【トークン完全攻略】複雑なDAOのトークンを整理したい時に見るnote
こんにちは、Daishoです。
DAOについて調べていると、ガバナンストークンやリワードトークンのように、たくさんの〇〇トークンが出てきて、訳がわからなくなってしまいますよね。
そこで今回は、トークンのタイプと特性、種類を整理し、その関係性を見ていきます。
DAOについて知らない方はまずはこちらをお読みください↓
このnoteで解決できること
トークンとは何か?がわかる
暗号資産とトークンの違いがわかる
トークンの主なタイプがわかる
NFT, FT, SBTの違いがわかる
DAOのトークンの種類がわかる
DAOのトークンの種類と主要な3タイプ、3つの特性、合同会社型DAOのトークンとの関係がわかる
DAOのトークン設計を考える上でのヒントが手に入る
そもそもトークンとは?
トークンの元々、アイテムの数量を記録するために使用された粘土製の小さな道具だったそうです。
数の概念が十分に発達していなかった時代に、効率的に物品を管理するための重要な道具であり、その後の文字や貨幣の発展に大きな影響を与えたとされています。
つまりトークンは「価値を代替する一つの手段」ということです。
そして技術の進化により紙幣以外にもデジタル上に「価値を代替する手段」を作ることができるようになりました。
その結果としてできたものが「暗号資産」と「トークン」です。
暗号資産とトークンの違い
暗号資産(cryptocurrency)とトークン(token)は、どちらもブロックチェーン技術を基盤とするデジタル資産ですが、いくつかの重要な違いがあります。
暗号資産(Cryptocurrency)
独自のブロックチェーンで動作
暗号資産は独自のブロックチェーン上で動作します。例えば、ビットコイン(Bitcoin)はビットコインブロックチェーン上で、イーサリアム(Ethereum)はイーサリアムブロックチェーン上で動作します。目的
主に通貨として機能し、取引や価値の保存手段として使われます。生成方法
暗号資産は通常マイニングやステーキングによって生成されます。
トークン(Token)
既存のブロックチェーン上で発行
トークンは通常、既存のブロックチェーンプラットフォーム上で発行されます。例えば、イーサリアムブロックチェーン上で発行されたトークンはERC-20トークンと呼ばれます。目的
トークンは多様な用途があります。例えば、特定のサービスへのアクセス権、投票権、ゲーム内のアイテム、デジタル資産の表現などです。生成方法
トークンはスマートコントラクトによって生成され、管理されることが多いです。
主な3つの違い
1.独自のブロックチェーン vs 既存のブロックチェーン
暗号資産は独自のブロックチェーンを持ちますが、トークンは既存のブロックチェーン上で発行されます。
2.目的
暗号資産は主に通貨として使われるのに対し、トークンは多様な用途があります。
3.生成方法
暗号資産は通常マイニングやステーキングによって生成されますが、トークンはスマートコントラクトによって発行されます。
主な3つのトークンのタイプ
トークンは主に3つのタイプに分けることができます。
1.カレンシータイプ
主に価値の交換手段として機能します。物品やサービスの購入、送金、取引のために使用され、通貨としての幅広い用途を想定されて発行されています。
【代表的な例】
ネイティブトークン (Native Tokens) = 「暗号資産」
ブロックチェーンのネットワーク自体の通貨として機能するトークンのことです。名前に"トークン"とついていますが、暗号資産と同じ意味です。
ビットコイン(Bitcoin):最初の暗号通貨であり、価値の保存や取引のために広く利用されています。
イーサ(Ether, ETH):イーサリアムネットワークでのスマートコントラクトの実行や取引手数料の支払いに使用されます。
2.ユーティリティタイプ
特定のプラットフォームやサービス内で使用されるために設計されたトークンです。これらは、製品やサービスへのアクセス、特定の機能の利用、またはエコシステム内での特典を提供します。
【代表的な例】
ユーティリティトークン (Utility Tokens)
プラットフォーム内でのサービス利用や機能のアクセスに使用されるトークンのことです。
バイナンスコイン(Binance Coin, BNB):バイナンス取引所内での手数料割引や特定のサービスの利用に使用されます。
3.アセットタイプ
アセットタイプのトークンは、現実世界の資産やデジタル資産に連動するトークンのことです。また、不動産、株式、貴金属、その他の資産の所有権を表します。
【代表的な例】
①ステーブルコイン (Stablecoins)
法定通貨に価値が連動し、価格の安定性を保っているトークンのことです。
テザー(Tether, USDT):米ドルに1対1で連動されているステーブルコインで、価値の安定性を提供します。
②セキュリティトークン(Security Tokens)
有価証券をブロックチェーン技術を用いてデジタル化したようなもので、株式や債券などの金融商品の所有権を表し、規制の対象となることが多いです。
トークンの3つの特性
トークンの主な特性は3つあります。
特性によって、代替ができるかどうか判断できます。
1.NFT (Non-Fungible Token)
概要
NFTは「非代替性トークン」といい、ブロックチェーン技術を使って作られるデジタル資産です。 各NFTは唯一無二で、代替ができません。
用途
デジタルアート、音楽、ゲーム内アイテムなどの所有権と希少性を証明します。
具体例
特別なポケモンカードのように、世界で一つだけのデジタルアイテムを持つことができます。
2.FT (Fungible Token)
概要
FTは「代替性トークン」で、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨が代表例です。すべてのFTは等価であり、分割可能です。代替ができます。
用途
通貨としての機能を果たし、価値の交換手段や価値の保存手段として使われます。
具体例
100円玉のように、他の100円玉と同じ価値を持ち、自由に交換できます。
3.SBT (Soul bound Token)
概要
SBTは「ソウルバウンドトークン」で、個人のアイデンティティや信頼性をブロックチェーン上で表現するトークンで、持ち主の「魂」に結びつけられており、通常は転送や売買ができません。
用途
資格証明、学歴、職歴など個人の実績や属性をデジタル化し、信頼できる形で共有します。
具体例
デジタル版の成績証明書や卒業証書のように、他人には渡せない自分だけのデジタル証明書です。
DAOにおけるトークンの種類
DAOでは主に6つのトークンの種類があります。
1.Equity token(エクイティトークン)
Fungible(代替できるかどうか?)
NFT(代替できないデジタル資産)
手に入れる方法
資産(現金/クリプト)との交換
リワードトークンとの交換
Utility(得られる有益性)
基本的に譲渡できる
投票資格を示す
ガバナンストークンと結びついていることもある
社員権等を表すもの
合同会社型DAOの業務執行社員トークン、社員権トークンはエクイティトークンとなります。
※ちなみに、2024年4月8日、4月1日公布4月22日施行の「金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」によってEquity token(エクイティトークン)の取り扱いが緩和されることになりました。
2.Governance toke(ガバナンストークン)
Fungible(代替できるかどうか?)
NFT(代替できないデジタル資産)
手に入れる方法
資産(現金/クリプト)との交換
リワードトークンとの交換
Utility(得られる有益性)
基本的に譲渡できる
投票資格を示す
エクイティトークンと結びついていることもある
外国人向けのもの
3.Voting token(ボーティングトークン)
Fungible(代替できるかどうか?)
FT(代替できるデジタル資産)
SBT(自分だけのデジタル証明書)
手に入れる方法
コミュニティの貢献によって取得
Utility(得られる有益性)
基本的に譲渡できるがSBTの場合は譲渡できない場合もある
投票パワーを示す
投票時に消費されることもある(設計次第)
ボーティングトークンは発行せず1人1票とすることもある
4.Reward token(リワードトークン)
Fungible(代替できるかどうか?)
FT(代替できるデジタル資産)
手に入れる方法
優待
配当
Utility(得られる有益性)
基本的に譲渡できる
DAOが付与できる権利と交換できる
現物出資をすることでエクイティトークンの取得も想定している
合同会社型DAOの別トークンはリワードトークンとなる。
5.Coupon token(クーポントークン)
Fungible(代替できるかどうか?)
FT(代替できるデジタル資産)
手に入れる方法
優待
配当
Utility(得られる有益性)
基本的に譲渡できる
DAOが付与できる権利と交換できる
エクイティトークンを持っている人に優待券として配られる
6.Dividend token(ディビデントトークン)
Fungible(代替できるかどうか?)
FT(代替できるデジタル資産)
手に入れる方法
優待
配当
Utility(得られる有益性)
基本的に譲渡できる
基本はエクイティトークンを取得したときの払い込みに使った通貨(ステーブルコイン、ETHなど)またはリワードトークンが配られる
また、DAOによっては複数の種類が一つのトークンにまとめられるケースもあります。DAOのステークホルダー(DAOに関係する人、企業など)によってトークンを設定することになります。
DAOの各種類のトークンとその関係
主要3タイプとの関係
3つの特性との関係
合同会社型DAOのトークンとの関係
ただし、トークン設計の条件によってそれぞれのトークンの関係は変わる可能性がありますので、ご了承ください。
参考文献
Coincheck トークンとは?仮想通貨との違いと主な4つのトークン・購入方法を解説 https://coincheck.com/ja/article/263
日本DAO協会 「合同会社型DAO」とは?弁護士macによる「合同会社型DAO」の解説イベントを開催しました https://jpdao.org/column/2/
JT生命誌研究館 Token:文字誕生の原点https://www.brh.co.jp/salon/shinka/2018/post_000008.php
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