザルが無い。
一瞬、ザルを買う?(形から入りたくなる)と思ったけど。
年に1回の数日のためだけに収納に困るザルを入手するのはなぁと思っていた。そういえば。うちにはキャンプで使った皿を洗って干すためのネットがある♪と思い出して無事に土用干し。

3日間天気に恵まれて、無事に梅干しとなった。
最後は「あれ?これで終わり?」と少し拍子抜けした。
手間は思った以上に掛からなかったのだ。

味噌を初めて作った時もそうだった。
はじめは面倒だなぁ、と材料も道具も揃えてくれる味噌教室を探して作っていたが、作り方を知ると手抜きのしかたも見えてくる。
例えば、最近ではおからでも作れるし、大豆なら水煮を手に入れたら自分で茹で無くても良い。
ずっと味噌は自家製、という方に聴いたところ、混ぜる麹は少しこだわった方がよい、というアドバイスをいただいたのでそれは守っている。

この感覚は酢豚を初めてイチから作った時にも感じた。
それまでは忙しいから手間を掛けられない!と「玉ねぎを入れるだけで酢豚になる」キットのようなものでしか作らなかった。

また「ちょっと頑張って作ってみようかな」という時も、何で味付けすれば良いのかわからなくて勝手に「特別な調味料が必要なのかも。たまにしか作らないしな」と酢豚の素(●ーポー)、みたいなのを使った。
ある日。酢豚が食べたくなって、その日は何気なくレシピで調味料の一覧を見て気づく。
「あれ?これって家にある調味料でできる」
早速やってみたら、ちゃんと酢豚になった。
ちなみに酢豚は通常、豚肉を先に揚げておくものだと思うけど「揚げずに作れる酢豚」のレシピで作った。

よくわからないことで機会を放棄してしまう可能性

わたしの梅干しづくりや酢豚の調味料だけでなく、よくわからないことに対して実際以上の手間を想像して「自分には無理」と思ってしまう。
一方、ちょっと調べることで案外手間が掛からないことを知って「やってみよう」に繋がる。また先達や一緒にやる仲間と出会うことでも未知に飛び込みやすいもの。
誰かや何かを頼ることが悪いことではないのだけど、手順やベースとなる部分を知るとやってみる心理的ハードルが低くなる。

そして実際に手を動かしてできあがってみると「あ、大した手間でもなかった」ということもある。

誰かの行動を促す時。
この「よくわからない」をなるべく減らすことは重要なのだろう。

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