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コンビクションボーティング(Conviction Voting)とは?次世代のDAOの投票方式をわかりやすく解説!

こんにちは、Daishoです。

今回は次世代のDAOの投票方式である「コンビクションボーティング」について解説します。

このnoteで解決できる課題

  • 「コンビクションボーティング」とは何か?がわかる

  • DAOの投票方式のヒントがわかる

コンビクションボーティングとは?

このモデルでは投票者はある提案に長期間の票を投じたまましておくほど確信度(Conviction)が高まるモデルです。

そして、議案に対して事前に定められた一定の賛成票の確信度が得られると、その議案が可決されます。

このモデルでは、

・1つの票を5日保持した場合
・5つの票を1日保持した場合

1つの票を5日保持した場合の方が、確信度が高くなります。

つまり、可決するために多数決を必要としません。

これにより、大きな利害関係や強い意見を持つ人々が少数派の意見の抑圧を防ぐ可能性が高まります。

また、トークン保有者は自分にとって最も重要だと思われる提案に集中できるため、特定の提案について合意を得る必要がありません。

しかし、結果が出るまで長い期間が必要なため、一刻を争うような意思決定には有効ではありません。

コンビクションボーティングの具体的な仕組み

コンビクションボーティングは、他の投票方法とは異なり、提案をA対Bのように順番をつけるわけではありません。

その代わりに、コミュニティはある時点ですべての提案を考えることになります。

つまり、ある人は投票力の半分を提案Aに、4分の1を提案Bに、残りの4分の1を提案CとDに分けることができます。

それぞれの提案をバケツとして考えるとわかりやすいです。

トークンによって重み付けされた意見を蛇口として、自分の好みを選択した提案に選んだ割合で注ぎ込むと考えられます。

上から以下のように訳します。
・メンバーの好きなことを表す蛇口
・選好の蓄積
・提案バケット
・好みの減衰

そして、ある提案に対する好みを長く保つほど、そのバケツは確信度の水で満たされます。

これにより、投票の直前の急激なトークン移動を抑えることができます。

どんな課題を解決するの?

コンビクションボーティング(Conviction Voting)は、DAOにおける以下の3つの課題を解決する可能性があります。

1. 投票の買収、寡頭制、シビル攻撃の防止

裕福な悪意のある人が他の有権者を賄賂で買収したり、大量のトークンを購入して自分の投票を増幅したり、多数のアカウントにトークンを分割して不当な影響力を得ることがあります。

コンビクションボーティングの場合、トークンをどれだけ長く保持したか?によって票のパワーが強くなっていくため、単純にトークンを大量に持つ人に権力が偏るリスクが減ると考えらへています。

寡頭制(かとうせい)
社会や組織が少数の権力者によって支配される政治体制のことです。これらの少数者は、経済的な資源や社会的な地位、軍事力などを利用して権力を集中させます。例えば、富裕層や特定のエリートグループが国の重要な意思決定を行う場合が典型的な寡頭制の形態です。この体制では、一般市民の意見や参加は限られ、政治や経済の力が一部の人々に集中します。

シビル攻撃
1人の攻撃者が多数の偽のアカウントを作り、ネットワークを操作しようとする攻撃です。例えば、投票システムで多くの偽アカウントを使って結果を操作したり、ネットワークのリソースを独占したりします。

2. 投票終了直前の急激な変動

従来の一般的な投票方式のような時間制限をつけた投票は、終了直前に結果を操作されやすい性質があります。

そのため、戦略的な有権者が結果を見てから最後に投票することで、自分たちに有利な投票結果に誘導することができるようになってしまいます。

コンビクションボーティングの場合、単純な投票数だけでなく、どれだけ長く保持したか?が重視されるため、直前に投票を変更しても結果を操作されるほどのインパクトを与えることを防げます。

3. オンチェーンの有権者の無関心

オンチェーン投票では参加率が非常に低く、最近のAragon AGP投票ではわずか3.8%しか参加していないことが確認されています(参考文献②より引用)。

これにより、コミュニティの意見が正確に反映されず、新しい分散型意思決定システムの大きな課題となっています。

コンビクションボーティングの場合、長い期間での投票を前提とし、投票数ではなく投票保持時間が重視されるため、参加率の改善と参加率に依存しない形での意思決定が可能となります。

参考文献

免責事項

本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な法律問題については、専門の弁護士等の法的アドバイスを受けることを強くお勧めします。本記事の情報は執筆時点のものであり、その後の法改正や判例の変更等により内容が変更される可能性があります。著者および本記事の発行者は、本記事の内容に基づいて行われた行動に対して一切の責任を負いません。

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