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ゴキジェットプロで知る「コト消費」

※ヘッダー画像は武器屋のイメージです。

私は黒いあいつらが大嫌いだ。
どれだけ思想が違っても、あらゆる部分で違っていても、世の中のほぼ全ての人はこの言葉には共感してくれるはずだ。人類共通の敵なのだ。そうでなければお前も敵だ。(すみません言い過ぎました。仲良くしましょう。)

※あいつらはガンダム00で言うところのソレスタルビーイングみたいな役割をしているのかもしれない(余談)

基本的にマンションの高層階には奴らは出現しないと言われている。正確には出現率はかなり低いという方が正しいのだろう。

私は一般的に出現率が低いというマンションの階に住んでいる。

引越しして六年。

ついに部屋の中でエンカウントしてしまった。

困ったのは武器がなかったことだ。

エンカウント率が極端に低いことに安心して専用殺虫剤を持っていなかった。

化学薬品による攻撃が出来ないなら物理攻撃しかない。

我が家は新聞も取ってないし、雑誌も読まないので、即席の棍棒もない。

ようやく見つけたレジャーシートを丸めたもので始末した。
(ちなみにレジャーシートは妻の大変激しい主張により廃棄となった)

あくる日早速武器屋に行って奴専用の武器を買った。

念のため置くタイプの駆除剤も買った。

スーパーマーケットでジャガイモと人参と玉ねぎと肉を買ったら店員に「今日はカレーなんだろうな」と思われるのと同じように武器屋の店主には「ああ、出たんだろうな」と思われたに違いない。

買ったのは「安心」でした

しばらくしてベランダで奴に遭遇した。

しかし私は何も焦らなかった。

手元に強力な「銀の弾丸」があるからだ。

効果はてきめんで、あっという間に始末できた。

手元に武器がある安心感はかなり大きい。

ふー、やれやれ。これでよし。これで一安心。

ふとその時気づいた。

私は専用殺虫剤や置くタイプの駆除剤を買ったと同時に「安心感」を買ったのだと。

あいつらに怯えない生活

万一エンカウントしても武器がある安心感

その商品によって得られる体験を買っているのだ。

単に欲しくて買う買物ではない。消費するだけの買物ではない。

「平和な生活の維持」の実現という「コト消費」なのだ。

自分はモノを買っているつもりでも実は体験やそのモノによって実現される生活を買っていたのだ。

世の中はこんな仕掛けであふれているのだろう。

そんなことにあいつは気づかせてくれた。

まさかあいつから何かを教えられる日がくるとは。

ありがとうとは言わない。

今日もしお前を見かけたらやはり俺はお前を殺すだろう。

二度と俺の前に姿を現すな。

本当に姿を現すな。お願い。


※最後までお読みいただきありがとうございました。ちなみに某殺虫剤メーカーの営業マンと話したことがありますが最近はマンションに住む人が多いため、奴らを見たことがないという子供も多いそうです。また遭遇率も低くなっているので、以前に比べれば売り上げはそこまでだとか。ゴキジェットプロのブランド力はすさまじいそうで、中身はそこまで変わらないのにそのカテゴリでは一番の売り上げだそうです。ブランド力って大切ですね。


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